消費税アップが近づいてきて、「買いだめ」も盛んになってきているようだ。マスコミでもいろいろな報道があるが、東京新聞(3月16日)が「消費税 対象外をチェック」と一面トップで報じた。そこに「郵便切手」が「対象外」と出ていたことから、「ハガキは52円になるのでは」「52円切手が新発売されたじゃないか」と質問が殺到したらしく、後日新たに解説記事が掲載された。消費税そのものの話ではなく、そういう問題にしぼって簡単に。
さて、自分でもあまり意識していなかったけれど、「消費税」という以上「消費ではないもの」には税がかからない。「消費ではないもの」というのは、つまり「消費することにより価値が消失、減失してしまうことがないもの」ということで、例えば「土地」である。でも土地の上には家が建っていて、家は古びていくから消費税がかかる。土地と家はまとめて買うことが多いし、「不動産売買サービス」という「サービス」も消費するので、結局かなりの税がかかるから意識しにくい。
僕らは普段「モノ」を買っているから、食べたり使ったりしているうちに「商品の価値がなくなる」ことが「消費」だと思いやすい。今「買いだめ」しているというのも、缶詰やトイレットペーパーはいずれは使うから、「当面は消費しないけど、将来消費する」という意識で行っているわけである。でも、その将来本当に「消費」する時ではなく、店から買った時に「消費税」はかかるのである。だから、この税は本当は「売上税」というべきものなんだけど、1987年に中曽根内閣時に「売上税導入」を目指して大反対にあってとん挫した経験があったから、竹下内閣で大型間接税を導入した時に「消費税」と名前を変えたということなんだろう。
税がかからないものの典型が「金券」である。これは「図書カード」などをもとに考えてみるとすぐ判る。「1000円の図書カードを購入する」として、これに消費税がかかると購入者が「1080円」払うことになる。(4月以後の話だけど。)一方、その図書カードで本を買おうと思うと、例えば本体価格1000円の本を買う時に、図書カードは本体分にしか充当できないから、別途80円の消費税分を負担しないといけない。そうなると、「1000円の本を買う時に、消費税が160円かかる」ということになってしまう。図書カードなどの金券類はプレゼントなどに使う時が多いから、うっかり気づかないかもしれないが、別に自分で使ってもいいわけで、図書カード購入に消費税を掛けると明らかに不当な事態が起こってしまう。
つまり、図書カードというものは、本来それそのものを消費するために存在するのではなく、「本や雑誌などとの交換サービス用の私設の交換券」であって、「交換価値」しかない。だから「消費の対象」ではない。という理由で「金券には消費税がかからない」わけである。種々のギフト券、プリペイドカード、電子マネー、収入印紙なども全部同じ理由で消費税がかからない。
こう考えていくと「切手には消費税がかからない」ということも納得できてくるのではないか。結論から書いてしまうと、「切手は郵便サービスとの交換のための金券」だから「切手は消費税がかからない」けど、「郵便サービスは消費だから消費税がかかる」わけである。僕らは「切手を買うこと」そのもので、なんだかモノを消費した気分になってしまうが、(というか切手を収集していて、使うためではなく集めるために買う人も多いわけだけど)、実際は切手は「貼ってポストに出す」ために存在する。宅配便を頼んだり、最近は「メール便」というものも出来てきたので、「相手にモノを届けるサービスを買う時は、カウンターでお金を払って手続きをする」というイメージがある。でも、はがきや手紙を届けてもらう時は、切手を貼ってポストに入れるだけでいい。手続きというか契約というか、そういう面倒なことがないので、うっかり郵便サービスを消費するという意識がないかもしれない。でも、ポストに入れた時点で、郵便サービスを依頼するという経済行為を行っているわけである。
だから、「切手に消費税がかからない」というのは、「52円切手を10枚買う時に、561円になったりはしない」ということである。このように消費税がかからないものは、金券や土地以外にもあって、学校の授業料や入学金、義務教育の教科書、健康保険による医療、介護保険によるサービス、住民票などの公文書発行手数料などもそうだとある。一方、消費ではあるものの、政策的に税を免除しているのが、居住用家賃、身体障害者のための車いすや義肢、盲人用安全つえなどだという。また海外から本や音楽を配信するときも消費税がかからないのは、まあ知ってる人が多いだろう。なかなか面倒だけど、そういう風に制度はできてるわけである。
一方、3月20付け東京新聞には、まとめ買いするべきかどうかのリストが載ってて、一応紹介しておく。例えば、調味料や食用油などはそんなにどんどん消費するものでもないので、買いだめし過ぎると消費期限が来てしまうかもしれない。特売や値下げは4月以降もありうるので、近々無くなりそうな分だけで良いのではという。酒やたばこなんかも、買いすぎると飲み過ぎ、吸い過ぎになりやすいから常識的な範囲がいいのではという。パソコン、テレビなども値下がりしやすいので、緊急でなければ慌てなくていいのでは。
