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JR西日本 キハ181系気動車「はまかぜ」号~この車両が活躍する姿も今では…

2008-10-07 | 鉄道[近畿・JR]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、終焉迫るJR西日本の新幹線・0系電車に関して取り上げ、MAKIKYUはこの0系「こだま」号を姫路で下車した後、北近畿方面へ向かうために播但線に乗り換えたのですが、その際に新幹線からの乗り継ぎ割引も活用できると言う事で、豊岡まで特急「はまかぜ」号を利用しました。
(大阪から和田山以遠まで乗り通すのであれば、福知山線経由の運賃・料金で計算される特例もあり、大阪から乗り通す方がずっと割安ですが、0系新幹線乗車も大きな目的でしたので…)

「はまかぜ」号は播但線の一部区間(寺前~和田山間)と、山陰本線城崎温泉以遠で非電化区間を走る事もあって、大阪や京都から北近畿方面を目指す電車特急とは異なり、キハ181系と呼ばれる気動車が用いられています。

キハ181系は1960年代後半~70年代にかけて製造された特急用気動車で、この年代に導入された気動車としてはかなりの高性能を誇っている事もあり、現在のJR西日本エリアに当たる路線をはじめ、中央本線や東北地方、四国など各地で山岳線区を中心に導入された車両ですが、電化の進展と共に電車に置き換えられて転属した車両も多く、国鉄分割民営化の際にはJR西日本とJR四国の2社に継承されています。

その後も四国では相次ぐ振り子式特急車両の台頭などで、比較的早く姿を消していますので、残存する車両はJR西日本所属車両のみになっていますが、こちらも山陰地区における特急の改廃や新形式車両(キハ187系)導入などで廃車が進み、現在定期列車で同系が運用される列車は「はまかぜ」号のみという状況になっていますので、MAMIKYUも先日の「はまかぜ」号乗車が、同形への初乗車という有様でした。

そのためかつて非電化区間の花形として隆盛を誇ったキハ181系も、今や非常に希少な存在になっており、JRグループの中では比較的旧年式車両が多いJR西日本と言えども、いつまで活躍し続けるのか気になる車両の一つです。

ちなみに現在活躍するキハ181系は、塗装はJR西日本オリジナル塗装に変更されており、現在国鉄カラーのキハ181系を見る事は叶いませんが、先頭車両運転席背後の機器室をはじめ、見るからに物々しい印象を受け、一度見たら忘れられない程強烈なインパクトがある外観などはそのままで活躍しています。

その車内でもかつては気動車標準チャイムとして幅広く使われていたものの、今や聞く機会も少なくなった「アルプスの牧場」チャイムが案内放送の冒頭で用いられるなど、「古き佳き雰囲気」が今も随所に残っています。

また普通車の座席は、背面テーブル付き回転式リクライニングシート(座席回転の際は座席下のペダルを踏むタイプ)に交換されているなど、現代の特急車としてもそれなりに通用するレベルになっており、特急車両にしてはさほどハイレベルとは言えない北近畿地区を走る183系電車(485系電車からの改造車)を凌ぐのでは…と感じた程です。

ただグリーン車に関しては、「はまかぜ」号の運転区間などを考えると必然性は薄いと考えられる上に、座席などの設備も旧態依然といった感がありましたので、「古き佳き雰囲気」を楽しむには良いのかもしれませんが、普通車との料金格差も大きい事もあって、設備の割に割高感を感じざるを得ない代物と言えます。

そのためMAKIKYUが姫路から乗車した際に、そこそこ乗客の姿が見受けられた普通車(それでも自由席で禁煙・喫煙車双方とも空席は充分にある状況でした)とは裏腹に、グリーン車は非常に閑散としていたのは気になり、半室すら必要なのかと感じる程でしたので、4両という比較的短い編成(しかも両先頭車は機器室が結構なスペースを占拠していますので、実質3両強程度です)にも関わらず、中間車1両丸ごとグリーン車というのは、随分無駄が大きい編成と感じたものです。

この様な列車ですので、グリーン車に関しては乗り放題系パス等以外での乗車は、余程の事がない限りお勧めできませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も北近畿方面などへ行かれる機会がありましたら、是非「はまかぜ」号で活躍するキハ181系気動車の姿を拝見され、そして乗車してみては如何でしょうか?

