ここ最近「MAKIKYUのページ」では、北近畿タンゴ鉄道に関する記事が続いていますが、MAKIKYUが豊岡から「タンゴディズカバリー」号に乗車し、野田川で下車した際は、その後加悦フェローラインと呼ばれるバスに乗車する機会がありました。
野田川駅は以前丹後山田駅と呼ばれ、宮津線の北近畿タンゴ鉄道転換時に駅名が改称されていますが、ここからはかつて加悦(かや)方面へ向かう小さなローカル私鉄・加悦鉄道(1985年廃線)が分岐していた事でも知られていますが、この鉄道の代替で運行しているバスが加悦フェローラインです。
現在野田川から加悦方面へ公共交通機関は路線バスのみとなっており、そのバスもフェローラインと丹後海陸交通(丹海バス)の双方を合わせても1日10本程度、それも両者の運行時刻が近接している時間帯もあり、丹海バスは休日運休便も多数あるなど、決して便も良いとは言えない状況です。
加悦フェローラインの路線は、宮津~野田川駅~加悦~SL広場~加悦の里間の1路線のみ、それも野田川駅~宮津間は鉄道(KTR)並行路線と言う事もあって僅か2往復のみの運行、また加悦の里へ乗り入れる便も限られていますので、実質的には野田川駅~SL広場間の運行がメインで、一部はSL広場まで行かずに加悦(旧加悦町役場)発着となっています。
ダイヤを見る限りでは、1日1台のバスだけで足りてしまう程で、その使用車両自体も三菱ふそう製のマイクロバス・ROSAという状況(フェローライン自体は路線バス以外にスクール輸送なども行っており、こちらには大型路線車も使われています)で、運賃箱も自動両替機などは備えていないシンプルなモノを用いているなど、路線バスとしては必要最小限のモノだけを取り揃えたと言う感があります。
この状況を考えると、以前鉄道が走っていた事自体が信じ難い程ですが、加悦ではフェローライン以外に丹海バスの便もあり、路線の大半が並行している事などを考えると、これで充分なのかもしれません。
ちなみに加悦フェローラインは日本冶金系の「カヤ興産」と呼ばれる事業者が運営しており、その前身は旧加悦鉄道ですので、その代替交通機関的存在とも言えますが、カヤ興産はフェローラインの終点(一部便のみ更に加悦の里まで運行)・SL広場で「加悦SL広場」を運営している事でも知られており、フェローラインはそのアクセス交通機関の一つにもなっています。
(加悦SL広場へのアクセスは福知山~与謝~野田川駅~傘松ケーブル間の丹海バスもSL広場には直接立ち寄らないものの、徒歩5分程度の所に「鉱山口」バス停がありますので、福知山方面からのアクセスやフェローラインの運行がない時間帯などは、こちらの利用も可能です)
ここでは加悦鉄道廃線から20年以上の月日が経過した今もなお、廃線当時の車両をはじめ、日本で残存している鉄道車両の中では2番目に古く、国の重要文化財に指定されている蒸気機関車(123号)など、かつて加悦鉄道で活躍した車両を中心に数々の車両が美しい姿で保存されている事は喜ばしい限りです。
MAKIKYUも加悦SL広場訪問が先月の旅行の目的の一つだった程ですが、機会があれば「MAKIKYUのページ」でも取り上げたいと思っています。
(追記)残念ながら2009年に加悦フェローラインの路線バスは廃止となっています。
なお大部分の区間で並行する丹海バスは引き続き運行していますので、野田川駅から加悦SL広場などを訪れる場合は、こちらを利用してアクセスする事は可能です。