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今日、5月2日は、母の命日だ。一周忌はもう2週間ほど前に済ませたが、いってみれば、今日が本当の一周忌なのだ。もちろん、ワイフと一緒にお墓参りに行った。一周忌に供えた花は片づけられていたが、その代わりに、お墓の脇に植えてあるアザレアが花を咲かせていた。あの日はまだ蕾だった。
ふたりで、お墓のお掃除をしているときに、川崎に住む妹夫婦がやってきた。なんの打ち合わせもしていなかったが、母が会わせてくれたのだろうか。二つ分の仏花を供えたら、ずいぶんはなやかになった。ぼくがうっかり忘れていた、母の好物のワンカップ大関とビールは、妹がちゃんと持ってきてくれた。線香の煙が、たなびく中、皆で手を合わせた。
”お母さんが息をひきとったのは、ちょうど今頃の時間だったね”と妹が言う。そうだった、お昼前後のとき、ぼくら3兄妹夫婦が見守る中、脈拍数と呼吸数を示す測定器の振幅線がだんだん、ゆるやかになり、そして、ぴたりと止まった。あの日から、ちょうど1年になるのだ。時は着実に進んでゆく。
樹齢600年の大銀杏が若葉を繁らせていた。
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