アンケート的なものはよくあるけど、一体それは誰が見て集計し、どう役立つものだんだろうか。多分、取ってみましたとアンケート自体が自己目的化していることも多いに違いない。学校でも実に様々なアンケート的なものを書かせるけど、一体だれが見て集計するんだろうか。
当然ながら、生徒本人、クラスに関係する調査やアンケート、つまり進路希望調査、クラスの文化祭出し物希望、給食の人気メニューアンケート…なんて言うものは、学級担任がまず見て集計することが多いだろうと思う。普通はそれでいいわけだし、担任に見せるものとして生徒も書いている。
ところで、今のイジメ論議は本質のところで、大事な問題を落としている。学校は基本的には、教職員と生徒(児童)によって成り立っている組織である。それなのに、「生徒が生徒をいじめる」ケースしか調査の対象にしていないのである。実際は「教師が生徒をいじめる」「生徒が教師をいじめる」「教師が教師をいじめる」という「事件」もかなり起こっている。本当はそれも視野に入れて問題を考えて行かないとまずい。それらの場合は、「いじめ」という扱いを受けていない場合も多い。「学級崩壊」「体罰」「パワハラ」などと呼ばれて、生徒同士のイジメ事件と別扱いを受けることが多い。しかし、実際は学校と言う空間で、強い者が弱い者を見つけて標的にして、言葉や暴力でいたぶり楽しむ(としか思えない)ということが起こっていることで同じなのである。
だから前回、いじめ調査の都教委サンプルの話を書いたけれど、本当は以下のようなことも聞かないといけない。「あなたは授業や部活動などの中で、先生が生徒に対して暴言や体罰など不適切な言動をしているのを見たり聞いたりしたことがありますか」、「あなたのクラスや学年で、一部の先生の授業だけ授業が成り立たず、先生が注意しても暴言を言ったり席を立ったりすることを見聞きしたことがありますか」。
まあ本当は教師同士の問題も聞いてみると面白いだろう。「本校の教員の中で、先生どうしの間で悪口を言ったり、先生どうしの関係が心配になるような言動を見たり聞いたりしたことがありますか」。でもこれを生徒に聞いてみる勇気のある学校はほとんどないだろう。生徒もまだ子供で先生同士の関係まで見えていないことが多いし、大人の間のことなんだから生徒に聞かなくてもいいんだろうけど。でも、教師が生徒、生徒が教師、という2パターンは是非聞いてみなくてはいけない。それは生徒同士のいじめとも密接に絡んでいることが多いし、学校として緊急に解決しなくてはいけない問題であることは同じである。
それで最初の設問、調査用紙は誰が見るのか、という問いに戻る。本来「いじめアンケート」はクラス担任が見てはいけないものなのではないか。そうでなければ、学級担任の対応こそ問題な場合、あるいは担任が体罰教師だったり、生徒に無視されているような場合は、生徒が何も大事なことを書かないだろう。
しかし、では誰が見るのか?第3者組織を常設するというのが究極的には一番だと思うけど、とりあえずはできない。管理職のみが見るというのも一つの案だが、担任への不満もいろいろ書かれているかもしれない調査を担任本人が見ることができないなら問題だ。管理職の人事考査に利用されてもわからない。それを避けるために、生徒の評判を第一に考えるようなクラス運営になってしまう。まあ、学校の教師全員が信用できないと生徒が思っている場合は、どんなアンケートを取っても無意味である。だからそういうことは考えなくてもいいだろう。そうすると、いじめ問題を担当する部署、例えば生活指導部で自分の学年でないところを見るということになるのかな。