写真は豊岡駅を発車する「はまかぜ」号と、その車内の様子(普通車/グリーン車)です。


リバイバル塗装となった山陽新幹線・0系電車

2008-10-05 | 鉄道[新幹線]

 

先月下旬にMAKIKYUが北近畿方面へ出向いた際には、大阪まで横浜神奈交バス(神奈中グループ)の夜間高速バス「ハーバーライト大阪号」を利用し、この高速バスに関する記事も取り上げましたが、バスを降りた後はJRで新大阪駅へ向かい、そこから山陽新幹線を利用しています。

この際にはリバイバル塗装に改められ、最後の活躍をしている0系新幹線(定期列車からは11月限りで退役し、その後12月中に臨時列車での運行が予定されています)に遭遇する事ができました。

0系自体が現在残り3本と言う状況ですので、使用列車は非常に限られており、新大阪から西へ向かう列車では、朝の博多行き2本に限られる状況(新大阪着は朝と深夜に1本ずつ)、それと岡山以西で若干と言う有様ですので、乗車・撮影泣かせの存在と言え、新大阪駅を発着する0系の姿を見るのも関西在住であればまだそれ程でも…といった所ですが、首都圏からともなれば前日に大阪入りして泊り込むか、朝早く大阪に到着する夜間高速バスを利用しなければ厳しいのが現状です。
(後はムーンライトながら号→名古屋で新幹線乗り換えや、サンライズ瀬戸・出雲号で岡山へ行くと言った方法もありますが…)

ただそれだけの苦労をしても、リバイバル塗装に改められた美しい装いの0系に出会えれば、わざわざ遠路はるばる足を伸ばした甲斐が…と感じたもので、先日は北近畿方面へ出向くと言う制約もあって、新大阪~博多の全区間乗車(乗車時間はのぞみ号の東京~博多に匹敵する程です)は到底叶わないものの、せっかくの機会と言う事で短い時間ながらも、姫路まで0系を用いた列車の一つ・こだま639号に乗車してきました。

リバイバル塗装となって最後の活躍をしている0系は、内装や座席などは原型とは大きく異なるものに改められているものの、車内チャイムもJR西日本の新幹線車両で現在一般的に用いられている「いい日旅立ち・西へ」ではなく、以前使用していたタイプが用いられているなど、「見るだけでなく、乗って楽しめる存在」となっている事にも好感を感じたものです。

とはいえまだ11月末の定期運転最終日まで時間がある事や、新大阪発車時点では少し前に出発する「ひかりレールスター」を利用(通過駅へは途中でこだま号に乗り継ぎ)すれば、西明石以外の各駅への利便性が良い(その上こだま639号のすぐ後にもひかり号が続いており、この列車に西明石で抜かれます)など、決して使い勝手の良い列車ではない(足の遅さも起因してひかり・のぞみ号退避時間が長めに取られている駅が多数ありますので、停車駅での撮影には非常に好都合です)事もあってか、ホームで停車中の0系をカメラに収める姿は多数見受けられたものの、乗客の姿がまばらだったのは気になったものです。

また0系自体はリバイバル塗装編成が出始めた4月にも乗車し、この際に乗車したJR西日本オリジナルカラー(一部では某大手都市銀行の様な塗装と言われていますが…)の0系は既に姿が見られなくなっていますので、4月にこの編成に乗車できた事も今思えば非常に幸運だったと感じていますが、こちらに関して以前取り上げた記事もありますので、宜しかったらこちらも合わせてご覧頂けると幸いです。


つくばエクスプレス・TX-2000系電車(増備車両)~装いは随分変わっていますが…

2008-10-03 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

今日MAKIKYUは茨城県内へ出向いており、その際には久々につくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)を利用したのですが、同線で活躍する車両は素人目には同じ様な車両ばかりに映るものの、守谷以北に交流電化区間を抱える事から、守谷までの直流電化区間専用の車両(TX-1000系)と、交流区間乗り入れに対応した交直両用車(TX-2000系)の2種類が存在しています。
(この2形式は良く見ると結構様々な箇所に差異が見られます)

