文学座の新作、「タネも仕掛けも」という芝居を見た。新宿の紀伊國屋サザンシアター。これが滅法面白いんだけど、もう土日の午後2時の回しかない。僕も招待で見たんだけど、まだ席はあるようでもったいない面白さ。

緑川という地方の小さな町。そこの観光案内所、になったはずの今は物置に使われている建物のロビー。その2階にマジックショーで前座を務めるシロウトの高齢女性グループ(4人)が泊っている。冬で雪が降り続く中、そこにかつて「脱出王」と言われた元有名老マジシャンが現れる。マジックショーの主役はかつての弟子だったが、栄光の地位は奪われてしまった。また何か関係のありそうな謎の女性も。そうして、いよいよ主役を務めるマジシャンの登場。老マジシャンは奪われた栄光を取り戻そうと、かつてない大ネタで昔の弟子に勝負を挑む…。
もう少し人間関係は込み入っているのだが、ベースとなるのはこの新旧人気マジシャンの対決である。もっとも老マジシャンの正体は誰なのか、女の弟子との関係は、シロウト女性グループのそれぞれの事情など、いろいろと関わってくるのだが。そして実際に舞台でマジックを行う。シロウト老女性と言っても、文学座の俳優であるわけだが、きちんとマジックを行うが、まあご愛嬌。楽しいムードを盛り上げる。一方、「胴体斬り」などもちゃんとやって見せる。最後の大ネタは「人間の縦斬り」(胴体切りではなく)で、これはどういう仕掛けなのか。多分演劇ならではのタネがあるのではないかと思うのだが、だまされるのも観客の楽しみではないか。
人間関係のもつれた事情などいかにも演劇的な設定で、一室ですべてが展開されるという劇なんだけど、実際にマジックショー的な見世物で作っているところが面白い。すごい人気俳優が何人も出ているというような劇ではないので、興行的には大変かもしれないが、見て損はない。誰かと見れば、帰りにタネをめぐって議論になること必至である。そういう楽しさがある劇。
2005年に「ぬけがら」で岸田國士賞を受賞した佃典彦という若手の劇作家の作品。僕は初めて見たが、満足して帰ってきた。もっとも演劇と言うよりマジックの満足なのかもしれない。


緑川という地方の小さな町。そこの観光案内所、になったはずの今は物置に使われている建物のロビー。その2階にマジックショーで前座を務めるシロウトの高齢女性グループ(4人)が泊っている。冬で雪が降り続く中、そこにかつて「脱出王」と言われた元有名老マジシャンが現れる。マジックショーの主役はかつての弟子だったが、栄光の地位は奪われてしまった。また何か関係のありそうな謎の女性も。そうして、いよいよ主役を務めるマジシャンの登場。老マジシャンは奪われた栄光を取り戻そうと、かつてない大ネタで昔の弟子に勝負を挑む…。
もう少し人間関係は込み入っているのだが、ベースとなるのはこの新旧人気マジシャンの対決である。もっとも老マジシャンの正体は誰なのか、女の弟子との関係は、シロウト女性グループのそれぞれの事情など、いろいろと関わってくるのだが。そして実際に舞台でマジックを行う。シロウト老女性と言っても、文学座の俳優であるわけだが、きちんとマジックを行うが、まあご愛嬌。楽しいムードを盛り上げる。一方、「胴体斬り」などもちゃんとやって見せる。最後の大ネタは「人間の縦斬り」(胴体切りではなく)で、これはどういう仕掛けなのか。多分演劇ならではのタネがあるのではないかと思うのだが、だまされるのも観客の楽しみではないか。
人間関係のもつれた事情などいかにも演劇的な設定で、一室ですべてが展開されるという劇なんだけど、実際にマジックショー的な見世物で作っているところが面白い。すごい人気俳優が何人も出ているというような劇ではないので、興行的には大変かもしれないが、見て損はない。誰かと見れば、帰りにタネをめぐって議論になること必至である。そういう楽しさがある劇。
2005年に「ぬけがら」で岸田國士賞を受賞した佃典彦という若手の劇作家の作品。僕は初めて見たが、満足して帰ってきた。もっとも演劇と言うよりマジックの満足なのかもしれない。