そういうのは学校それぞれで工夫すればいいと思うけど、僕はクラスで配ってその場で書かせるという取り方自体、きちんとした情報が集まるやり方とは思ってない。郵送して家で書いて返送するというやり方をしなければいけないと思う。教育委員会できちんと臨時予算を組んで郵券(切手)を手配するべきだ(というか大量になるから料金別納になるだろうけど。)保護者のアンケートもした方がいいから、送るのに80円、返送に生徒分、保護者分で160円、合わせて240円。1学年の生徒100人として2万4千。3学年として、約10万。それ以上生徒がいる学校が多いだろうし、すべての学校でやるには相当の予算がいる。しかし「いじめアンケート」で情報を得たいんだったらそのくらいの金がかかるということである。
僕は前回面談しなければいけないと書いたけど、調査用紙に書かせるという方式も全く無意味ではない。しかしそのためには、家に郵送するというやり方をするべきだと思う。特に、保護者の意見はなかなか面談できないので郵送アンケートのやり方しかできない。生徒と保護者と一緒に返送してもらえば予算が助かるが、そういうことができる家庭ばかりではない。いやがる生徒もいるだろうから、別の返送用封筒を用意したほうがいい。
そしてその調査用紙には、名前は記名、無記名を選べることとするが、学年、クラスは書いてもらい、読んで集計するのは担任ではないことを書いておく。そこまでやる意味があるか。そこまで面倒なことをする必要がない学校の方が多いだろうと思う。でも、もし全校で全生徒に書かせるいじめ調査をするというんだったら、それだけでは形骸化してやったと言うだけの意味しかないのは明らかだから、できるんだったらここまでやるべきだという意見である。
特に、教師の指導に関する項目こそ本来は一番必要なのではないか。生徒の中の問題を見つけるという以前に、学校の組織としてもあり方なども含めて意見を聞くこと必要だろう。なお、たぶんほぼすべての学校でホームページが開設されていると思う。そこにパスワードを打ち込んで、電子メールで相談、情報を寄せるというやり方をやはり早急に検討するべきだろう。ただ、パスワードは生徒に教えなければ意味ないわけだが、生徒の中にはどこかのサイトに載せる不届き者も出るだろう。また教員は多忙ですぐに見ることができずに、対応が致命的に遅れてしまうことも起こりうる。やっぱり本当に大事な問題は、直接面と向かって言うしかないだろと思う。そのことができやすい仕組みを考えて行くことも大事である。
当然ながら、生徒本人、クラスに関係する調査やアンケート、つまり進路希望調査、クラスの文化祭出し物希望、給食の人気メニューアンケート…なんて言うものは、学級担任がまず見て集計することが多いだろうと思う。普通はそれでいいわけだし、担任に見せるものとして生徒も書いている。
ところで、今のイジメ論議は本質のところで、大事な問題を落としている。学校は基本的には、教職員と生徒(児童)によって成り立っている組織である。それなのに、「生徒が生徒をいじめる」ケースしか調査の対象にしていないのである。実際は「教師が生徒をいじめる」「生徒が教師をいじめる」「教師が教師をいじめる」という「事件」もかなり起こっている。本当はそれも視野に入れて問題を考えて行かないとまずい。それらの場合は、「いじめ」という扱いを受けていない場合も多い。「学級崩壊」「体罰」「パワハラ」などと呼ばれて、生徒同士のイジメ事件と別扱いを受けることが多い。しかし、実際は学校と言う空間で、強い者が弱い者を見つけて標的にして、言葉や暴力でいたぶり楽しむ(としか思えない)ということが起こっていることで同じなのである。
だから前回、いじめ調査の都教委サンプルの話を書いたけれど、本当は以下のようなことも聞かないといけない。「あなたは授業や部活動などの中で、先生が生徒に対して暴言や体罰など不適切な言動をしているのを見たり聞いたりしたことがありますか」、「あなたのクラスや学年で、一部の先生の授業だけ授業が成り立たず、先生が注意しても暴言を言ったり席を立ったりすることを見聞きしたことがありますか」。
