今月MAKIKYUは東京都八丈町を初訪問し、晴れて東京都の全区市町訪問を達成、竹芝桟橋(港区)からこの八丈町(八丈島)へ向かう東海汽船の大型客船「橘丸」に関しても先日取り上げましたが、この八丈島の島内では路線バスも運行されています。
本土からは遠く離れた離島と言う土地柄もあり、民営バスの運行こそないのですが、八丈町が町営バスを運行しており、旧八丈町役場の一角に営業所(車庫)を構えています。
路線は島内の中でも人口が集中する三根(Mitsune)・大賀郷(Ookago)地区内を循環する路線と、これらの地区から島南部へ向かう路線の2路線があります。
通常は前者が1台・後者が2台のバスを運用、運賃は区間制ながらも申告制前払い(信用方式)となっており、八丈島訪問時は通常運用される3台の路線専用車全てに乗車機会がありました。
東京都内とは言えども都心からは300km程度離れた離島だけあり、PASMOなどの交通系ICカード類などは通用せず、自動両替装置付運賃箱も比較的シンプルなものです。
(余談ながら八丈町には全国チェーンのコンビニなどもなく、全国交通系ICカードとは無縁の地域と感じる方も居ると思いますが、MAKIKYUは八丈町役場などからも近いスーパー(スーパーあさぬま)で手持ちのKiPs ICOCAを利用したものでした)←さすがに八丈町ではKiPs ICOCAの存在は殆ど知られていないのか、ICOCA(交通系ICカード)である事を説明する事になりましたが…
ただ島外からの観光客向けには1000円で2日間乗り放題+島内の温泉施設入浴も可能な乗車券(BU・S・PA)を車内発売していますので、この乗車券を利用するとお得で便利です。
また伊豆諸島では三宅村営バスなど、車内放送自体が存在しない事業者も存在する中、比較的小規模な離島の路線バスながらも、音声合成装置を用いた車内放送(音声は関東鉄道や茨城交通など、各地のバスでよく聞くタイプ)も装備されているのですが、利用客の大半が地元客で利用区間も決まっている事もあってか、乗客数が少ないと車内放送を使用しない事もあります。
三根・大賀郷地区を循環運行する路線は、旧町役場を基点に八丈島空港を経由し、三根地区をラケット状に循環運行して来た道を戻るルートとなっており、八重根港周辺を経由する大回りルートと、八丈島高校経由の2ルートが存在します。
この循環線では専ら東京都交通局(都営バス)から移籍したいすずキュービックが用いられており、前面のマークが銀杏マークから八丈町の町賞に取り替えられ、事業者標記が改められた他はほぼ都営バスそのままの状態となっています。
このバスの車内は前事業者の局紋がデザインされた座席モケットなどもそのまま(八丈町も東京都の1自治体ですので、東京都の都章がデザインされた座席モケットでも不思議ではないのですが…)で、23区内で路線バスをよく利用する方などは、親近感を感じる方も多いかと思います。
バスファンの集まりでこの車両を貸切利用した事もある様で、11月時点では1台のみが活躍(都営バスからは同型車がもう1台移籍していますが、こちらは既に退役済)しており、八丈町営バスの注目車両とも言える存在です。
しかしながら離島と言う条件下で運用で痛みも激しい上に、町営バス関係者から伺った話では、大型V8エンジン車故の燃費も芳しくなく、空調の利き具合も良くない事も災いしてか、まもなく新車導入のマイクロバスに代替されるとの事でした。
(循環路線は乗客数もさほど多くなく、MAKIKYUが乗車した際はガラガラ、中型以下の車両でも輸送力的には大きな差支えはない様です)
そのため大時化の海況で帰りの船が大揺れとなる難点はあったものの、丁度良い時期に八丈島を訪問したと感じたものでした。
もう一つの路線、三根地区(神湊)~(旧)町役場~末吉(~洞輪沢)は、現在の八丈町営バスでは主力路線とも言える存在で、主にこちらは島の観光名所などのラッピングが施された中型ノンステップ車2台が充当されます。
この路線も神湊周辺は往復でルートが異なるラケット状の循環運行となっており、(旧)町役場から神湊へ向かう途中にある東畑(Tohata)というバス停が、東海汽船の大型客船が発着する底土(Sokodo)港の最寄停留場になります。
(底土港~東畑間は港から内陸へ向かう道をまっすぐ歩いて10分程度、港から一つ目の信号(この交差点角には商店もあります)を右に曲がってすぐの所で、夏季シーズンのみ町営バスが底土にも乗り入れます)
MAKIKYUは最初に町営バスに乗車する際には、この東畑バス停から神湊(Kaminato)~(旧)町役場~末吉へ向かうバスに乗車したのですが、その時に乗車した車両は西工ボディの日産ディーゼル車で、その後もBU・S・PAでこの路線を利用した際には何度か当たったものでした。
もう1台の車両も中型ノンステップバスながら、こちらは三菱ふそう車で、少ない車両が何往復もするダイヤだけあって、こちらにも何度か当たったものでしたが、この車両は車内前方にLED式次停留所名表示装置が取り付けられているのも大きな特徴です。
(LED式次停留所名表示は故障中で使用できないとの事です)
八丈町営バスは通常3台で一般路線を運行し、一般路線専用車は3台しか存在しない状況ですので、3台の内いずれかの車両が点検や故障等で運用できない時には、貸切兼用車を路線充当しているのですが、この貸切兼用車をはじめとする貸切車両に関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
先月の八丈島訪問は、元都営バス車両の撮影や乗車だけを目的に出向いたのではないのですが、元都営バス車両が循環路線で稼動し、撮影や乗車ができた事は大収穫だったと感じています。
地方事業者でも、民間同士で同一グループの場合(近年グループ離脱した事業者も含む)などは、塗装もそのままで活躍する事例も多い(国際興業→岩手県交通など・近鉄バス→防長交通などが代表事例)ですが、公営バスの装いがそのままというのは注目かと思います。
ただ都営バスの旧塗装を前後逆転させた程度で、雰囲気がよく似た塗装を富山地方鉄道グループが採用していますので、その気になれば似た様なバスを撮影あする事は比較的容易なのですが…
各地域の島嶼地域のバス事業者も着U+200BU+200B実に記録を残し姿を見て趣味に対する情熱がすごいという考えをしてみます。記事を読んで都営バスの前の塗装がまだ存在することが興味深い。見たところ退役も遠くないようだ私としても、その車の姿を残したい欲がしますね.