MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

平成筑豊鉄道・門司港レトロ観光線(1)~車両編

2010-07-16 | 鉄道[九州・私鉄等]

   

もう一月程前の事になりますが、MAKIKYUが先月九州へ出向いた際には、熊本県内の他に、北九州地区へも足を伸ばしたのですが、その際には通称「やまぎんレトロライン」とも呼ばれる門司港レトロ観光線にも、初めて乗車する機会がありました。

やまぎんレトロラインは、JR門司港駅から田野浦方面へ向かう用途不要となった貨物線・田野浦公共臨港鉄道の一部区間を、昨年観光路線として再生させた異色の路線です。

北九州市が軌道などの施設を保有していますが、運行は交通局(現在若松区などに市営バスを運行する他、軌道の運行実績もあります)を持つ北九州市が直接行うのではなく、県内の第3セクター鉄道・平成筑豊鉄道が行っています。

そのため正式名称は平成筑豊鉄道・門司港レトロ観光線と呼ばれていますが、平成筑豊鉄道の既存路線とは異なり、通勤通学路線としては機能しておらず、専ら観光目的に特化した路線となっています。

最高速度は15km/hと非常に遅く、運転日が冬場を除く土休日や長期休暇期間等に限られる事や、運行時間帯が日中に限定されている事などは、観光目的に特化した路線ならではと言えます。

この様な路線ですので九州内や近隣に居るのならまだしも、首都圏などの遠方に居る人間にとっては、踏破が厄介な路線の一つとなっており、MAKIKYUにとっては遠方と言う事もあってか、開業から1年以上経過して初乗車という有様でした。

使用車両はかつて島原鉄道のトロッコ列車で使用していた貨車改造客車(トラ701・トラ702)の両端に、南阿蘇鉄道のトロッコ列車を牽引していた小柄なでディーゼル機関車(DB101・DB102)が連結されて編成を構成しています。

トロッコ客車は島原鉄道時代に姿を見た事があり、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事(該当記事はこちらをクリックがありますが、乗車が叶わずに運行終了となってしまいましたので、島原で見かけた時には思いも付かなかった所での再会で、ようやく念願達成といった所ですが、路線だけでなく車両までもが再利用、それも車両放出先になる事が信じ難い鉄道からの譲渡(島鉄・南阿蘇の両者共に、旧国鉄の車両譲受暦がある小私鉄ですので…)と言う辺りは、やまぎんレトロラインの注目点と言えます。

九州内の小規模私鉄2社から移籍した車両は、ブルー1色に装いを改め、「潮風号」という愛称名を名乗って活躍していますが、乗車する客車2両は小柄な車両にも関わらず、各車共に木製のボックス席が並び、40名前後の定員を確保しています。

座席は木製で結構窮屈な印象を受けたもので、客車自体も貨車改造のトロッコ客車だけあって、乗り心地は決して良いとは言い難いもので、むしろ乗り心地の悪さを楽しむと言った方が良いと感じたものでした。

しかしやまぎんレトロラインは最高速度が極めて低いとはいえ、旅客輸送を行う九州鉄道記念館(JR門司港駅)~関門海峡めかり間の路線長が2.1kmしかなく、ミニ鉄道として知られる和歌山県の紀州鉄道よりも短い程ですので、全線を乗り通したとしても、すぐに終点に到着してしまいます。

まして2箇所の途中駅で乗降ともなれば…と言うのは惜しい限りで、客車はトンネル内で天井がプラネタリウムの如く光る演出など、凝った仕掛けも用意されているのですが、乗り心地の悪さを堪能するまでもなく、列車旅を終えてしまうというのが実感で、車両構造故に慌しく乗り降りする際の乗降性の悪さが印象に残ったものです。

ちなみにMAKIKYUがやまぎんレトロラインに乗車した際は、片道乗車券(300円)を購入して自由席に乗車したのですが、その気になれば全線を徒歩移動する事も可能な程の超短距離路線にも関わらず、一部列車では要追加料金の指定席車が設けられているのも、趣味的には注目点の一つと言えます。
(指定席連結列車の中では、恐らく日本の鉄道で最も運行距離の短い部類に入るかと思います)

ただJR門司港駅~関門海峡めかり間は本数が少ないとはいえ、やまぎんレトロライン以外に路線バス(西鉄バス北九州)を利用し、220円で移動する事も可能ですので、乗車区間や車両設備などを考えると、片道乗車券に加えて要追加料金の指定席券(一部列車では2両しかない客車の1両が指定席になります)まで購入するとなると…と感じたものでした。

とはいえJR九州が発売し、九州内各鉄道の普通列車が任意の3日間(或いは3人分)乗り放題となる「旅名人の九州満喫きっぷ」の対象路線にも含まれていますので、この乗車券で門司港周辺を訪れた際に、ふらりと乗車してみるのは面白いかと思いますし、門司港周辺を訪れる機会があれば、一度は乗車する価値があると感じたものでした。

機会があれば車両以外の駅設備などに関しても、別記事で取り上げたいと思います。
(ただ明日には首都圏の辺境で新線開通が控え、この関連の記事は優先的に取り上げたいと思っていますので、続編記事は暫く後になると思いますがご了承下さい)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。