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横浜神奈交バス・ハーバーライト大阪号~数少ない神奈中グループの夜間高速バス

2008-10-02 | 小田急グループ

 

先月下旬、MAKIKYUは北近畿方面へ出向く機会があり、往路は夜間高速バスを利用したのですが、首都圏~関西方面を結ぶ夜間高速バス路線は数多く存在しています。

首都圏発着の関西方面夜間高速バスは、神奈川県内を発着する路線だけでも結構な数があり、路線バスとして運行されている路線以外にも選択肢が存在している状況ですが、その中でも先月MAKIKYUが利用した路線は「ハーバーライト大阪号」と呼ばれる路線で、今日はこの路線に関して取り上げたいと思います。

「ハーバーライト大阪号」は、神奈川県内や町田市内などで多数の路線を持つ神奈中グループと、西日本ジェイアールバスが共同運行を行っている路線で、神奈中グループでは最近になって運行会社が変更となり、現在は横浜神奈交バス(舞岡営業所)が運行を担当しています。

首都圏方では本郷車庫(神奈中横浜営業所)を起点に、港南台駅・上大岡駅・横浜駅(東口バスターミナル)と横浜市内で幾つか停車し、その後町田バスセンター(小田急町田駅のすぐそば)と本厚木駅(駅前の神奈中サービスセンター前)にも停車するなど、神奈川県内を中心に細かく停車し、この間だけでも結構な時間を要しますので、MAKIKYUは本厚木駅から乗車したのですが、その一方関西方では大阪駅(桜橋口)とUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のみの停車となっています。

神奈中グループの夜間高速バスは、最近になって奈良へ向かう路線が千葉方面~奈良間の路線と統合・再編され、神奈中は運行から撤退(神奈川地区での奈良行乗車券発売は継続)している事もあり、現在では姉妹路線的存在で京都へ向かう「ハーバーライト京都号」(首都圏方の停車箇所・共同運行会社はハーバーライト大阪号と同一で、首都圏方の運行時刻も近接しています)との2路線のみ(他に乗車券販売のみ行っている他社夜間高速路線が幾つか存在)となっていますので、一般路線バスの規模は極めて大きい割には少なく、その気にならなければ乗車機会もなかなか…という所です。

車両は神奈中グループでは路線バスでも主流を占める三菱ふそう製で、それも姉妹路線の京都行きも含め、専ら2階建てのAEROKINGが使用(予備車などで他車両を使用する事もあります)され、共同運行会社の西日本ジェイアールバスでも同等の車両を用いていますが、運行事業者は隔日交代となっていますので、基本的には大阪・京都行きのどちらか一方で神奈交車両が見られる状況となっています。

この車両は座席の大半を占める2階席は夜間高速バスで一般的な横3列独立配列となっているものの、8席ある1階席は横4列(2+2配列)となっているのが難点で、MAKIKYUが購入した乗車券は1階席だったのですが、本厚木駅(首都圏発では最後の乗車停留所)出発時点で2階席に空席があり、こちらを利用できたのは有難い限りでした。

ちなみにMAKIKYUが「ハーバーライト大阪号」を利用した日には、大阪行が神奈交担当となっていましたので、横浜神奈交バス車両に当たったのですが、この車両は神奈中グループの一部路線車でも見られるブルーをベースとした装いで、事業者名も担当営業所の変更に伴って「横浜神奈交バス」に改められていますが、これに伴って登録番号も変更(湘南ナンバー→横浜ナンバー)となっていますので、決して新しい車両とは言えないものの、横浜市内などで横浜ナンバーの路線バスなどと並ぶと、意外と新しいバスの様に錯覚してしまうかもしれません。

車内には車内設備などを案内するモニターが取り付けられており、この字幕では
きちんと「横浜神奈交」と案内され、音声合成によるアナウンスなども同様でしたが、乗車当日に神奈中サービスセンターで購入した乗車券は前運行事業者の「湘南神奈交バス」表記のままとなっており、その乗車券も印刷発券ではなく、カーボン複写の手書きとなっていたのは少々意外でした。
(ちなみに「ハーバーライト大阪号」はJRグループが運行に加担している事もあって、JR主要駅にある「みどりの窓口」で乗車券を購入する事も可能で、他にコンビニ発券などの購入方法もありますが、これらで購入した場合は別様式のはずです)

「ハーバーライト大阪号」に乗車した感想としては、2階建てバスも昼間なら展望が楽しめて悪くないものの、深夜帯走行の上にカーテンも締め切りとなる夜間高速バスでは、座席定員が確保できる(乗車券が確保しやすい)事を除くと、2階建て車のメリットはさほど感じなかったものの、首都圏を夜遅く(本厚木23時55分発)に出発して大阪に朝早く(6時台)に到着でき、現在この様なスケジュールを組める公共交通機関は夜間高速バスのみ(格安移動手段として知られるJRの「ムーンライトながら号」などを用いた乗り継ぎでは大阪到着が通勤ラッシュを過ぎた頃になります)ですので、この点は大きな魅力と言えます。

また座席で一晩過ごすのはホテルや寝台車などに比べると、居住性の面ではどうしても劣るのは致し方ない事で、バス特有の揺れや車内の狭さ(特にトイレ)などはあるものの、座席で夜を過ごす事になるムーンライトながら号などの夜行列車と比べれば、遜色ないかそれ以上のレベルと言え、座席での寝付きが悪いMAKIKYUでも思ったよりは寝れたもの(富士辺りで寝入った後に目を覚ますと、もう京都市内を過ぎて大阪府境という状況)でした。

運賃面もMAKIKYUは当日7900円の片道乗車券を購入し、これは首都圏~関西方面をJR普通列車乗り継ぎで行くのとさほど変わらない金額ですが、月~木曜日の出発で予め予定が決まっているのであれば、早期購入割引(早売21・3週間前までに購入)を利用すると概ね5000円程度の運賃で乗車できますので、この運賃設定で横3列席のバスに乗車して首都圏~関西間を移動できるのであれば、かなり利用価値が高いと感じたものです。

写真は大阪駅を出発する「ハーバーライト大阪号」と、その乗車券(乗車券自体は乗車時に回収・写真は一部加筆修正)です。