今朝、NHKテレビで「びわ湖毎日マラソン」を見た。
いつもの日曜日の午前は、TBS「サンデー・モーニング」を見るのだが、8時からNHKで女性代議士による「日曜討論会」をやっていて、終わったらマラソンの中継になったので、そのまま見るともなく見ていた。
びわ湖毎日マラソンは今年で終わってしまうというので、見たのかもしれない。
ぼくの父方の祖母は彦根の出身なので、滋賀のびわ湖は多少の思い入れもある。コースは大津だけれど。
びわ湖毎日マラソンで一番の思い出は、フランク・ショーターである。優勝したから記憶にあるのではなく、珍事の思い出である。
彼はトップで走っていたのだが、沿道の観客の振っている小旗を数枚奪い取ったと思ったら、突然コースを外れて草むらに姿を消したのである。1~2分後に再びコースに戻ってきたと思ったら、また走り出して、結局優勝してしまった。
試合後の報道で、そのとき彼は便意を催し、コース外の草むらで用を足してから再び走りだしたのだったという事情を知った。それを写真に撮ろうとした観客をショーターが怒鳴ったという本人のコメントもついていた。マラソンでは、コース外に出た場合でも、同じ場所からコースに戻って再び走ることが認められていることも、その報道で知った。
そして、今朝は30キロを過ぎたあたりから、何か記録が出そうな予感がしたので、そこからは真剣に見ることにした。予感は見事に当たって、35キロ付近で3人のトップ集団から抜け出した鈴木健吾選手(富士通)が、そのまま1キロ2分50秒台前半を刻み続けて、とうとう日本新記録の2時間4分56秒で優勝した。
彼は、昨年のびわ湖マラソンで終盤に失速してしまい、東京オリンピックの選考にも落ち、それから1年間ケガをすることもなく、万全の体調で今日リベンジに臨んだという。気象条件も良かったらしい。
偶然、記録的な日本新記録を見ることができた。今日のテレビ中継では、選手が走る足音を拾っていたのがよかった。マラソンや駅伝の中継では、あの足音を拾わない方が多い。「拾えない」のかも。
ぼくは一度だけ、東京女子マラソンを沿道で見たことがあるが、走者の足音が遠くから近づいてきて、大きくなり、やがて遠ざかって行くのが印象的だった。
市橋有理選手が優勝した年である。外苑東通りの信濃町駅近くだった。
最近では、スポーツ番組にしか「ドラマ」を感じない。
2021年2月28日 記