その内TX-2000系は最近になって増備車両が登場し、今月行われたダイヤ改正による増発でその本領を発揮という感がありますが、久々につくばエクスプレスを利用したMAKIKYUはその姿を見るのも初めて…という状況ながら、走り始めてから日が浅いこの車両に乗車する事が出来ました。

この増備車両の大きな特徴としては、窓下に太い赤ラインが入るなど、割合すっきりとした印象が強かった既存車両に比べて、やや派手な装いとなった感があり、ホームドアが設置されている各駅に停車中でも、戸袋部分にあるTXマーク上部に赤ラインが配されるなど、素人目にも一目で既存車両とは異なる車両である事が分かる様になっています。

また外観だけでなく、車内も天井や床材などの耐火性を強化し、一部つり革の高さを下げるなどの仕様変更が行うと共に、座席詰物の材質を変えるなどの変更を謳っていますが、床材は既存車両と柄などが異なっていますので、印象が大きく変わる程ではないものの、別物になった事を実感できたものです。

ただ座席に関しては、見た目は既存車両とほぼ同等のメーカー標準品で、実際に腰掛けた感触も既存車両と大差を感じない気がしましたので、首都圏ではつくばエクスプレスと共に屈指の高速運転で知られ、標準軌(線路幅1435mm)を採用している某大手私鉄で最近増殖している「ブカブカ」した感触の座席(好みが大きく分かれる代物ですので、中には熱烈な支持者も見受けられますが…)などに比べれば遥かに程度が良く、つくばエクスプレスは高速運転故に乗車時間は最大1時間程度ですので、許容範囲内ながら余り歓迎できるモノではないと感じたものです。

とはいえ元々TX-2000系自体が、最近の首都圏通勤車両の中ではデザインや内装の完成度は高い部類に入る車両と感じ、性能面でも通勤型車両の中ではかなり優秀な部類に入りますので、既存車両とさほど仕様を変更しなくても、充分通用すると感じますが、車内案内表示装置は既存車両同様のLED1段表示のままでしたので、この辺りは最近各地で採用事例が増えているLCDモニターになっても…と感じたものでした。


横浜神奈交バス・ハーバーライト大阪号~数少ない神奈中グループの夜間高速バス

2008-10-02 | 小田急グループ

 

先月下旬、MAKIKYUは北近畿方面へ出向く機会があり、往路は夜間高速バスを利用したのですが、首都圏~関西方面を結ぶ夜間高速バス路線は数多く存在しています。

首都圏発着の関西方面夜間高速バスは、神奈川県内を発着する路線だけでも結構な数があり、路線バスとして運行されている路線以外にも選択肢が存在している状況ですが、その中でも先月MAKIKYUが利用した路線は「ハーバーライト大阪号」と呼ばれる路線で、今日はこの路線に関して取り上げたいと思います。

「ハーバーライト大阪号」は、神奈川県内や町田市内などで多数の路線を持つ神奈中グループと、西日本ジェイアールバスが共同運行を行っている路線で、神奈中グループでは最近になって運行会社が変更となり、現在は横浜神奈交バス(舞岡営業所)が運行を担当しています。

首都圏方では本郷車庫(神奈中横浜営業所)を起点に、港南台駅・上大岡駅・横浜駅(東口バスターミナル)と横浜市内で幾つか停車し、その後町田バスセンター(小田急町田駅のすぐそば)と本厚木駅(駅前の神奈中サービスセンター前)にも停車するなど、神奈川県内を中心に細かく停車し、この間だけでも結構な時間を要しますので、MAKIKYUは本厚木駅から乗車したのですが、その一方関西方では大阪駅(桜橋口)とUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のみの停車となっています。

神奈中グループの夜間高速バスは、最近になって奈良へ向かう路線が千葉方面~奈良間の路線と統合・再編され、神奈中は運行から撤退(神奈川地区での奈良行乗車券発売は継続)している事もあり、現在では姉妹路線的存在で京都へ向かう「ハーバーライト京都号」(首都圏方の停車箇所・共同運行会社はハーバーライト大阪号と同一で、首都圏方の運行時刻も近接しています)との2路線のみ(他に乗車券販売のみ行っている他社夜間高速路線が幾つか存在)となっていますので、一般路線バスの規模は極めて大きい割には少なく、その気にならなければ乗車機会もなかなか…という所です。

