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【cinema】『ライフ いのちをつなぐ物語』(試写会)

2011-08-28 03:08:35 | cinema
'11.08.21 『ライフ いのちをつなぐ物語』(試写会)@よみうりホール

yaplogで当選。いつもありがとうございます! これは見たかった。動物は好きだし、今こそ見るべきな気がした。

一部ネタバレありです

『アース』『オーシャンズ』に続きBBCが製作した地球ドキュメンタリー。今作では全大陸で撮影、地球制覇したとのこと。見たかった理由はこの地球制覇と、技術の進歩により撮影可能になったという、動物達と同じ目線という映像。この映像は良かった! 迫力があるというだけじゃなくて、まるで自分もその動物になったように感じることができる。実はこの視点って大事なんじゃないだろうか… 人間も動物であって、地球は人間だけのものではないということは、ネイチャーものの映画なり、ドキュメンタリーなど見ていると感じることではあるけれど、彼らの日々の営みを俯瞰で見ていたのでは、やっぱり上から目線になってしまう。もちろん、俯瞰で見ることも大切なのだけど…

動物達と同じ目線で見ると、同じ気持ちになれるとまでは言わないけれど、初めて見る動物からおなじみの動物まで、彼らの知らなかった姿を間近に見ることができる。時にコミカル、そして時に過酷。早い段階で紹介されるニホンザル。厳しい寒さをしのぐため、温泉に入るシーンは、日本人にはおなじみの姿。ニホンザルのウットリした表情が微笑ましいけれど、実は入浴できるのは強い一族のみ。それ以外の者は温泉の近くで抱き合って寒さに耐えるしかない。知らなかった・・・。ウェッテルアザラシは見渡す限り何もない雪原で子供を生む。子供を狙う外敵がいないから。でも、遮る物がないので、猛吹雪の中、母親の体のみを楯にして、耐えなければならない。この試練を乗り越えられるかは、子供の体力にかかっている。アイベックスという小型のヤギのような動物も、敵から守るため断崖の上に子供を生む。子供達はエサを得るために、この危険な崖を降りなければならない。途中でオオカミに襲われれば、足元もおぼつかない断崖を駆け上り、逃げなければならない。一瞬の判断を間違えれば命はない。こんな過酷で死と隣り合わせの状況の中、地球のどこかで生きている。だったら、人間が生きることに悩むのは当然なのかも・・・。



肉食獣の狩は画的にインパクトがあるので、同行の母親などは完全に襲われる方目線で、「かわいそう」などと言うけれど、肉食獣にも子供はいるのだから、生きるために捕食しなければならないのは当然のこと。この映画でもチーターの狩のシーンが出てくる。走るのは速いけれど、アゴの力が弱いチーターの殺傷能力はやや劣る。そこでチーターはある作戦を考える。作戦自体は伏せるけれど、チーターは狩に成功する。獲物を食べるシーンなどはあまり映らないので、母親のような方や、お子様でも大丈夫! 作戦を考えるといえば、シロテナガサルはコミカル担当。大好物のヤシの実を食べるには、固い殻を割らなくてはならない。そこで彼らが考えたのは、岩の上にヤシの実を置き、大きな石を打ちつけて割るというもの。これがスゴイ。本当に見事に割る。でも、それは子供の頃からの積み重ね。失敗を繰り返す子供達がカワイイ。頑張れ! ケニアの草原に住むハネジネズミは、天敵のヘビから逃れるため、自ら作った逃走経路をしっかり記憶。急な曲がり角を作ったり、ジグザグ走ったりしてヘビを巻く。それをハネジネズミの目線で見られるので、必死さが伝わってくる。そして逃げ切った時は、よかったねと思ってしまう。ヘビはかわいそうだけど・・・。 逃げ切った時のうれしさは、ケープシロカツオドリアカハシシネッタイチョウが一番かも。父親達は巣で待つヒナ達のために海に潜り魚を獲る。それを運ぶ途中で待ち構えるカモメだったかな? 餌を横取りするため。きたないぞー!(笑) 必死に逃げるアカハシシネッタイチョウ。ものすごい攻防戦。逃げ切って巣に戻ってきた父親の映像が、個人的にはベストショット。命をかけて家族を守る父親、カッコイイ(涙)



ストレートなメッセージを伝える、日本版ナレーションは松本幸四郎 & 松たか子親子。正統派で真面目な印象ゆえに、やや説教っぽい部分もあるけれど、きちんとした発声で分かりやすい。

紹介した動物達はほんの一部。映像の美しさは相変わらずで、見応えがある。ただ、前2作を見ているので若干その迫力に慣れてしまっている部分はある。やっぱりインパクトとしては最初に見た『アース』の方が大きい。だけど、震災を経験し、世界的な不況など不安でいっぱいの中、動物達の生きる姿には励まされる。そこにテーマをしぼったのは良かったと思う。彼らが生きているのは、いのちをつなぐため。本当は人間もそう。ただ、人間の生涯はちょっと複雑になってしまっただけ。それは楽しく素晴しい面も多いのだから、辛い事にも耐えなきゃならない。時には理不尽や不条理にも耐えなきゃならないと、動物達が教えてくれた気がした。

と、複雑なことを考えなくても、全大陸で撮影された美しい映像や、めずらしい動物達を見るだけで楽しいし、癒される。とにかく動物達がかわいい。オススメ。残酷なシーン(個人的にはそれも自然の姿だと思うけれど)はあまりないので、お子様と是非!


『ライフ いのちをつなぐ物語』Official site


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