軽井沢2日目。
天気予報どおり、朝から快晴。絶好の部屋の風通し日和(?)である。
追分の “すみや” にちょっと立ち寄り、借宿の知人を見舞ってから、女房がお気に入りの発地市場に出かける。10時前に到着すると、10月のウィーク・デーにしてはけっこうの人出だが、開店30分前から数十人が並ぶ8月ほどではない。
義姉に送るシャイン・マスカットを買うのが主たる目的。気に入った詰め合わせがないので、自分で、リンゴなどを組み合わせるために段ボール箱をもらって帰る--予定だったが、あまりに天気がよいので、そのままドライブすることにした。
どこへ行くか。
志賀高原はちょっと遠い。草津、白根はGo-to で混んでそう。海野宿、別所温泉は2、3年前に行ったばかりだし、浅間サンラインはもっと秋が深まってからの方がよい、などと迷った挙句、結局は国道146号を鬼押し出し方面へ登って、道の駅から浅間山を眺めることにした。
有料道路の途中にある道の駅は、浅間山を眺める絶景ポイントの1つで、嬬恋の農家直送の新鮮な野菜を安く買うことができる。
中軽井沢駅前から星野、塩壷、旧西武百貨店前、旧グリーン・ホテル跡地などをくねくね登っていく。途中、塩壷温泉の向かいあたりに千ヶ滝郵便局があった。赤い三角屋根の郵便局は、かつてはもっと登ったところ、西武百貨店前から直進する山道が左に曲がる突き当りにあったのだが、その後長い間閉ったままになっていたのだが、いつ移転し、再開したのだろう?
峰の茶屋の交差点を過ぎて、有料道路に入る。料金280円。
ところが、驚いたことに、行くつもりだった道の駅は閉まっていた。
信号のある交差点を右折しようとしたが、進入禁止の柵が閉まっている。道の左側の路肩には数台のクルマが停車している。コロナではなく、それ以前に廃業してしまったようで、営業終了の張り札も何もなかった。
はじめて軽井沢に来た義姉を連れて、朝早くに立ち寄ったら、ちょうど地元の農家の人がその朝とれたばかりの野菜を運び込んでいる最中だったのは、もう十年近く前のことになる。
仕方がないので、路肩にクルマをとめて、浅間山の写真を撮る。変わった形の雲が湧いて流れていた(上の写真)。
浅間山は中軽井沢から眺めるのが、ぼくにとってはベストなのだが、鬼押出し、北軽井沢方面からの浅間山は、“カルメン、故郷に帰る” にたびたび登場して、笠智衆が「変わらないのは浅間山だけ」と嘆いたシーンを思い出させる。しかもあの映画はぼくが生まれた昭和25年に撮られたので、70年前の浅間山を見ることができる。
確かに、この日の浅間山も70年前と全く変わってなかった。
帰りは有料道路ではなく、一般道で峰の茶屋まで戻るつもりだったが、右折するところを間違えて、同じ有料道路に出てしまった。往復で560円の出費。
さらに白糸の滝を通る有料道路で旧軽井沢に向かったのだが、通行料200円くらいの記憶だったが、なんと500円! 料金の記憶はすべて10年から20年(もっと昔かも)のものだったらしい。その代わり、ほとんど一人旅でまったりと走らせることができた。
もったいないので、久しぶりに白糸の滝まで歩いた。
旧軽井沢ではいつも通り、神宮寺の駐車場にとめる。
旧道はそこそこの人出。余り10月には来ないので、例年と比べてどうなのかは分からないが、自粛要請期間中よりは賑わっている。ほとんどの人がマスクをしている。
女房が混みあう浅野屋でパンを買っている間、観光会館のラウンジで、街よく人を眺めて時間をつぶす。
夕方、ようやく帰宅。
義姉に送る荷物を作って、追分のコンビニに持ち込んだが、ちょうど今日の最終便が行ってしまったばかりだと言う。
荷物を預けたのち、浅間山の姿がまだきれいだったので、浅間テラスに向かう。
沈む夕日を浴びて夕もやにかすむ浅間山の山影が刻々と変化していく。冒頭の写真と下の写真は5分くらいの間に撮ったもの。
この日の夜が満月だという。昨日10月1日の中秋の名月は「満月」ではなかったのか!
流れる雲の間から月がのぞくのを待って、窓辺に立つこと数分。結局完全に雲が晴れることはなかった。
スマホのカメラで撮ったものなので、見えるかどうか。フラッシュを切る方法は分かったが。
2020年10月4日 記