車両は神奈中グループでは路線バスでも主流を占める三菱ふそう製で、それも姉妹路線の京都行きも含め、専ら2階建てのAEROKINGが使用(予備車などで他車両を使用する事もあります)され、共同運行会社の西日本ジェイアールバスでも同等の車両を用いていますが、運行事業者は隔日交代となっていますので、基本的には大阪・京都行きのどちらか一方で神奈交車両が見られる状況となっています。

この車両は座席の大半を占める2階席は夜間高速バスで一般的な横3列独立配列となっているものの、8席ある1階席は横4列(2+2配列)となっているのが難点で、MAKIKYUが購入した乗車券は1階席だったのですが、本厚木駅(首都圏発では最後の乗車停留所)出発時点で2階席に空席があり、こちらを利用できたのは有難い限りでした。

ちなみにMAKIKYUが「ハーバーライト大阪号」を利用した日には、大阪行が神奈交担当となっていましたので、横浜神奈交バス車両に当たったのですが、この車両は神奈中グループの一部路線車でも見られるブルーをベースとした装いで、事業者名も担当営業所の変更に伴って「横浜神奈交バス」に改められていますが、これに伴って登録番号も変更(湘南ナンバー→横浜ナンバー)となっていますので、決して新しい車両とは言えないものの、横浜市内などで横浜ナンバーの路線バスなどと並ぶと、意外と新しいバスの様に錯覚してしまうかもしれません。

車内には車内設備などを案内するモニターが取り付けられており、この字幕では
きちんと「横浜神奈交」と案内され、音声合成によるアナウンスなども同様でしたが、乗車当日に神奈中サービスセンターで購入した乗車券は前運行事業者の「湘南神奈交バス」表記のままとなっており、その乗車券も印刷発券ではなく、カーボン複写の手書きとなっていたのは少々意外でした。
(ちなみに「ハーバーライト大阪号」はJRグループが運行に加担している事もあって、JR主要駅にある「みどりの窓口」で乗車券を購入する事も可能で、他にコンビニ発券などの購入方法もありますが、これらで購入した場合は別様式のはずです)

「ハーバーライト大阪号」に乗車した感想としては、2階建てバスも昼間なら展望が楽しめて悪くないものの、深夜帯走行の上にカーテンも締め切りとなる夜間高速バスでは、座席定員が確保できる(乗車券が確保しやすい)事を除くと、2階建て車のメリットはさほど感じなかったものの、首都圏を夜遅く(本厚木23時55分発)に出発して大阪に朝早く(6時台)に到着でき、現在この様なスケジュールを組める公共交通機関は夜間高速バスのみ(格安移動手段として知られるJRの「ムーンライトながら号」などを用いた乗り継ぎでは大阪到着が通勤ラッシュを過ぎた頃になります)ですので、この点は大きな魅力と言えます。

また座席で一晩過ごすのはホテルや寝台車などに比べると、居住性の面ではどうしても劣るのは致し方ない事で、バス特有の揺れや車内の狭さ(特にトイレ)などはあるものの、座席で夜を過ごす事になるムーンライトながら号などの夜行列車と比べれば、遜色ないかそれ以上のレベルと言え、座席での寝付きが悪いMAKIKYUでも思ったよりは寝れたもの(富士辺りで寝入った後に目を覚ますと、もう京都市内を過ぎて大阪府境という状況)でした。

運賃面もMAKIKYUは当日7900円の片道乗車券を購入し、これは首都圏~関西方面をJR普通列車乗り継ぎで行くのとさほど変わらない金額ですが、月~木曜日の出発で予め予定が決まっているのであれば、早期購入割引(早売21・3週間前までに購入)を利用すると概ね5000円程度の運賃で乗車できますので、この運賃設定で横3列席のバスに乗車して首都圏~関西間を移動できるのであれば、かなり利用価値が高いと感じたものです。

写真は大阪駅を出発する「ハーバーライト大阪号」と、その乗車券(乗車券自体は乗車時に回収・写真は一部加筆修正)です。