

『コズモポリス』難解




「若くして巨万の富を築いた投資家エリックは、人民元の投資に失敗。財産を失おうとしている。散髪しに床屋に行かなくてはならないと思った彼は、トイレはもちろん、健康診断もできる医療機器を搭載したリムジンでNew Yorkの街を走る。大統領の移動と重なってしまったため、車はほとんど進まない。そんな中、様々な人々がリムジンに乗ってくる・・・」っていうあらすじは全然上手くない!でも、何と書いていいのやら・・・ とにかく混沌としているというか・・・
うーん・・・ これはね(笑) デヴィッド・クローネンバーグ監督作品。クローネンバーグ作品は『イグジステンズ』と『危険なメソッド』しか見ていない。独特の世界観のある監督とのことなので、おそらく自分が見た2作品はまだ入りやすい方なんじゃないかと勝手に推測。クローネンバーグ好きといえば『裸のランチ』らしいけれど、かなり難解らしいので、手を出していない(笑) なので、あまり偉そうなことは言えないのだけど、『危険なメソッド』はちょっと不思議な感覚はあったものの大丈夫だったし、『イグジステンズ』はおもしろかった記憶がある。あの、気持ち悪いゲームとかも好きだったし!
ということで、今作はどうかな?と思いつつ見てみたのだけど・・・ 主役はロバート・パティンソンで、マチュー・アマルリック、ジュリエット・ビノシュ、サマンサ・モートン、ポール・ジアマッティと豪華キャスト。華やかな感じはないけど豪華だよね?(笑) 彼らが代わる代わるリムジンに乗り込んできては、主人公と話をしたり、セックスしたり・・・ 果ては健康診断までしちゃう。"他人"は自分のテリトリーに入って来る、もしくは受け入れているのに、最近結婚したばかりの自分の妻に会うときはいつもリムジンの外。妻を見かけては自分が彼女の方へ出向き、都度食事に誘うけれど、全く弾まない会話を繰り広げる。エリックが妻に言うのは毎回「セックスしよう」だし(笑) で、とうとうこの妻は破産する夫に対して、資金援助はするけれど、夫婦関係は終わりにしようと告げる。美しいけれど無表情な妻。まぁ、登場人物はほぼ無表情だけど・・・
多分この辺りのこととか、エリックの体の一部(映画としては重要だと思うのですが、不適切な言葉ということで記事が表示されないので伏せます


ドン・デリーロの原作は未読なので、どこまで忠実なのか分からないけど、やっぱりこれはクローネンバーグ節なのかな? 今作含めて3作しか見てないから分からない・・・ セリフはとっても詩的というか哲学的というか美しい言葉なのだけど、難解で字幕を追っているだけでは頭に入ってこない。詩的で美しくても合う合わないってあるのかも・・・ っていうか自分がバカなだけか(o´ェ`o)ゞ
最初はスーツにネクタイ着用だったのに、ネクタイを外し、上着を脱ぎ、ボディーガードまで殺してしまう。そして、リムジンを降りる。どんどん武装解除していき、最後に向き合う男は自分の分身ってこと? うーん・・・
ということで、モヤモヤしたまま終わってしまったのは、エリックがどうなったのか分からないまま終わったからだけではなく、全体的にモヤモヤ(笑)
キャストたちは全員不思議な雰囲気を漂わせて良かったと思う。ポール・ジアマッティの狂気は良かったと思う。ほんの数分出演で、しかもほぼアップのないマチュー・アマルリックも嬉々として演じている感じ。サマンサ・モートンの太りっぷりにビックリ! もともとスタイルのいいタイプじゃなかったけどあれは・・・ と、失礼だね




ということで、なんだか中途半端な感想だけど、もう1回見る勇気はないのでこんな感じで終了!( ・Θ・)ゞピヨッ
