熱海梅園の梅が見頃になる頃、MOA美術館で必ず展示される、光琳の国宝・紅白梅図屏風。今年も、行ってきました。これを含め、国宝3点、重文35点余りの所蔵名品が勢揃いする展覧会なのだからすごい。
まず、国宝3点。
尾形光琳 ”紅白梅図屏風”。 構図の妙、水流と光琳梅で人気。ぼくは、加えてウメノキゴケが好き。紅梅はスケート靴をはいた、イナバウワーの荒川静香さんみたい(笑)。真央ちゃんがんばれ!
野々村仁清 ”色絵藤花文茶壺”。京焼色絵陶器の仁清の最高傑作といわれる。どちらからみても、様々な色の藤花がバランスよく垂れている。一葉一葉に葉脈がていねいに描かれているのに驚く。
手鏡/翰(かん)墨城。見ぬ世の友(出光美術館蔵)、藻塩草(京博蔵)と共に「三大古筆手鑑」と呼ばれる。翰(筆)と墨によって築かれた城という意味。311葉の古筆切が収められている。古筆家に伝来し、のちに益田家が旧蔵。
重要文化財の中からいくつか。中国絵画(唐時代、8世紀)の”樹下美人図”。これはトーハクの樹下男子図と対をなすものとのこと。現在の新疆ウイグル自治区トゥルファンのカラホージョ古墳から出士した。
楼閣山水図屏風(海北友松)。右隻に「高亭の麻柳蓬舟」を、左隻に「古寺の廊門緑樹」を描いている。筆数を抑えて余白を生かす、減筆体の草体山水図で、全体には淡墨を基調としながらも、濃墨による楼閣や樹木で画面を引き締めている。墨調の変化によって画面の効果を図る描法は、建仁寺本坊の「山水図」よりさらに進んだ様式を示していると考えられ、友松山水画における、草体山水の完成作と見られている、とのこと。建仁寺本坊のを最近、観ているので引き寄せられたのだろう。
色絵桃花文皿 鍋島。いつもは系列の箱根美術館にあるが、出張してきたらしい。見事な鍋島。
無印のもの(笑)では、順不同で、ノンコーの黒楽茶碗銘”五湖”、伊賀耳付花生、貫入のいい青磁大壺(南宋時代)。そして、現代の千住博の”ウオーターフォール”と菅原健彦の”淡墨桜”など。
庭に出ると、まだ、数日前の雪の残る、尾形光琳屋敷(図面等から復元)の景色もなかなか良かったですよ。
唐門(大磯の三井家別邸にあったもの)
光琳屋敷
河津桜が生けてあった。
そこから見える紅梅。
映画”利休にたずねよ”にも出てきた、黄金茶室。これは館内に。原作者の山本兼一さんが他界されましたね。昭和31年生まれだって。