尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

長野・中の湯温泉の「湯力」

2016年07月28日 23時07分30秒 |  〃 (温泉)
 26日から一泊で、長野県の上高地の近くにある「中の湯温泉旅館」に行ってきた。いやあ、良かったなあ。なにより「本物の温泉」の力。信州の温泉の中でも、「湯力」が高いのではないか。しばらく、なんとなく調子が出なかったのだが、温泉につかって、涼しい宿でぐっすり寝たら、すっかり快調になった。まさか、まだ梅雨明けもしてないとは、まったく想定していなかったけど、やっぱり温泉はいいな。

 なんで今の時期に行ったかというと、7月いっぱいまで有効の割引クーポンを持っていたから。ずっと忘れていて、7月になって突如「再発見」したのである。やっぱり時々整理はしないといけない。「中の湯」は昔から、山好きには知られた温泉で、特に焼岳の登山口として有名である。いつか行きたいと思いながら、安房トンネル工事で閉めてしまい、その後山の上の方に移転した。それからも20年近くたっていると思うが、ようやく行く機会ができたわけである。焼岳は登らないけど。

 車で行こうと思って、近くのレンタカー店で軽を借りた。たまに車を運転したいし、家から荷物を載せていけるから山へ行くときは便利。でも、この日は関東から長野にかけて大雨で、高速もスピードが出ていない。東北道、圏央道、関越道、上信越道、長野道と移り変わりながら、のんびりと休み休み行ってたら時間がかかってしまった。軽井沢あたりは、大雨でまったく何も見えず。サービスエリアでもトイレに駆けていく以外に体を動かせない。どうなるんだと思ったら、松本近くになって止んできた。

 「中の湯」はまず上高地へ向けてまっすぐ行く。2年前に行ってるから、大体覚えている。松本インターからまっすぐ一本道だから迷うことがない。途中で「道の駅 風穴の里」があるが、そこの話は帰りにまた。上高地はマイカー規制で入れないが、ギリギリの場所まで行って安房トンネルの方へ曲がり、トンネル直前で右に曲がって山を登る。この道しかないんだから、行けば着くだろうと思いつつ、ホントにこの道でいいんかなあと思うほど登ったら、突然大きな旅館が見えてきた。
 
 入るとロビーに案内されるが、山の中とは思えないほど広々としている。ロビーからは山は全然見えなかったが、翌日になると少し見えてきた。それでも雲がかかっている。温泉は夜10時に男女が変わる。家族風呂もあって空いてれば自由に入れる。ちょうど空いていたので、まず飛び込む。適度の湯音で、透明の湯があふれている。お湯に「重み」と多少の「匂い」がある。単純泉というが、成分はかなりある感じ。お湯自体に温浴効果があるわけだが、やはり山の秘湯というのは、成分の力で体に効くというのは、長いこと温泉を廻っていての実感だ。(温泉の写真は撮らず。)ちなみに、うちの奥さんが言うには、女風呂にスマホを持ち込んだ高校生ぐらいの姉妹がいたらしい。お風呂で「ポケモンGO」をしてたわけではないようだが。さすがにそれはアウトだろうとお冠。
   
 料理もおいしかった。鴨鍋に、サーモンのお造り、手打ちそばなどなど。またお風呂につかり、涼しくなってぐっすり眠る。翌日は何とか天気も持ちそうだったが、のんびりしたいから上高地へ行くのは止めた。行く人は旅館が観光バス乗り場まで送ってくれる。帰りは上高地入り口の「中の湯売店」で電話してくれれば迎えが来るとのこと。この売店のところに、有名な洞窟風呂「卜伝の湯」がある。塚原卜伝(ぼくでん)にちなむ湯だが、今回は時間がなくて入れなかった。また行って連泊したい温泉だ。

 ということで、翌日は安房トンネルを超えて、「平湯大滝公園」に行ってみる。岐阜県まで個人で足を延ばすのは2回目。滝と鍾乳洞が大好きで、ずいぶん行ったものだが、ここは初めて。駐車場は有料だし、そこから結構歩くが、まあ一度は見る価値はある滝だと思う。落差64mで、相当の迫力がある。シャトルバス100円が待ってて、つい乗ってしまう。降りた場所近くで撮ったのが以下の写真。
  
 そこから200mほど歩くともっと近づける。だけど、滝壺にはいけない。しぶきがものすごく危険だろうが。帰りは歩いて戻った。バスは待ってないし、下りだから案外早いではないか。戻るとトイレを利用するためにお土産売り場に入る。特に買う気もなかったのだが、マツコ・デラックス大絶賛という「飛騨清見ソース」(470円)というのに気が引かれて、妻が買ってみる。なかなか美味しいです。どこにも名物があって、つい買っちゃうのも、夫婦で温泉を訪ねるときの旅情ですよね。
  
 そのあとは戻ることにして、再び休み休み。最初が「道の駅 風穴の里」。前にも行ってるけど、名前の由来「風穴」(ふうけつ)を見てない。風穴というのは、山から冷気が噴き出すスポットのような場所で、地形の関係で岩と岩の間のような場所から、夏でも10度以下の風が出ている。昔から「天然の冷蔵庫」として利用され、今も酒造会社などで利用している。歴史的には、養蚕業で蚕の卵を保存する場所として利用された場所が多い。ここもそうだった。道の駅から歩いて15分近くもある。案外遠いんだけど、いやあ、ビックリの寒さで驚くほど。見てみる価値がある。
   
 近くに無料の「松本安曇資料館」という郷土資料館があった。こういうところもよく行く。昔の農機具などが並んでいるだけみたいなところが多いけど、それも大事な地域の遺産だし、誰もいないだろうから行ってみようかと思う。そうやって、ずいぶん各地の資料館を見ている。ここはここで生まれた版画家加藤大道の版画作品や、昔の山岳写真など見どころも多かった。道の駅に戻って、のんびり休む。フルーツがいっぱいあって、冷やして売っている。ブルーベリーとネクタリン、そしてわさびコロッケを買って、外にあるデッキで食べた。やっぱり急ぐだけでなく、こういうのも旅行の楽しみだな。地のフルーツとB級グルメ。まあ、その後も眠くなれば休んで、トイレ休憩もいっぱい取り、ついお土産も買ったりしながら、帰ってきた次第。(僕の場合、甘いものもお酒も好きではあるけれど、何も高速のサービスエリアで買わなくてもいい。それなのに、お煎餅でおいしそうなのがあると、つい買っちゃうのは、どうしてなんだろう。)
コメント
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