p.195 「福祉は個人のためならず」という側面があります。
人に頼ってはいけないと考える人は、体が弱ってきた
ときになるべく公のせわにならずにすむよう、お金を
蓄えようとします。
でも、それによって消費不況が起こり、結果的に
国にとっては不利益になる可能性があります。
大切なのは、依存しないことではなく、
「成熟した依存」ができるようになることだと
私は思っています。
人に頼るかわりに何かを返す。
ギブ・アンド・テイクというより、
実質的には「テイク・アンド・ギブ」ができればいい
たとえば、公の介護サービスに頼ることで、
家族の介護負担が減って共倒れにならなくてすみます。
もっとシンプルなことでいえば、他人に何か親切に
してもらったとき、「ありがとう」の一言を返すだけで
相手の自尊心を満たすことができます。
p.198 高齢になってから必要なのは、
どうしたら人に頼らなくてすむかを考えることではなく
人に頼るかわりに自分は何ができるかを考えること
こういった話題が身近に迫ってきて、
身につまされる歳になったことをひしひしと感じます。
そして、このような書物から新しい考え方や生き方を
学べることに感謝!です。