もう少し、竹内さんの主張を見てみましょう。
p.171 日本は今、江戸末期の幕末のような状況だと言われることがあります。
中国などいくつかの国が日本を乗っ取ろうとしている。もうだいぶ入り
込まれていますが。でも幕末と今では決定的に違うところがあります。
p.172 幕末の頃は、国を思い、責任感を持って行動した「志士」たちが存在
していました。はじめはなかなか足並みが揃わなかったものの、
最終的には彼らが結束して、日本が植民地化されるのを防ぐことができた。
ところが、今はそういう結束力を生み出すことができるのでしょうか。
しかも、現代は、大衆がいろいろな意見を言える場がたくさん増えて
しまったから、その声に引きずられて変な方向に舵が向いてしまう。
以下は対談相手の川村二郎氏の発言
団塊の世代のすべてがそうではないですが、彼等には「自分たちこそが
戦勝国にいいように教育され、操られて行動した人生だった」
ということに気づいてもらいたいですね。衆愚政治ではありませんが、
非常な危機に見舞われていますよね。
トランプが登場したとき、私は彼こそ「黒船」じゃないかと思ったんです。
近い将来、彼が米軍を日本から撤退させるというんじゃないか。
そうすれば、日本だって目覚めるしかないでしょう。
p.173 (再び竹内氏の発言)駅前で憲法改正反対のビラを熱心に配っている
団塊世代の姿を見ると、呆れるどころか、怒りの感情すら湧いてきます。
今からでも遅くはないから、目覚めずに死ぬのはやめてほしい。
はて?
現在、絶好調の朝ドラ主人公のような疑問符がいっぱい湧いてきます。
憲法9条は自衛権を認めていますし、自衛隊もあります。
それが強力な侵略者に立ち向かうだけの力があるかどうかは別ですが、
「無知・愚か」呼ばわりされるのは心外です。
冒頭の竹内氏の発言
現代は、大衆がいろいろな意見を言える場がたくさん増えて
しまったから、その声に引きずられて変な方向に舵が向いてしまう。
という説には、大きな違和感があります。
第二次世界大戦、大衆が色々な意見を言えなかった結果、
強硬な軍部の意見に引きずられて、沖縄県民は自決を促され、
ゼロ戦や人間魚雷など、命が粗末に扱われる作戦が蔓延したのでは?