気ままに

大船での気ままな生活日誌

The Ukiyo-E 2020 日本三大浮世絵コレクション展

2020-09-04 08:11:37 | Weblog

おはようございます。

上野の東京都美術館で開催されている表記の展覧会に行ってきました。日本の三大浮世絵コレクションと讃えられる、太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品が前後期合わせて450点も見られるという、めったにない機会。超名品も保存状態の良いものが、また初めて見る作品もあり、とても楽しめた。写真撮影禁止なので、ちらし等の写真を使いながら、備忘録として、各章ごとに記録しておこう。ぼくは後期展示のみの鑑賞となったが、ここでは前期作品も含めている。

次のように、浮世絵の歴史を追うような章立てになっている。

第1章 初期の浮世絵
第2章 錦絵の誕生
第3章 美人画・役者絵の展開
第4章 多様化する表現
第5章 自然描写と物語の世界

第1章 初期の浮世絵

初期浮世絵版画は、延宝期(1673~81)頃の墨一色の版「墨摺絵」から始まる。その後、墨摺絵に丹で筆彩色を施す「丹絵」、丹にかわって紅を用い、黄、藍で彩色した「紅絵」、黒色部分に膠を混ぜて漆のような光沢を出した「漆絵」などが作られる。延享期(1744~48)頃になると、彩色は筆彩色ではなく、紅や緑の色版を重ねる版彩色、「紅摺絵」となり、多色摺の錦絵が生まれる土台となる。

初期浮世絵師は、菱川師宣、懐月堂派、奥村政信などから始まる。続いて、歌舞伎の豪胆な荒事を力強い描写様式で描く、鳥居清信・清倍らが活躍。鳥居派から清忠、清広、清経、清満など多くの後継絵師が輩出される。一方、石川豊信は独自に繊細で柔らかな画風を展開する。(公式サイトに準じる)

菱川師宣 若衆と娘

鳥居清倍 「初代市川団十郎の暫」 重要文化財

石川豊信 「花下美人」 重要文化財 

奥村政信 「足袋の紐」

第2章 錦絵の誕生

明和2年(1765)頃から、趣味人の間でより美しい摺物が求められ、多色摺の版画が誕生した。錦のように美しい江戸の絵という意味で「東錦絵」と称される。この時代に最も活躍したのが鈴木春信で、その夢幻的な美人画様式を多くの浮世絵師たちが追随している。明和7年(1770)の春信没後、礒田湖龍斎は次第に堂々とした体軀の現実的な美人画へと画風に変化を見せ、その代表作とされる「雛形若菜の初模様」シリーズは大判という判型を定着させる契機となる。役者絵においては、一筆斎文調、勝川春章らが、より写実的な役者の個性描写を追求している。風景描写にも向上が見られ、歌川豊春は西洋画の透視図法を用いた自然な奥行きと空間を感じさせる浮絵を制作し、以後の風俗画の背景描写にも影響を与えている。(公式サイトに準じる)

鈴木春信 「鷺娘」 ぼくは春信のファンだが、この作品は初めて見たような気がする。二代目瀬川菊之丞によって初演された鷺娘を題材にしている。雪の質感が素晴らしい。

鈴木春信 「風流うたひ八景 紅葉狩夕照」

勝川春章 「車引 二代目市川八百蔵の桜丸 二代目中島三甫右衛門の藤原時平 三代目市川海老蔵の松王丸 九代目市村羽左衛門の梅王丸」

礒田湖龍斎 「雛形若菜の初模様 丁子屋内若鶴」

今朝の朝焼けと満月も初期浮世絵のようにきれいでしたよ。二日連続朝夕の満月4連勝(笑)。

(つづく)

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

コメント
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