'11.08.11 『シャンハイ』(試写会)@明治安田生命ホール
yaplog!で当選。いつもありがとうございます! これは予告を見て気になってた。ジョン・キューザック好きだし☆
*ネタバレあり、ごめんなさい!辛口です(涙)
「日米開戦直前の上海。様々な国の租界地区が存在。表向きは干渉せず、裏では探り合いながら均衡を保っていた。米国諜報員のポールは友人が射殺された原因を探るうち…」という話。これは… スパイものだと思って見に行くと肩透かしかも。もちろん主人公が諜報員なのだから、そういう話なんだし、そこに恋愛を絡めたかったみたいなんだけど、どちらにも乗り切れず… つまらないわけではないので、見ている間はそれなりに楽しめるんだけど… うーん(笑)
日米開戦直前ということで、ここに出てくる日本人は、たいてい人を殺しているか、殺されている。実際、それだけではなかっただろとは思うけど、まぁそういう部分のみ誇張されるのは仕方がない。大正時代から戦争が始まる頃まで、上海は"東洋のパリ"とか"魔都"とか呼ばれていたことは知っていたし、いろんな国の租界があったことも何となく知ってた。その理由も貿易だとか、情報戦だとかこちらも漠然と知っていたけど、その辺りのことが見れるのかと期待したのだけど…
前述のように日本もしくは日本人は"悪"として描かれてしまうのは、"個"の日本人としてはともかく、当時の情勢で一くくりに"日本人"とした場合、その通りだと思うので、反論するつもりはない。日系の役者さんではないけれど、"キタ"という人物を有能なスパイとして描いてくれてはいたけれど、"キタ"だしねぇ… と、思ってしまうのは深読み? 仮にそういう意図だとしても全然いいのだけど、とにかく日本人の描き方が薄っぺらい。でも、この映画で描きたい日本人なんて渡辺謙演じるタナカ大佐くらいみたいだし。日本租界がやけにみすぼらしいとか、菊地凛子演じるスミコの部屋がどこか中国っぽいのも、文句を言うつもりはない。当時の上海の日本租界のことは、プリプリ怒るほど知らないし(笑) ただ、中途半端なんだよね… 悪く描くにしても、日本人から見ても憎たらしくなるくらいずる賢いとか、逆に憎む価値もないほどバカなわけでもない。レジスタンスの標的となったのは、日本の外交官なのに、まるでゲームで倒されるその他大勢キャラみたい。
と、つらつら書いているのは、愛国心からでも、反発からでもなくて、全体的に薄っぺらいから… だいたい、主人公のポールが上海で何をしたいのか、サッパリ分からない… まぁ、世界の動向を探りたいって事だとは思うんだけど、友人の振りしてドイツ軍人(じゃなくて何だったかな・・・)の妻を騙してまで、機密書類の写真を撮ってたけど、あれはどうなったのか? そのシーンのみで、その後は全くのスルー。確かにスミコと関わって殺された親友に、上海に来いと言われている回想シーンが入っていたけど、そもそもの任務は何なのか・・・ 日本でもドイツでもいいから闇雲に情報を集めろってこと? チラシには「親友の死の真相を探るため上海にやって来た」となってるけど、親友が殺されたのはポールが上海に来てからだし・・・ と、こんな感じで主要な登場人物達の任務が何で、何をしたいのかが全然伝わって来ない。イヤ、もちろんセリフなどで、例えばコン・リー扮するアンナはレジスタンスだと言われるし、父親を日本人に殺されたと言われてはいるから、抗日活動をしているのは分かる。でも、確かに仲間と連携して前述の全く大物感のない外交官達を銃撃するけれど、何か成果を上げているのか不明。映画の中で何か影響があったとすれば、タナカ大佐に疑われるくらい・・・ そもそも、タナカ大佐は大物なのか・・・ 海軍の大佐がどのくらい偉いのか分からないのは、こちらの知識不足なのだけど、チラシでは海軍を掌握しているとなっているけど、どう掌握しているのか・・・ イヤ、いくら戦争に負けることになるとはいえ、日本海軍を掌握しているのだとすれば、大物中の大物なのでは? それなのにやっていることは裏社会のボス ランティンを脅してみたり、アンナを疑っているだけだし・・・ このチョウ・ユンファ演じるランティンに至っては「裏社会のボスです」という説明のみという印象・・・。

