自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

篠田桃紅さんの追悼集  2  歳を取るということ

2021-05-20 05:36:04 | 推薦図書


p.128 一人は、一人で生きて一 人で死ぬ孤独な動物です。
   そして人生というのは理屈ではない。その人が置かれている境遇、
   その境遇に対する気の持ち方ややり方で、その人の人生は決まる。
   そういうことだと思います。

   私の仕事は一見、同じことの繰 り返しのように見えます。
   墨の線を引いて、かたちをつくっていますから。でも、繰り返しでは
   ありません。昨日引いた線と、今日引いた線は違います。一本一本の
   線を創造しています。創造する喜び、ありがたさは私にとって
   かけがえのないもので、線には日々新たなものが宿ります。

   百歳過ぎると、生物としては衰えていく一方。歳とともに私の線も
   変化しています。線の力強さは体力とともに衰え、その代わり、歳を
   経たからこそ深まった思考などが、線に深遠さを増しているように思います。

   とは言っても、老いることにあまりたくさんのいい点はない。
   不自由で困ることのほうが多い。だからこそ、老いて初めて得られるものは
   非常に貴重です。ありがたいと思わなくては。
   人は無駄に歳をとっているわけではないと思えます。
コメント
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