まあ本当は教師同士の問題も聞いてみると面白いだろう。「本校の教員の中で、先生どうしの間で悪口を言ったり、先生どうしの関係が心配になるような言動を見たり聞いたりしたことがありますか」。でもこれを生徒に聞いてみる勇気のある学校はほとんどないだろう。生徒もまだ子供で先生同士の関係まで見えていないことが多いし、大人の間のことなんだから生徒に聞かなくてもいいんだろうけど。でも、教師が生徒、生徒が教師、という2パターンは是非聞いてみなくてはいけない。それは生徒同士のいじめとも密接に絡んでいることが多いし、学校として緊急に解決しなくてはいけない問題であることは同じである。
それで最初の設問、調査用紙は誰が見るのか、という問いに戻る。本来「いじめアンケート」はクラス担任が見てはいけないものなのではないか。そうでなければ、学級担任の対応こそ問題な場合、あるいは担任が体罰教師だったり、生徒に無視されているような場合は、生徒が何も大事なことを書かないだろう。
しかし、では誰が見るのか?第3者組織を常設するというのが究極的には一番だと思うけど、とりあえずはできない。管理職のみが見るというのも一つの案だが、担任への不満もいろいろ書かれているかもしれない調査を担任本人が見ることができないなら問題だ。管理職の人事考査に利用されてもわからない。それを避けるために、生徒の評判を第一に考えるようなクラス運営になってしまう。まあ、学校の教師全員が信用できないと生徒が思っている場合は、どんなアンケートを取っても無意味である。だからそういうことは考えなくてもいいだろう。そうすると、いじめ問題を担当する部署、例えば生活指導部で自分の学年でないところを見るということになるのかな。
そういうのは学校それぞれで工夫すればいいと思うけど、僕はクラスで配ってその場で書かせるという取り方自体、きちんとした情報が集まるやり方とは思ってない。郵送して家で書いて返送するというやり方をしなければいけないと思う。教育委員会できちんと臨時予算を組んで郵券(切手)を手配するべきだ(というか大量になるから料金別納になるだろうけど。)保護者のアンケートもした方がいいから、送るのに80円、返送に生徒分、保護者分で160円、合わせて240円。1学年の生徒100人として2万4千。3学年として、約10万。それ以上生徒がいる学校が多いだろうし、すべての学校でやるには相当の予算がいる。しかし「いじめアンケート」で情報を得たいんだったらそのくらいの金がかかるということである。
僕は前回面談しなければいけないと書いたけど、調査用紙に書かせるという方式も全く無意味ではない。しかしそのためには、家に郵送するというやり方をするべきだと思う。特に、保護者の意見はなかなか面談できないので郵送アンケートのやり方しかできない。生徒と保護者と一緒に返送してもらえば予算が助かるが、そういうことができる家庭ばかりではない。いやがる生徒もいるだろうから、別の返送用封筒を用意したほうがいい。
そしてその調査用紙には、名前は記名、無記名を選べることとするが、学年、クラスは書いてもらい、読んで集計するのは担任ではないことを書いておく。そこまでやる意味があるか。そこまで面倒なことをする必要がない学校の方が多いだろうと思う。でも、もし全校で全生徒に書かせるいじめ調査をするというんだったら、それだけでは形骸化してやったと言うだけの意味しかないのは明らかだから、できるんだったらここまでやるべきだという意見である。
特に、教師の指導に関する項目こそ本来は一番必要なのではないか。生徒の中の問題を見つけるという以前に、学校の組織としてもあり方なども含めて意見を聞くこと必要だろう。なお、たぶんほぼすべての学校でホームページが開設されていると思う。そこにパスワードを打ち込んで、電子メールで相談、情報を寄せるというやり方をやはり早急に検討するべきだろう。ただ、パスワードは生徒に教えなければ意味ないわけだが、生徒の中にはどこかのサイトに載せる不届き者も出るだろう。また教員は多忙ですぐに見ることができずに、対応が致命的に遅れてしまうことも起こりうる。やっぱり本当に大事な問題は、直接面と向かって言うしかないだろと思う。そのことができやすい仕組みを考えて行くことも大事である。