先日「MAKIKYUのページ」では、今月初頭にMAKIKYUが北関東方面へ行った際に乗車したひたちなか海浜鉄道の、朝ラッシュ時間帯における輸送力列車に関して取り上げましたが、この小旅行の計画を立てる際には、常陸大子から栃木県方面へ抜ける路線バスの時刻が最も大きなキーとなっており、常陸大子(Hitachi-Daigo)でこの路線バスに接続する列車(JR水郡線:水戸駅を9時台に出発する郡山行)の時刻などを考えると、余所者にはなかなか乗車機会がない平日朝ラッシュ時間帯のひたちなか海浜鉄道訪問も丁度良い事もあって、同線を訪問したものでした。
ところで本題に入りますが、水戸から水郡線で1時間強を要する県北の山間に位置する常陸大子は、JR水郡線の運行における拠点として知られ、袋田の滝(常陸大子の一つ手前に位置する袋田駅が最寄ですが、駅から徒歩圏ではなくバスなどを利用する事になります)などの観光名所がある事でも知られていますが、常陸大子からは路線バスを乗り継ぎ、栃木県方面へ抜けるルートが存在しています。
このルートは、常陸大子~盛泉(Moriizumi)間の茨交県北バス盛泉線と、盛泉~馬頭間の那珂川町営バス(旧馬頭町営バス)、そして馬頭からは烏山へ向かうJRバスや、氏家(Ujiie)を経て宇都宮へ向かう東野バスに乗り継ぐものです。
その内常陸大子から出発する場合、最初に乗車する事になるバスが、茨交県北バスの盛泉へ向かう路線で、この路線に限らず、大子一帯の各バス路線は茨城交通の分社である茨交県北バスによって運行されていますが、比較的経年車が多い茨交の中でも、特に古参車両の比率が高い事でも知られています。
さすがにモノコックボディの車両は見かけなかったものの、常陸大子の駅前で盛泉行を待つ間にやって来る他路線で充当される車両を見ても、排ガス規制の厳しい大都市圏ではもはや見かけなくなった車両ばかりでした。
そしてMAKIKYU乗車した際に盛泉行きでやってきた日野製中型車両も、昭和59年(1984年)製という結構な古参車で、床も板張りになっているなど、最近ではなかなか乗車する機会がない車両という点も有難かったですが、古参車ながらも手入れが行き届き、車両の状態が比較的綺麗だった事には、好感を感じたものです。
ちなみに盛泉までは常陸大子駅から所要約20分程、盛泉の手前で県境を越えて栃木県(那珂川町)に入るのですが、この路線は殆どの区間が自由乗降区間(停留所以外でも乗降可能)となっており、車窓も農村風景が拡がる中を駆け抜けるなど、ローカル路線の典型とも言えるでしたが、運行本数もこの路線自体は1日7.5往復(内1.5往復は土休日運休)となっており、決して本数は多いとは言えないものの、土地柄を考えるとこれでも割合健闘しているのでは…と感じたものです。
また盛泉で乗り継ぐ那珂川町営バスに関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思っていますが、大子方から乗り継ぎ可能な便は、実質的にMAKIKYUが乗車した時間(常陸大子駅を11時過ぎに出発)に限られており、これもすぐに接続と言う訳ではないのですが、MAKIKYUが盛泉線に乗車した際は、盛泉まで乗り通す乗客自体がMAKIKYU一人だけと言う状況でしたので、一応バス乗り継ぎで栃木県方へ抜ける事は可能になっているものの、実際このルートを使って茨城県~栃木県間を移動する乗客は殆どいないと思われる状況でした。
あと余談ながら、この記事を見て盛泉線に乗車しようと思われる方もいるかもしれませんが、この路線は常陸大子~盛泉間で片道560円を要するものの、茨城交通(本体)では1000円で1150円分利用可能なセット回数券を発売しており、水戸周辺などでも利用できますので、茨交を時々利用する機会がある方には回数券の利用がおススメです。
ただ茨交県北バスで発売しているセット回数券は、1000円セット券で1100円分利用可能(本体と相互利用可能ですが、表紙や券面の文字色が異なっています:また3000円券もありますが、こちらも利用可能金額は3400円です)でしたので、盛泉線に限らず、大子エリアで予め県北バスを利用する事が分かっているならば、水戸から水郡線で常陸大子へアクセスする場合、必要分を事前に水戸で調達しておいた方が良いかもしれません。