今月MAKIKYUが新潟県の佐渡島へ足を運ぶ機会があり、その際には本土~佐渡島間の往復で新潟~両津間の佐渡汽船を利用したものでした。
この航路は、佐渡島へのアクセスとしては最もメジャーなルートで、同区間の旅客航路を運航している佐渡汽船では、高速船(ジェットフォイル)と大型カーフェリーという2種類の船舶を運航しています。
MAKIKYUが両津航路を利用した際には、往路はジェットフォイル・ぎんがに乗船し、先日「MAKIKYUのページ」でもこの船に関して取り上げていますが、復路は大型カーフェリーを利用し、両者を乗り比べてみたものでした。
両津航路で就航している大型カーフェリーは5000tを越え、旅客定員も最大1700名程度に達する船を現在2艘(おけさ丸・おおさど丸)就航させています。
(他に通常は直江津~小木間で就航しており、やや小さいこがね丸という船舶(それでも旅客定員は1000人を越え、乗用車を150台程度積載可能な搭載能力を持っていますので、離島航路で用いている船にしてはかなり大型の部類に入ります)も、小木航路が休航する冬季で、通常運航している2艘いずれかがドッグ入りした場合などに充当される事があります)
MAKIKYUが両津航路の大型カーフェリーに乗船した際には、乗船便でおおさど丸が充当され、建造は昭和63年(1988年)ですので、佐渡汽船で就航している大型カーフェリーの中では、現在最も古い船になります。
積載能力も旅客定員こそおけさ丸と同等とはいえ、車両積載能力は小さくなっており、最大速力もやや遅いなど、スペック的には若干見劣りが否めません。
老朽化も影響してか、2年程前には最繁忙期の航行中に故障を起こし、修理のために長期離脱、他の船舶をフル稼動させて急遽臨時ダイヤによる運航となるなどの大混乱を招いた事でも有名な船で、この事もあって近い将来に新造船への代替が表明されている程です。
佐渡島へ足を運ぶ機会は滅多にないMAKIKYUとしては、おおさど丸が就役している間に、再び佐渡島へ足を運ぶ機会自体があるのかどうか…という程ですので、貴重な乗船機会になったと感じています。
乗船したおおさど丸はやや古いとはいえ、運航時間2時間半程度の離島航路で運航している船舶にしては、かなり大型の部類に入る船という事もあって、船内は客室設備もお手頃な2等客室をはじめ、1等席などの上級客室も設けられています。
MAKIKYUが乗船した際には、両津港で乗船券を購入する際に、上級客室の乗船券購入希望者に対し「満席ですので2等席を…」と係員が案内する程の状況で、船内客室の撮影はしていませんが、MAKIKYUが乗船した2等席もそこそこの利用状況でした。
また乗船時間は2時間半程度とはいえ、飲料などの自動販売機や売店以外にスナック(軽食コーナー・タレカツ丼やながもそばなど、ご当地メニューも用意されています)やゲームコーナーなども設けられ、大型船だけあって空間的なゆとりも大きいなど、やや古いながらも設備が比較的充実している印象を受けたものでした。
ジェットフォイルに比べると、乗船時間こそ倍以上を要しますが、船室の快適さや船内設備の充実度は2等利用でも…と感じる程、運賃も高額な特急料金を要しないだけあって半分以下となっており、大型船だけあって欠航率が低いのも評価できる事です。
(両津航路ではジェットフォイルのみ欠航という事がしばしばで、両泊航路の高速船あいびすは、頻繁に欠航しています)
個人的には観光目的で時間に余裕があるならば、車搭載ではなく旅客(人)のみの乗船で両津航路を利用する場合でも、ジェットフォイルより大型カーフェリーの方が…と感じたものです。
とはいえジェットフォイルの速さは、本土~佐渡島間の移動利便性向上に大きな役割を果たしており、乗継交通機関の接続やビジネス利用などでは…という事もあります。
用途に応じた複数の選択肢が存在し、目的に応じて使い分ける事が出来るのは歓迎できる事で、メインルートの両津航路では両者がそこそこの本数就航しているのは、人口減少が続いているとはいえども、佐渡島が離島の中では別格と言える程の規模を誇っている事を改めて実感させられたものです。
こちらが乗船した時は、1等席は満席となっており、両津港で2等乗船券を購入する際に、窓口で1等席が買えない事に不満を抱き、窓口係員に絡んでいる人物も見かけた程でした。
+1000円で2時間半の乗船時間と言う事を考えると、時間に余裕があるならば、ジェットフォイルの特急料金よりずっと得な気がしますので、こちらも再び佐渡汽船を利用する機会があれば、是非利用したいと思います。
また禁酒席はこちらも気になったものですが、日頃酒類を飲まない事もあり、アルコールの臭いが充満するのは、煙草の煙と同様に気持ち良いものではなく、また船内で酒盛りを楽しもうという向きもあるかと思いますので、他社でも普及してくれれば…と感じたものです。
車両甲板も圧巻で、普通乗用車が載せられる部分が二層構造になっており、いつもバスやトラックなどの大型車両は一番前に載せますので、自家用車で乗るとかなり待たされます。エンジンも係員の指示があるまでかけられないので、逆らうと係員に怒鳴られます。夏場は車で下船するまではサウナのようにもなります。あと車両甲板はタメ口の係員が多かったです(笑)
この船は古いし直江津航路に使えないので、早い時期に新潟・直江津両航路に使える船にバトンタッチするべきだと思います。先に引退して鹿児島に移ったこさど丸にも少し似ているような気がします。佐渡汽船退役後は売却で地方が海外に行ってしまうのでしょうか?船の海外売却は青函連絡船もあったと思います。
おおさど丸の2等席は、カーペットとベンチ(空調なし)という状況でしたので、東海汽船の大型客船(さるびあ丸など)の様なリクライニングシートでもあれば…とも感じます。
しかし海況次第では相当揺れる日本海を航行し、船酔いになったら寝転ぶ事ができないと、かなり大変かと思いますし、リクライニング機能のない座席を装備した場合、2時間半の乗船時間だと少々厳しいかと思います。
またこちらは日頃自家用車を使う機会が殆どなく、ましてフェリーに車と共に乗船する機会は…という状況ですが、2層構造で自家用車はかなり待たされるというのも、離島航路にしては破格と言える両津航路に充当される特大船だけありますね。
おおさど丸は近い将来の代替が確定的で、今後変わりに入る船が直江津~小木航路でも使えるやや小柄な船(それでもかなり大きいですが…)になるのかも気になる所で、佐渡自体も機会があればまた足を運びたいと思っています。