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【cinema】『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事』(試写会)

2011-08-23 01:41:30 | cinema
'11.08.12 『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事』(試写会)@ヒューマントラストシネマ渋谷

migちゃんのお誘い♪サブタイトルに"俺たち"とついてるからには、ウィル・フェレル!SHOWBIZなんかでも既に紹介されてて見たかったので、うれしい♪

*ネタバレあり?

「派手な活躍でヒーロー気取りの同僚。自分も成果を上げたいテリー。でも、相棒のアレンは危険な任務より、内勤希望の引きこもり刑事だった…」という話。おもしろかった! これはバカ映画。結果バカ映画になったのではなく、狙いに行ったバカ映画だけど、あざとくはない。イヤ、ホントはあざとい。だけど嫌ではない。これはもう完全に好みの問題。

「ネタバレあり?」となっているのは、ネタバレも何もという感じだから(笑) 刑事モノだから事件は起きるし、主人公達も捜査はする。挫折を味わいながらも、活躍するという王道過ぎるストーリーはあるものの、ウィル・フェレルとマーク・ウォルバーグのコンビをはじめとした、登場人物たちがどれだけ笑わせてくれるかってことを見る映画。だから、この笑いが合わないと全くおもしろくないと思う。ウィル・フェレルは特別ファンというほどでもないけど、『俺たちフィギュアスケーター』がすごくおもしろかったし、引きこもり刑事役っていうのが気になってた。

とにかく、ウィル・フェレルのおとぼけぶりがおかしい(笑) 刑事だけど拳銃を撃ったことがなく、騙されて署内で撃って取り上げられちゃうし(笑) ヒーロー願望なんて全くなくて、危険な任務に就くなら、人の嫌がる報告書作成でいいというタイプ。それでバカにされても気にしない。その感じが絶妙! 変なパーマに、ファッション感覚が一切感じられないメガネ、スーツもなんか古い… だけど何故か女性にモテモテ(笑) 奥さんエヴァ・メンデスだし! 相棒のマーク・ウォルバーグが嫉妬するくらい、美女にモテモテ。愛車のプリウスでlittle river bandの"reminiscing"を聴くのが大好きだけど、テリーにいつも怒られている。このlittle river bandについては、この前日に同じくヒューマントラストシネマ渋谷で行われた試写会で、トークをしたSIこと いとうせいこう氏が、"reminiscing"はいいとtwitterでつぶやいていた。ただ、その他はイマヒトツのもよう・・・ まぁ、あくまで好みの問題だけど。

多分、そういう元ネタを知っていると笑えるネタがたくさんあるんだと思う。例えば、マイケル・キートン演じる上司は、図らずもTLCの歌詞にある通りのセリフを言ってしまうけれど、これもlittle river band同様、TLC自体を茶化しているだけでなく『マンマ・ミーア』以降、やたらと作られた1バンド、もしくは1アーティストの曲を使ったミュージカルを皮肉っているのかなと思ったりする。仮に違っていたとしてもTLCを知ってた方が笑えるのは間違いない。そういう意味では監督自身が語っているように、冒頭派手なカーチェイスや銃撃戦を繰る広げるヒーロー、ハイスミス & ダンソンが、自らを過信してあっけなく殉職してしまうのも、ハリウッドのアクション映画を皮肉っているのだし・・・。

でも、あえて深読みしてまで笑えるネタを探さなくても、下ネタから知的ネタまで全編を通して笑える要素が用意されている。もちろん体を張った笑いもあり。笑いのセンスや好みは人それぞれなので、笑えるかどうかはその人次第だと思うけれど、個人的にはおもしろかった。本人達は真面目なのに、結果笑えるのが好きなので、登場人物達の感じは好み。ウィル・フェレルがまじめな顔してるだけで笑えるし(笑) 書きたい事はいろいろあるけど、コメディーはいちいち書いちゃったらおもしろくないし、そもそもおもしろかった経験って、人から聞いてもあまり笑えなかったりする。その場の雰囲気とか流れがないと楽しくない。1点挙げると、日本人としてはボロボロになっても活躍するプリウスが愛おしかった(笑) 同じくマーク・ウォルバーグ主演の『ミニミニ大作戦』(←大好き)とまではいかないけれど、頑張っているので乞うご期待!

キャストはみんな良かった。ハイスミス & ダンソンのサミュエル・L・ジャクソンとドウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)の突き抜けっぷりは、彼らがバカにしているアザーガイズ(その他大勢)以上に、実はバカである感じが素晴しい! 褒めてます! 悪徳投資家役の人、どこかで見たことあると思ったら『コーヒー & シガレッツ』のスティーブ・クーガンだった。あの映画ではアルフレッド・モリーナとの掛け合いが笑えた。この作品では普通(笑) 上司のマイケル・キートンがあくまでもまじめな普通の人であって、笑わせようとする演技ではないのに、おかしい人を演じていて絶妙。このさじ加減はさすが! 最初は全く気づかなかったくらい普通のおじさんだったし(笑) この演技は素晴しい。マーク・ウォルバーグはわりと重めの役が続いたので、コメディーに挑戦したいと考えていたらしい。どこまで本当かは不明だけど、ずっとコンビを組んでいるウィル・フェレルとアダム・マッケイ監督は、テリー役はマーク・ウォルバーグにと考えていたそうで、双方の思いが一致。今回の出演となったらしい。個人的には演技で人を笑わせることって、人を泣かせるより難しいと思っているので、コメディーに出演するということは、センスが問われると思うけれど、その辺りは良かったと思う。かなりの割合でウィル・フェレルのサポートがあったと思うので、コメディアンとしてどうかは微妙だと思うけれど(笑) カラ回りぶりは良かったと思う。バレエ・シーンは笑えた。フォロワーさんに言われるまで、忘れていたけれど(笑)

ウィル・フェレルの出演作って、多分今作と『俺たちフィギュアスケーター』だけしか見てないと思うけど、全く別人の印象。役者さんの中にはカメレオン俳優と呼ばれるように、役によって印象をガラリと変えるタイプと、自分の個性に役を引き寄せるタイプがいる。コメディアンには後者タイプが多いように思うけれど、2作を見た限りではウィル・フェレルは前者の印象。どちらのタイプもありだと思うけど、個人的には前者が好み。そういう意味でも好き。とにかく普通にPCで書類作ってるだけで笑える。引きこもり刑事だからね(笑) 長年コンビを組むアダム・マッケイ監督ともども「最良のコメディーとはストレートで、できるだけリアルに作られたものだ」と考えているとのこと。小さく目立たない事件が、金融業界を揺るがす事件へ発展していく感じを、オトボケで演じている。もちろん綿密に計算している。だから、おもしろい。

もしかすると、パロディとか皮肉とか深い意味があるのかもしれないけれど、難しいことは考えずに楽しめた。事件は一応解決するけど、真相とかどうでも良くなっちゃって、ぼんやりとしか覚えていないし(笑) 見終わって何かが残るということはないけど、たまには何も考えず笑えるのはいいことかも。

前にも書いたけれど、笑いのセンスは人それぞれなので、必ず笑えますとは言えない。なのでオススメするのは難しいのだけど・・・。うーん。MJ(みうらじゅん)好きな人は好きなんじゃないかな(笑)

あ、そうそう! 公式サイトがおもしろい! サミュエル・L・ジャクソン & ザ・ロックの写真に矢印入りで"ドヤ顔"とか書いたりしてる(笑)


『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事』Official site


コメント (6)
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