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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

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2005-11-08 15:41:03 | 好きな本

 昨日、今日と気持ちの良い秋晴れが続いています。仕事場の窓から見える
公園の木々も、いつのまにか、色が変わっていて秋らしさを伝えてくれています。

 大好きなバーバラ・クーニーの絵本『にぐるまひいて』の記事を書いたことから
繋がった、ブログで知り合った方たち。その中のまた
別の記事を読んでいたら、
村上春樹氏の作品が、高校の教科書に載っていることがわかりました。

 なんの作品が載っているのか知りたい!!(そうなんです、私は20年来の村上ファン
なのです。)さっそく調べてお返事くれた、
ほぼ是好日のくっちゃ寝さん、
ありがとうございました。

 その作品は『鏡』とのこと。
 題名を聞いただけでは、内容は思いさせず、いろいろ検索した結果、
それは
『カンガルー日和』という短編集に入っていることがわかり、ほっとしました。

 その本なら持ってるもんね。

と、喜んだあとに、でもまったく内容を覚えていない自分を思い出して、ちょっと
こわいような、困ったような気持ちにもなりましたが、まあ、その気持ちはちょっと
棚の上にのせておいて‥早速本を取り出しました。

 目次を見ると、7番目に『鏡』は載っています。他には、「4月のある晴れた朝に
100パーセントの女の子に出会うことについて」とか「あしか祭り」とか、最近

『ふしぎな図書館』
というタイトルでリライトされた「図書館奇譚」とか、表題作の
「カンガルー日和」とか‥。

 どれもこれも、題名だけでは思い出せないなあと、ぱらぱらページを繰っていたら、
なんと映画の半券がしおり代わりに使ってあるのを発見!渋谷のシネセゾンのだということは
わかりましたが、ああ残念。【何の】映画を【いつ】みたのかは、記されていませんでした。

 1983年9月17日~21日。(私がその本を読んでいた日付・)

 後ろの見開きには、そう書いてあったので、かれこれ20年以上(正確には22年)も
そのしおり代わりの半券は、ページとページの間に静かにおさまっていたことになります。

 もしも、教科書に載っていた作品のことを知らなければ、シネセゾンの半券が
しおりとなって残っていたことを、まだまだずっと知らないで過ごしていたかもしれません。
見つかったからといって、別にいいことがあったわけでも、得したわけでもないのだけれど、
なんだかふっと嬉しいのです。

 佐々木マキさんの絵だったなあ、最初のほうの村上本の表紙、と思ってカチカチPCを
いじっていたら、こどものとも50周年記念ブログ『やっぱりおおかみ』を見つけました。
1973年10月号のこどものともだったのですね。全然知りませんでした。
作家インタビューの中で佐々木マキさんがおっしゃって(書いて)いることに、
うんうんと頷きました。ぜひ、行って読んでみてください。

 
 シネセゾンの半券は‥またカンガルー日和に戻しました。
今またはじめから、初めて読む本のように読んでいるので、しおりとして使おうと
思っています。この本の読書タイムはピアノな時間です。
 

 

コメント (6)
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