ヒロインの夏帆が嫁に行った(という旧弊な言い方がぴったり)家の金かかっていそうな割に厚みのない調度の揃え方がいかにも今の日本という感じ。
お年始に出かけたりパーティーに出たりして接触する連中もまあ俗物性丸出しで、昔の日本映画は金持ちの描写がヘタというのが通例だったけれど、安い金持ちの描写は堂に入るようになった。
夏帆は実質母子家庭の出身でかなり生活水準が違う中どうやって嫌な言葉だが「玉の輿」に乗ったのかとも思える。
間宮祥太朗 の夫はいかにもマザコン丸出しで女は家庭を守って当たり前と、もう当たり前とすら思っていない感じがよく出ている。
それが悪役というより、雪の中でも子供のためなら戻ってこいといい放つ度しがたい無神経として、この国ではむしろあるあるなのがヒロインの行動に説得力を持たせた。
冒頭の雪と電話と車を生かしたただならぬ雰囲気の描写から、雪の中の旅に緊張感と詩情が不倫というお話の単純な印象を越えて持続する。
お年始に出かけたりパーティーに出たりして接触する連中もまあ俗物性丸出しで、昔の日本映画は金持ちの描写がヘタというのが通例だったけれど、安い金持ちの描写は堂に入るようになった。
夏帆は実質母子家庭の出身でかなり生活水準が違う中どうやって嫌な言葉だが「玉の輿」に乗ったのかとも思える。
間宮祥太朗 の夫はいかにもマザコン丸出しで女は家庭を守って当たり前と、もう当たり前とすら思っていない感じがよく出ている。
それが悪役というより、雪の中でも子供のためなら戻ってこいといい放つ度しがたい無神経として、この国ではむしろあるあるなのがヒロインの行動に説得力を持たせた。
冒頭の雪と電話と車を生かしたただならぬ雰囲気の描写から、雪の中の旅に緊張感と詩情が不倫というお話の単純な印象を越えて持続する。
妻夫木聡が適度に貫禄がついて色気が出てきた。
ラストは言ってみれば「人形の家」だが、あの1879年に書かれた古典ドラマが骨格としては成立するくらい、母親だけに子供を押しつけるイエ体質というのはしぶとく生き延びているのだろう。