一方、値下がりしにくいのは、市販の胃腸薬やかぜ薬、LED電球、羽毛布団があがっている。冬が終わるというのに羽毛布団を新規に買う人がいるかどうかは別にして、一応参考までに。
さて、自分でもあまり意識していなかったけれど、「消費税」という以上「消費ではないもの」には税がかからない。「消費ではないもの」というのは、つまり「消費することにより価値が消失、減失してしまうことがないもの」ということで、例えば「土地」である。でも土地の上には家が建っていて、家は古びていくから消費税がかかる。土地と家はまとめて買うことが多いし、「不動産売買サービス」という「サービス」も消費するので、結局かなりの税がかかるから意識しにくい。
僕らは普段「モノ」を買っているから、食べたり使ったりしているうちに「商品の価値がなくなる」ことが「消費」だと思いやすい。今「買いだめ」しているというのも、缶詰やトイレットペーパーはいずれは使うから、「当面は消費しないけど、将来消費する」という意識で行っているわけである。でも、その将来本当に「消費」する時ではなく、店から買った時に「消費税」はかかるのである。だから、この税は本当は「売上税」というべきものなんだけど、1987年に中曽根内閣時に「売上税導入」を目指して大反対にあってとん挫した経験があったから、竹下内閣で大型間接税を導入した時に「消費税」と名前を変えたということなんだろう。
税がかからないものの典型が「金券」である。これは「図書カード」などをもとに考えてみるとすぐ判る。「1000円の図書カードを購入する」として、これに消費税がかかると購入者が「1080円」払うことになる。(4月以後の話だけど。)一方、その図書カードで本を買おうと思うと、例えば本体価格1000円の本を買う時に、図書カードは本体分にしか充当できないから、別途80円の消費税分を負担しないといけない。そうなると、「1000円の本を買う時に、消費税が160円かかる」ということになってしまう。図書カードなどの金券類はプレゼントなどに使う時が多いから、うっかり気づかないかもしれないが、別に自分で使ってもいいわけで、図書カード購入に消費税を掛けると明らかに不当な事態が起こってしまう。
つまり、図書カードというものは、本来それそのものを消費するために存在するのではなく、「本や雑誌などとの交換サービス用の私設の交換券」であって、「交換価値」しかない。だから「消費の対象」ではない。という理由で「金券には消費税がかからない」わけである。種々のギフト券、プリペイドカード、電子マネー、収入印紙なども全部同じ理由で消費税がかからない。
こう考えていくと「切手には消費税がかからない」ということも納得できてくるのではないか。結論から書いてしまうと、「切手は郵便サービスとの交換のための金券」だから「切手は消費税がかからない」けど、「郵便サービスは消費だから消費税がかかる」わけである。僕らは「切手を買うこと」そのもので、なんだかモノを消費した気分になってしまうが、(というか切手を収集していて、使うためではなく集めるために買う人も多いわけだけど)、実際は切手は「貼ってポストに出す」ために存在する。宅配便を頼んだり、最近は「メール便」というものも出来てきたので、「相手にモノを届けるサービスを買う時は、カウンターでお金を払って手続きをする」というイメージがある。でも、はがきや手紙を届けてもらう時は、切手を貼ってポストに入れるだけでいい。手続きというか契約というか、そういう面倒なことがないので、うっかり郵便サービスを消費するという意識がないかもしれない。でも、ポストに入れた時点で、郵便サービスを依頼するという経済行為を行っているわけである。
だから、「切手に消費税がかからない」というのは、「52円切手を10枚買う時に、561円になったりはしない」ということである。このように消費税がかからないものは、金券や土地以外にもあって、学校の授業料や入学金、義務教育の教科書、健康保険による医療、介護保険によるサービス、住民票などの公文書発行手数料などもそうだとある。一方、消費ではあるものの、政策的に税を免除しているのが、居住用家賃、身体障害者のための車いすや義肢、盲人用安全つえなどだという。また海外から本や音楽を配信するときも消費税がかからないのは、まあ知ってる人が多いだろう。なかなか面倒だけど、そういう風に制度はできてるわけである。
一方、3月20付け東京新聞には、まとめ買いするべきかどうかのリストが載ってて、一応紹介しておく。例えば、調味料や食用油などはそんなにどんどん消費するものでもないので、買いだめし過ぎると消費期限が来てしまうかもしれない。特売や値下げは4月以降もありうるので、近々無くなりそうな分だけで良いのではという。酒やたばこなんかも、買いすぎると飲み過ぎ、吸い過ぎになりやすいから常識的な範囲がいいのではという。パソコン、テレビなども値下がりしやすいので、緊急でなければ慌てなくていいのでは。
一方、値下がりしにくいのは、市販の胃腸薬やかぜ薬、LED電球、羽毛布団があがっている。冬が終わるというのに羽毛布団を新規に買う人がいるかどうかは別にして、一応参考までに。