平成の猫の仕事はというとネズミを捕ることではなく飼い主の欲求不満解消のためにこねくり回されることだ。だけどメメをヨメが抱くと猫キックをして手をガブガブ噛む。その理由は良く分らないけどメメをよく脅かすのと関係があるんだろうか。それとも単に格下に見てるんだろうか。それとも同格?
腹が減った時にヨメにねだることはあまり無い。わざわざ離れた所にいるこのオレサマの所までやってくる。面白い事にお椀の中にまだ餌が入ってる事がある。食べていいんだよと言うと食べ始める。これも謎の行動の1つだけどそれもこれもヨメが直接餌をやる事が少ないからなんだろうか。
20代後半の頃、前触れも無く固い物が食べたくなった。ところがスーパーに行くとどれも柔らかい物ばかり。その頃よくテレビのCMでセロリを齧るシーンが出てた。セロリなんてのは食べた事が無かったがガリッという感じが良さそうに見え初めて食べた。
学校を卒業してからはずっと川崎市に住んでいた。川崎市といっても田舎の登戸というところ。でもパラパラ地図神奈川県を見るともう70年も前からそこは川崎市だったようだ。だけど子供の頃の微かな記憶はというと畑と梨園しかない所。ビルだらけの川崎駅周辺とは全然違う。
ある日帰省した時友達の所に寄ると 「 たまには土産に梨でも持って来い 」 と言われた。確かにそうだなと思ったがその時は15年住んでた登戸を引き上げる頃だった。梨園はアパートから20mくらいのところにあった。灯台下暗し。色々な品種のを買った。そしたら梨園の主人が幾つかオマケしてくれた。その中にあったのが昔からある長十郎。久々に食べるとあのガリガリ感が一番梨らしくて美味しいと思った。
それから幾年月。急に固いパンを食べたくなった。それまでそれほど好んで食べなかったのにどういうわけか食べたくなった。固いパンといえばフランスパン。ところがフランスパンって意外に見かけない。スーパーのパンコーナーには無かった。パン屋で見つけたけど細長いのが1種類だけだった。
パン屋って田舎にもけっこうある。天然酵母で作りましたなんて言ってそうな妖しいパン屋が人里離れた所にポツンとあったりする。そこには色々なパンがあるけどフランスパンってあまり無いような気がする。それとも存在に気が付かなかっただけなのかな。