226の日はうれしい日であった。何故なら、ぼくの大事な腕時計が姿を消してから、2週間もたって、突然、帰ってきたのだから。行方不明になることは時々あるが、たいてい数か所、探せば出てくる。洗面所の棚とか、ぼくの机の上の展覧会ちらしの山の中とか、たたんだ蒲団の中とか。それが、今回は、ありとあらゆる場所を探したのに出て来ない。たぶん出歩いているときにぽろりと皮のベルトがはずれて(いつかそういうときがあった)、落ちたのに気付かなかったのだろう、と結論づけた。それでも、まだあきらめきれず、この2週間、たまたま、紛失した日に送られてきた景品の腕時計を代用して、様子をみていた。
この代用品の時計というのが、とんでもない代物で、文字盤の中心にどんと飛行機の模様があって、まるでそれが長針短針のようにみえる。一方、本物の針は、細くて、傾けたりして、ようやく、時間が確かめられるというもの。これは、時計じゃない!飾りもんだと!と何度、ハラをたてたことか(汗)。
ぼくら世代にとっては涙が出るほど懐かしい、城達也の語りと名曲のジェットストリーム。”午前0時の夜間飛行をもう一度”の宣伝文句に誘われて、ワイフがそのCD7巻を一括購入したのデス。そして、その景品がこの時計というわけ。その深夜放送はJAL提供だったから、飛行機の模様がつくのは仕方がなかっぺ。それにしても、もう少し実用的な面も考えてほしかったノダ。
もう、このジェットストリーム時計にも我慢の限界がきたし、今日こそ新しい時計を買おうと思っていた。そして、めったにないマンションの1日断水が始まる9時に出掛けようと、何とはなしに、いつもと違うズボンを穿いた。そして、ポケットの入れ替えをして、はっ!!!はっ!!!右ポケットに腕時計が!!! そうか、2週間はいていなかったズボン。よくぞ、新しい時計を買う前に出てくれたぞなもし。
やっぱり、お前とは縁がある、もう死ぬまで一緒だ。棺桶にも入ってもらう!!。 そして、ジェットストリーム時計さん、ありがとう、お前がいたから2週間、新しい時計を買わずに済んだンダ。
とってもうれしい日になった。そして、その日、大船フラワーセンターの玉縄桜も咲きはじめてくれて、ぼくの喜びをトリプルアクセルにしてくれたのだ。
玉縄桜開花
花桃と残雪
しなまんさく満開
和紙ちぎり絵
。。。。。
ジェットストリーム時計
ミスター・ロンリー/城達也
遠い地平線が消えて
深々とした夜の闇に心を休める時
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています。
満天の星をいただく、果てしない光の海を
ゆたかに流れ行く風に心を開けば
きらめく星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂の何と饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えて行った
遥かな地平線も、瞼に浮かんでまいります