豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

プリースト判事

2009年12月17日 | 映画
 
 以前、100円ショップの“ダイソー”が300円DVDを発売しており、その中には「プリースト判事」や「若き日のリンカーン」など、ほかのシリーズでは手に入らないものもある、とネット上で紹介されていた。

 どんなものか見たいと思って、吉祥寺その他あちこちのダイソーに立ち寄ってみたが、どこにも置いてなかった。そしてどこでも、当店に置いてないものは取り寄せることができないと言われた。
 そうなると、ますます「プリースト判事」や「若き日のリンカーン」が“幻の名作”に思えてきた。

 ネット上では、「若き日のリンカーン」が5000~6000円でオークションに出ていた。しかし、5000円払ってまで見たいというほどではなかったので、放っておいた。
 
 そうしたところ、数日前(正確には12月13日の日曜日)、ネット上を遊泳していたら、偶然に「プリースト判事」や「若き日のリンカーン」の新品が各500円でアマゾンで売られているのを発見した。
 しかも今なら、1500円以下でも送料無料のキャンペーン期間中だという。
 即刻この2枚を注文した。アマゾン直売らしく、日曜日にもかかわらずその日のうちに発送のメールが届き、翌日にはもう到着した。

 15日(火)の昼過ぎに時間が空いたので、大学図書館のAVブースで「プリースト判事」を見た。
 ジョン・フォード監督の1934年の作品。南北戦争に敗れて何年か後の南部、ケンタッキー州が舞台のドラマである。
 南部びいきの、しかし正義感のプリースト判事が、新米弁護士である甥の依頼人であり、フィアンセの父親でもある被告人を冤罪から救うという物語。

 南部の暑苦しい夏の雰囲気、判事がいつも着ている白い麻のスーツは、グレゴリー・ペックの「アラバマ物語」を思わせる。
 裁判もののようでもあるが、基本的にはラブ・コメディーだろう。新米弁護士のフィアンセを演じている女優も、最近では見かけなくなってしまったタイプの美人である。

 彼女は私生児として生まれ、裁判が始まるまではだれが父親なのか分からない。当時の南部では、まだ私生児は差別されていて、新米弁護士の母親も、彼女を息子の嫁として認めない。
 この辺は、ジョン・フォード監督の「駅馬車」と同じである。「駅馬車」ではヒロインは元娼婦ゆえに差別されていたが。「ウィンチェスター銃'73」も確かそんなストーリーだった。「拳銃無宿」では、逆に、敬虔なクエーカー教徒の娘にならず者が恋をする物語だった。
 今回の映画は「西部劇」ではないが(「南部劇」?)、アメリカ人はこういう表向きは西部劇だけど、実はラブ・ストーリーというのが好きらしい。

 ぼくも嫌いではない。ダイソーの300円DVDということで心配したが、画面、音声、字幕すべてちゃんとしていた(黒人の台詞が時々訳されていなかったけれど)。

 * 写真は、ジョン・フォード監督の「プリースト判事」(1934年)のDVDケース。(ファーストトレーディング、500円)

 2009/12/17

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