買い物の失敗「うさぎの歯ブラシ立て」

曇，17度、90％

　感染症の心配から家族の歯ブラシを一つのコップに立てるのを止めました。口を濯ぐコップもひとり一つ。そのコップに自分の歯ブラシを立てます。一人の時はいいのですが家族が集まると洗面台の上はコップが並びます。しかも歯磨き粉の本数まで増えます。とても悩ましく思っていました。

　繁華街の路地裏に小さなアンティークショップを見つけました。ヨーロッパのものが主流のようです。アンティークも年代によって値段が違います。「ビンテージ」「アンティーク」「ブロカント」などと分けて呼ばれます。「アンティーク」と書かれた店ですが年代の新しいものが主流の店でした。お店番のお姉さんも少し知識不足です。ブルーと白の焼き物が集められた一角にうさぎの置物を見つけました。「それイギリスの歯ブラシ立てですよ。」とお姉さんの声が弾んでいます。　後ろを見ると歯ブラシが立てられる穴がついていました。我が家の洗面台を思い浮かべます。石鹸皿　　以前の歯ブラシ立てもイギリスのブルーと白の焼き物です。　「うさぎの歯ブラシ立て」は耳裏に黄ばみが出ています。欠けやひびはありません。というわけで、「うさぎの歯ブラシ立て」を買いました。

　家に帰って洗面台に直行、歯ブラシを穴に入れようと、手が止まりました。穴が小さくて歯ブラシが入りません。家にある歯ブラシ全部試しましたが、孫娘の歯ブラシ以外は穴に入りません。「ガッカリ。」歯ブラシをバックに入れて買い物に出る人なんているわけもない、と自分の「買い物の失敗」を慰めます。

　数千円でそんなにお高い買い物ではありませんでした。しかもお値段を安くしてもらいました。使えないものを買ってしまうと後悔がしばらく続きます。一体いつになったらこんな「買い物の失敗」がなくなるのだろう？気持ちを取り直して、窓辺にウサギを置きました。　毎日見ていれば「買い物の失敗」も減るかもしれません。