おそらくは、開戦直前の陰謀渦巻く"魔都"上海を舞台に、騙し騙されながら愛し合う男女って感じをやりたいのだと思う。で、それぞれをスミコで繋ごうと・・・ だけど、結局このスミコがなんだったのか・・・ 単純に見ていた通りのオチなのだとして、その人物が彼女の為に全てを投げ出すとは思えない・・・ そもそもの発端となった(っぽい)コナーとの関係も恋愛なのか利害関係なのか・・・ オチに至っては唐突過ぎやしないだろうか・・・ まぁ、全く無くはないと思うけど、じゃ何であんなボロボロの阿片中毒の娼婦にしておくのか疑問。単純に彼女の方が身を隠したってことかと思えば、阿片窟で目撃されてるし・・・ アンナが命懸けでスミコを守っていたのはオチに対しての復讐のため? でも、それならいくらでも機会はあったと思うし。何故スミコを匿っていたのか・・・ 結局、スミコが握っていた秘密は、秘密のままで終わったって事? で、チラシに書いてあった「世界をも揺るがす恐るべき陰謀」っていうのは一体何? おそらくそのネタをつかみたいってことで、コナーもポールも諜報活動してたんだと思うんだけど、一番引き出したかったであろう相手からアッサリ告げられちゃって、しかも関係なかったからね。まぁ、それはそれで虚しかったってオチでもいいんだけど、そういうわけでもないし・・・
キャストはかなり豪華。キャストは良かったと思うんだけど、別にこの人たちじゃなくてもいいかなぁ・・・ でも、逆にこれだけツッコミまくってても、最後まで見れたのは、このキャストのおかげだとは思う。ジョン・キューザックは演技上手いし、好きなのに褒めるところが浮かばないなぁ(笑) イヤ、演技がダメだったわけではなく・・・ 何となく乗り切れず。タナカ大佐はやっぱり渡辺謙さんなんでしょうねぇ。演技もそうだけれど、他にスケール感のある日本人俳優がいないからなぁ・・・ スクリーン映えしてた。チョウ・ユンファはなんだか残念な役だったなぁ・・・ 一番残念かも(涙) 菊地凛子はずっと病んでる役なので上手いか下手か分からず(笑) でも、不幸過ぎる感じは良かった。変な褒め方だけど(笑) 一番存在感があったのはコン・リー。そんなに美人とも思わないけど、妖艶! 「男に自分に気があると思わせる」って言われるセリフがあるけど、とっても分かる。男性はたまらないと思う。

上海の魔都感はあったと思う。でも、割と全体的にセット感。SECOND UNITがTHAILANDとなっていたので、ロケ地はタイなのかな。別にタイ感はないけど(笑) 映像が全体的に暗くてよく見えない。うーん。個人的には乗り切れず。見ている間は退屈してしまうということは無かったけれど、見終わった感想としては、だから何だったんだろうという感じ。全く理解不能ってことではなくて、チラシの文句があまりに大風呂敷だったので、オチとのギャップが・・・ って、気づけばスゴイ辛口・・・ イヤ、辛口というより本人的にはツッコミというか、単純に疑問を書いてるだけなんだけど(笑) でも、一応謝っておく! ごめんなさいっ
まぁ、あくまで個人的な感想なので、合う、合わないは人それぞれということで・・・
諜報作戦とかスパイものという事より、親友の死の謎を追う新聞記者(ポールの仮の姿)が、妖艶な女性と恋に落ちる話として見たら楽しめると思う。そういう、映画が好きな方にはいいかな・・・ 妖艶なコン・リーが見たい方はオススメ。
せっかく、一生懸命オチ隠してたのに、予告で言っちゃってるね(笑)
『シャンハイ』Official site
yaplog!で当選。いつもありがとうございます! これは予告を見て気になってた。ジョン・キューザック好きだし☆
*ネタバレあり、ごめんなさい!辛口です(涙)

日米開戦直前ということで、ここに出てくる日本人は、たいてい人を殺しているか、殺されている。実際、それだけではなかっただろとは思うけど、まぁそういう部分のみ誇張されるのは仕方がない。大正時代から戦争が始まる頃まで、上海は"東洋のパリ"とか"魔都"とか呼ばれていたことは知っていたし、いろんな国の租界があったことも何となく知ってた。その理由も貿易だとか、情報戦だとかこちらも漠然と知っていたけど、その辺りのことが見れるのかと期待したのだけど…
前述のように日本もしくは日本人は"悪"として描かれてしまうのは、"個"の日本人としてはともかく、当時の情勢で一くくりに"日本人"とした場合、その通りだと思うので、反論するつもりはない。日系の役者さんではないけれど、"キタ"という人物を有能なスパイとして描いてくれてはいたけれど、"キタ"だしねぇ… と、思ってしまうのは深読み? 仮にそういう意図だとしても全然いいのだけど、とにかく日本人の描き方が薄っぺらい。でも、この映画で描きたい日本人なんて渡辺謙演じるタナカ大佐くらいみたいだし。日本租界がやけにみすぼらしいとか、菊地凛子演じるスミコの部屋がどこか中国っぽいのも、文句を言うつもりはない。当時の上海の日本租界のことは、プリプリ怒るほど知らないし(笑) ただ、中途半端なんだよね… 悪く描くにしても、日本人から見ても憎たらしくなるくらいずる賢いとか、逆に憎む価値もないほどバカなわけでもない。レジスタンスの標的となったのは、日本の外交官なのに、まるでゲームで倒されるその他大勢キャラみたい。
と、つらつら書いているのは、愛国心からでも、反発からでもなくて、全体的に薄っぺらいから… だいたい、主人公のポールが上海で何をしたいのか、サッパリ分からない… まぁ、世界の動向を探りたいって事だとは思うんだけど、友人の振りしてドイツ軍人(じゃなくて何だったかな・・・)の妻を騙してまで、機密書類の写真を撮ってたけど、あれはどうなったのか? そのシーンのみで、その後は全くのスルー。確かにスミコと関わって殺された親友に、上海に来いと言われている回想シーンが入っていたけど、そもそもの任務は何なのか・・・ 日本でもドイツでもいいから闇雲に情報を集めろってこと? チラシには「親友の死の真相を探るため上海にやって来た」となってるけど、親友が殺されたのはポールが上海に来てからだし・・・ と、こんな感じで主要な登場人物達の任務が何で、何をしたいのかが全然伝わって来ない。イヤ、もちろんセリフなどで、例えばコン・リー扮するアンナはレジスタンスだと言われるし、父親を日本人に殺されたと言われてはいるから、抗日活動をしているのは分かる。でも、確かに仲間と連携して前述の全く大物感のない外交官達を銃撃するけれど、何か成果を上げているのか不明。映画の中で何か影響があったとすれば、タナカ大佐に疑われるくらい・・・ そもそも、タナカ大佐は大物なのか・・・ 海軍の大佐がどのくらい偉いのか分からないのは、こちらの知識不足なのだけど、チラシでは海軍を掌握しているとなっているけど、どう掌握しているのか・・・ イヤ、いくら戦争に負けることになるとはいえ、日本海軍を掌握しているのだとすれば、大物中の大物なのでは? それなのにやっていることは裏社会のボス ランティンを脅してみたり、アンナを疑っているだけだし・・・ このチョウ・ユンファ演じるランティンに至っては「裏社会のボスです」という説明のみという印象・・・。

