先日「MAKIKYUのページ」では、新炭里駅に代わって韓国最北端の鉄道駅となった白馬高地駅に関して取り上げましたが、同駅は駅務員無配置の棒線駅ながらも最北端の駅と言うだけでなく、江原道鉄原郡では現在唯一の鉄道駅にもなっています。
この白馬高地駅は民間人統制線のすぐ南側に位置しているのですが、同駅を発着する路線バスなどはかなり少ないものの、駅北側の民間人統制区域に足を運ぶ観光客向けのシャトルバスが発着しており、このバスを利用して安保観光へ出向く事が出来ます。
MAKIKYUは白馬高地駅へ足を運ぶ前から、予め情報を仕入れていた訳ではなく、以前京義線の都羅山(Dorasan)駅へ足を運んだ際、同駅を起終点とする安保観光シャトルバスを利用した事がありましたので、同種のバスがあれば…という程度で白馬高地駅まで足を運んだのですが、見込み通りといった所でした。
(ちなみにMAKIKYUは東豆川13時発の通勤列車に乗車→白馬高地駅14時過ぎに出発のシャトルバスに乗車したのですが、余り遅い時間だとシャトルバス運行はなく、安保観光に出向きたいと思ったらこの時間でもタイムリミットです)
駅ロータリーでは安保観光のシャトルバス乗車受付を行っており、列車から降りた乗客は次々とこちらへ…という状況で、MAKIKYUも
駅ロータリーのシャトルバス乗車受付へ出向き、代金支払いを済ませてシャトルバスに乗り込んだものでした。
ちなみにシャトルバス乗車受付では施設利用料(4000W)+モノレール運賃(2000W)がセットになった利用券(6000W)を購入したのですが、シャトルバス運賃は乗車後に別途係員が徴収(5000W)で、3つ合わせた安保観光代金は11000Wです。
以前都羅山駅で同種バスに乗車した時は、バスも数台用意されており好みの車両を選ぶ事が出来る状況(数台の観光タイプ車両に混じり、1台だけ現代AEROCITYが居ましたので、MAKIKYUはAEROCITYを選んだものでした)だったものの、こちらは黄緑色に塗られた起亜製の観光タイプ車両が1台だけでしたので、車両選択の余地はなく、必然的にこの車両に乗車する事になったものでした。
MAKIKYUが韓国でバスに乗車するとなれば、大半が市内バスへの乗車で、それ以外も団体ツアーなどを利用する事はなく専ら個人行動ですので、観光タイプ車両に乗車する場合でも、市外バスや高速バスといった乗車前に乗車券を購入し、路線バスとして決まった区間を定時刻で運行するバスばかりですので、韓国で路線バスではない観光バスに乗車するのは久々でした。
(MAKIKYUは日本国内でも似た様な状況なのですが…)
このバスに乗車し、白馬高地駅を出発すると、バスは今もなお鉄路が剥がされたままの北方へ向かい、程なく民間人統制区域に到達、そして統制区域内に入り、鉄原平和展望台→月井里駅の順で民間人統制線内の見所を廻り、再び民間人統制区域から出場して白馬高地駅へ戻るコースとなります。
最初に足を運んだ鉄原平和展望台は、展望台と言うだけあって、少々高台に位置しており、バスは施設入口の駐車場で待機し、モノレールと称する乗物に乗って展望台へ出向きます。
モノレールと言うよりは「スロープカー」といった方が良い乗り物、運賃は予め施設観覧料と共に徴収済となっており、乗下車の際に改集札などはなく、ガイドの指示に従って乗り込む事になります。
これも鉄道の1種として捉えるならば、北韓を除く韓国内鉄道としては「最北の鉄路」という事になりますが、このモノレールを鉄道と見做すか否かに関しては、見解が分かれる所かと思います。
鉄原平和展望台は、無人地帯となっており閑散とした北側を見渡す展望区画(場所柄残念ながら撮影禁止です)と、シアターや展示類などがあるのですが、民間人統制区域内で個人で容易に足を運べる場所ではない上に、観光バスツアーでは見学時間も限られ、団体行動を余儀なくされますので、余りゆっくりと見て廻る事ができないのは少々惜しいものです。
鉄原平和展望台の見学を終えた後は、月井里駅(実際は少し移動しているという情報もあるのですが…)へ向かうのですが、同駅は現在も寸断された京元線の分断区間に位置する廃駅で、駅舎の他に朝鮮戦争時に抑止→破壊された車両の残骸が残存しており、「月井里駅」表示が漢字のみと言うのは、ハングルだらけの韓国らしくなく、少々違和感を感じます。
ここには隣接して鉄原トゥルミ(鶴)館もあり、一帯は民間人統制区域故に自然も多く残る状況ですが、鶴をはじめこの区域に多数生息する野生動物に関する展示などを見る事が出来ます。
この2箇所を観光した後は、再び白馬高地駅へ戻り、白馬高地まで乗ってきた列車と同じ通勤列車でソウル方面へ戻る事になるのですが、2時間弱で2箇所の見学と移動は少々慌しく、あともう1時間程度時間的余裕があり、見学時間が長めに確保されていても…と感じたものでした。
またシャトルバス車内ではガイドも乗務し、様々な案内などを行っていましたが、MAKIKYUを除くと周囲は韓国人ばかりですので、案内も当然ながら韓国語のみで、内容に関しては殆ど理解する事が…という状況でした。
このシャトルバスでは日本語などの外国語も通用しませんので、韓国に不慣れで韓国語も分からないとなると、少々厄介かもしれませんが、個人ではかなり足を運ぶのが大変な所へ、列車の時間に合わせて観光できたのは有り難いと感じたものでした。
ツアー見学中に立ち寄った月井里駅などでは、他の観光バスも何台か見受けられましたが、これらは何処からどの程度の価格で、どの様な観光コースを巡るツアーなのかも気になったものです。
(日本人向け団体ツアーで、月井里駅へ足を伸ばすコースは少ないと思いますが、仮にソウル発着で日本語ガイド付きともなれば、相当な支出を余儀なくされるかと思います)
シャトルバス代と施設見学料を合わせて11000Wという価格設定も、白馬高地駅まで足を運び、この程度の追加支払いで周辺観光が出来るのであれば…と感じたもので、ソウル市内各所など~東豆川までの広域電鉄往復(片道2000W程度)+東豆川~白馬高地間通勤列車往復(片道1000W)を合わせても20000W程度あれば足ります。
ソウルを拠点とした手頃な日帰り旅行コースとしても悪くないと感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もソウル近郊へ足を運び、白馬高地駅まで足を伸ばす機会がありましたら、是非シャトルバスにも乗車し、安保観光に足を運んでみては如何でしょうか?