今日は、アメリカでのポリアモリー誕生の歴史的経緯を抜き書きします。
p.43 アメリカはキリスト教国。キリスト教において性は夫婦間に
閉じられるべきものであり、結婚は<一対一>の関係において
互いに忠実であるべきものである。こうしたキリスト教の
性愛倫理に照らすと、ポリアモリーは「正しい愛の形」ではない。
本来、忌避されるべきポリアモリーがアメリカで誕生した背景を
理解するためにはアメリカの性の歴史を概観する必要がある。
(中略)アメリカ文化研究者の亀井俊介の著作を主に参照して行く。
アメリカの起源の一つは、17世紀にヨーロッパから移住し植民地を
建設したピューリタンにある。当時のヨーロッパを堕落した世界と
捉えていたピューリタンたちは、自分たちの理想の共同体を建設する
ため新大陸に赴いた。理想の社会を作るためには、社会の核となる
p.44 家族を理想的なものにする必要がある。そのためピューリタン社会では
婚外交渉は厳しく罰せられ、姦通は死罪だった。快楽を戒め、厳格な
性道徳を揚げていた彼らにとって、性的に堕落していないということは、
自分達が理想に近づいているか否かを図る一つの指標になっていたのである。
19世紀に入ると厳格な性道徳はさらに強く意識されるようになり、性衝動は
抑圧するべきものという気風が社会に定着した。いわゆる「ヴィクトリアニズム」の
到来である。ヴィクトリアニズムにおいて、人前で性的な関心を示すことや
性について語ることはタブー視され、たとえ夫婦間であっても性の話題は
慎むべきものであるとされていた。また性関係を婚姻関係にのみ限定する
ヴィクトリアニズムは、同性愛を禁止し、法的規制を強化した。
その他、妊娠中絶を禁止する法、売春を禁止する法、猥褻な文章を取り締まる
法など、性に対する法律が次々に導入され、性は抑圧されていったのである。
しかし、こうした潮流に対し正面から挑む人々もいた。例えば19世紀中ごろ
から後半に現れたフリーラブ主義者たちである。フリーラブ運動の提唱者の
一人であるヴィクトリア・ウッドハルという女性は「社会的自由」という
演説の中で次のように主張している。
p.45 「私は誰でも愛したい人を愛し、自分に可能な限り愛し、
逆に自分が望むなら毎日その愛を変えるという、
奪うことのできない本質的な自然の権利を持っています。
そしてその権利には、あなたも、あなたの作るどんな法律も
何ら干渉する資格がないのです!」
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おぉ~~、この時代に「こんな正直な、理論的な声明」を出したとは!!
私は拍手喝采をしたいです。しかし、、、
ここまで読んでくると、疑問符が私の脳裏に浮かび、外まで浮遊してきました。
「性衝動は抑圧するべきものという気風」・・・・・???
これ(19世紀のアメリカの思想)って、現代の日本に、しっかり根付いている?
いやいや、トランプ元大統領を筆頭とする現代のアメリカ・共和党の人たちが
必死に推し進めようとしている数々の政策にも通じている???
建前上は、、、ね?
そして実態は、、、ご存じのように、、、政治家も民間人も非常に自由???
私が嫌なのは、「建前(言葉)と本音(やっていること)が違うこと」です。
それは噓つきです。
私がポリアモリーに惹かれるのは、彼らが非常に誠実で正直だからです。