おそらくは、開戦直前の陰謀渦巻く"魔都"上海を舞台に、騙し騙されながら愛し合う男女って感じをやりたいのだと思う。で、それぞれをスミコで繋ごうと・・・ だけど、結局このスミコがなんだったのか・・・ 単純に見ていた通りのオチなのだとして、その人物が彼女の為に全てを投げ出すとは思えない・・・ そもそもの発端となった(っぽい)コナーとの関係も恋愛なのか利害関係なのか・・・ オチに至っては唐突過ぎやしないだろうか・・・ まぁ、全く無くはないと思うけど、じゃ何であんなボロボロの阿片中毒の娼婦にしておくのか疑問。単純に彼女の方が身を隠したってことかと思えば、阿片窟で目撃されてるし・・・ アンナが命懸けでスミコを守っていたのはオチに対しての復讐のため? でも、それならいくらでも機会はあったと思うし。何故スミコを匿っていたのか・・・ 結局、スミコが握っていた秘密は、秘密のままで終わったって事? で、チラシに書いてあった「世界をも揺るがす恐るべき陰謀」っていうのは一体何? おそらくそのネタをつかみたいってことで、コナーもポールも諜報活動してたんだと思うんだけど、一番引き出したかったであろう相手からアッサリ告げられちゃって、しかも関係なかったからね。まぁ、それはそれで虚しかったってオチでもいいんだけど、そういうわけでもないし・・・
キャストはかなり豪華。キャストは良かったと思うんだけど、別にこの人たちじゃなくてもいいかなぁ・・・ でも、逆にこれだけツッコミまくってても、最後まで見れたのは、このキャストのおかげだとは思う。ジョン・キューザックは演技上手いし、好きなのに褒めるところが浮かばないなぁ(笑) イヤ、演技がダメだったわけではなく・・・ 何となく乗り切れず。タナカ大佐はやっぱり渡辺謙さんなんでしょうねぇ。演技もそうだけれど、他にスケール感のある日本人俳優がいないからなぁ・・・ スクリーン映えしてた。チョウ・ユンファはなんだか残念な役だったなぁ・・・ 一番残念かも(涙) 菊地凛子はずっと病んでる役なので上手いか下手か分からず(笑) でも、不幸過ぎる感じは良かった。変な褒め方だけど(笑) 一番存在感があったのはコン・リー。そんなに美人とも思わないけど、妖艶! 「男に自分に気があると思わせる」って言われるセリフがあるけど、とっても分かる。男性はたまらないと思う。

上海の魔都感はあったと思う。でも、割と全体的にセット感。SECOND UNITがTHAILANDとなっていたので、ロケ地はタイなのかな。別にタイ感はないけど(笑) 映像が全体的に暗くてよく見えない。うーん。個人的には乗り切れず。見ている間は退屈してしまうということは無かったけれど、見終わった感想としては、だから何だったんだろうという感じ。全く理解不能ってことではなくて、チラシの文句があまりに大風呂敷だったので、オチとのギャップが・・・ って、気づけばスゴイ辛口・・・ イヤ、辛口というより本人的にはツッコミというか、単純に疑問を書いてるだけなんだけど(笑) でも、一応謝っておく! ごめんなさいっ

諜報作戦とかスパイものという事より、親友の死の謎を追う新聞記者(ポールの仮の姿)が、妖艶な女性と恋に落ちる話として見たら楽しめると思う。そういう、映画が好きな方にはいいかな・・・ 妖艶なコン・リーが見たい方はオススメ。
せっかく、一生懸命オチ隠してたのに、予告で言っちゃってるね(笑)
