p.155 ダントラとは「己に目覚めるための現実的な方法」であり体系である。
ダントラの特徴の一つは、「頭で理解するのではなく、実行せよ」というように
実践に重きを置く点である。
タントラでは理性に基づいた倫理的な思考には限界があり、自分の体を
p.156 使って得られる理解の仕方があると考える。
そこで実践するのがヨガである。すなわちタントラでは瞑想によって
本源的な自己の探求を目指す。ポリアモリストの中に、嫉妬が生じた時に
ヨガを実践する人々がいるのはこのためである。自分の体を使って、
「今ここ」で起こっていることを感じ、理解し受け入れるための実践。
タントラではそういったヨガ実践こそが、客観的に物事を見極めていく
方法に繋がると考える。(中略)
ここでいう「真の愛」は様々に解釈することができるが、その一つとして
「自己への執着」を放棄したところにある「愛」が考えられる。
タントラにおいて「自己への執着」は「他者への執着」でもある。
なぜなら「他者への執着」-----あの人を所有したい、自分だけの存在で
あってほしいという欲望----は自分を中心として世界を見るときに生じるからだ。
p.157 (中略)タントラの目的は己を中心に世界が展開していると考える
自己中心的な視点を破棄し、宇宙中心の視点に転換することである。
自力整体の創始者・矢上 裕先生は「ヨガと自力整体は全然違うもの」と説明され、
私も長年、そのような解釈を伝えてきました。が、私の中では「根っこは同じ」。
ツボを刺激しながら極限まで伸ばしたり刺激することで、
①自力整体では自分の身体と対話し、不調の原因を探り、刺激します。
②ヨガでは、(多分)同じように自分の身体と対話しながら、一旦、自己を忘れ、
「広い宇宙の中で生かされている自分を発見し、味わう」
ということなら、この二つは限りなく近い存在だと思うのです。
私はヨガを本格的に習ったわけではなく、書物やジムなどで触れただけなので、
上記②は、あくまでも個人的見解です。