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【cinema / DVD】2019年5月鑑賞まとめ

2019-06-11 23:45:36 | cinema / DVD

🎬【cinema / DVD】2019年5月鑑賞まとめ🎬

 

鑑賞レビューを書く時間がないDVDやTVで鑑賞した映画の記録を残しておきたいってことで、レビュー投稿している映画サイトcocoの投稿をもとに残しておく企画。

 

ということで感想をドゥゾ♪(っ'ω')っ))



#83.『アベンジャーズ/エンドゲーム』@TOHOシネマズ錦糸町(2019年5月1日鑑賞)

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『アベンジャーズ/エンドゲーム』時々落ちかけたけど、3時間あっという間。

見てないシリーズもあるので、分からない部分もあったけど楽しめた。

犠牲もあるので爽快!とはいかないけど、着地点としてよかった。

最後を映画館で見届けてよかった😊


『アベンジャーズ/エンドゲーム』スタンリー出ててうれしい😭



#84.『オーシャンズ8』@WOWOW(2019年5月2日鑑賞)

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『オーシャンズ8』メットガラが舞台だったり、

対象も宝石だったりと女性ならでわで華やか✨

キャストも豪華で本人役で出演するセレブも多数と、見ていて楽しい。

でも、なんとなくパンチが足りない気がしなくもない。

ケイトブランシェット素敵😍



#85.『赤毛のアン グリーンゲイブルズへの道』@WOWOW(2019年5月2日鑑賞)

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『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』テレビシリーズの再編成版。

アンがグリーンゲイブルズに引き取られるまでなので、続きが見たくなる。

とても丁寧に描き込まれていて、風景などは絵画のよう。

子供たちにはこういう作品を見て欲しい!


#86.『友罪』@WOWOW(2019年5月6日鑑賞)

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『友罪』原作どおりかもしれないけど盛り込み過ぎな気がする。

山内の問いかけが重要なのは分かるが比重が大きく、

美代子も不幸過ぎてそちらに引っ張られてしまう。

同じテーマなら『BOY A』の方が真っ向勝負。

瑛太はじめ役者は良い。


#87.『マクベス』@WOWOW(2019年5月6日鑑賞)

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『マクベス』原作未読。

ザックリこんな話という理解で見たので、どの程度忠実なのか分からないけど、

映像がとても好きだった。

全体的に暗い雰囲気で、荒野っぽい自然も良かった。

キャストも良かったと思うけれど、なんとなく物足りなさも感じる。


#88.『ボストン・ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』@WOWOW

(2019年5月7日鑑賞)

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『ボストン ストロング〜ダメな僕だから英雄になれた〜』

サブタイトルが全てを表している感じ。

辛い時人はヒーローを求める。

でもヒーローにされてしまった側も辛い。

考えさせられた。

キャストは皆良かった。ジェイクギレンホールがスゴイ!


#89.『否定と肯定』@WOWOW(2019年5月8日鑑賞)

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『否定と肯定』実話ってビックリ😲

本当にないと信じているのか洗脳しようとしているのか?

訴えられた側に立証責任があることに驚くけど、それを逆手に取った弁護が見どころ。

役者たちの演技がスゴイ!

特にトムウィルキンソンが素晴らしい👏


#90.『ゴッホ ~最期の手紙~』@WOWOW(2019年5月9日鑑賞)

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『ゴッホ~最期の手紙~』ゴッホ最期の手紙をイヤイヤながら届けることになったのに、

次第にその死の真相解明にのめり込んでいく過程を、

ゴッホタッチのアニメで見せるのおもしろかった。

役者の顔でありつつゴッホの絵みたいだった。

話は普通😌


#91.『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』@WOWOW(2019年5月10日鑑賞)

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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』行き場がなくモーテルで暮らす母娘。

母娘をどう捉えるか。

おそらく酷い家庭環境で育っただろう母。負の連鎖。

でも同情だけでは向き合えない。

ラストのアレが逆に切ない。

ウィレムデフォーが良い👍🏻


#92.『火垂るの墓』@WOWOW(2019年5月12日鑑賞)

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『火垂るの墓 (1988)』悲しい話。

でも、おばさんはいい人とは言い切れないが、食事はさせてるし布団で寝かせてもいる。

そこで辛抱できなかったことが最大の悲劇かも。

節子の無邪気な明るさが悲しい😢

当時5歳の白石綾乃がスゴイ👏


#93.『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』@WOWOW(2019年5月15日鑑賞)

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『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』

社会から疎外された2人が、不器用に愛を育む。

その中でモードは絵の才能を開花させていく。

人気画家になっても自分たちらしい質素な生活を貫く2人が素敵。

映像が美しく、主演2人が素晴らしい👏



#94.『コレット』@TOHOシネマズシャンテ(2019年5月18日鑑賞)

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『コレット』名前のみで良く知らなかった。

結婚前から書いてたのかと思ったら、キッカケは夫を支えるためで、共同作業でもあった。

でも、バランスが崩れそれだけでは済まなくなった。

その心の動きをキーラナイトレイが見事に表現していた。


『コレット』クロディーヌシリーズが社会現象になる感じはおもしろかったし、

新婚当初は地味な田舎娘だったのに、流行を作り出す存在となり、

ついには前衛的な感じになるのも興味深かった🧐

しかし夫公認の恋人とかビックリ😳

映像がキレイだった。


#95.『ホテル・ニューハンプシャー』@WOWOW(2019年5月19日鑑賞)

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 『ホテル・ニューハンプシャー』有名な作品なので期待値上がり過ぎたかな😅

思っていたのと違ってビックリ😲

原作もこんな感じなのかな?

重くも出来る内容をコミカル演出するのは狙いだとして、

ハマる時もあるけど今作は自分には合わなかった。


#96.『ウィンド・リバー』@WOWOW(2019年5月20日鑑賞)

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 『ウインド・リバー』サスペンスだと思って見たらズッシリ重い作品だった。

謎は解けるけれどスッキリ解決しないし、根本的な問題が残るネイティブアメリカンの現実が辛い。

でも、そこを伝えることに意味があるのでしょう。

ジェレミーレナー良かった。


#97.『女は二度決断する』@WOWOW(2019年5月21日鑑賞)

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 『女は二度決断する』スッキリしないラストは予想していたけど、まさかの展開でビックリ😳

たしかに主人公は品行方正とは言えないけど、あんな結果になるとわ。

毎回思うが弁護士って勝てば何でもいいのかね?

ダイアンクルーガーがスゴイ!


#98.『モリーズ・ゲーム』@WOWOW(2019年5月23日鑑賞)

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 『モリーズ・ゲーム』これ実話ってスゴイ😳

カードゲームはサッパリ分からないけど、見せ方に工夫があって楽しめた✨

寝る間も惜しんでガンガン突き進むヒロインは、ジェシカチャステインのハマり役!

絶対的存在の父親ケビンコスナーも良かった。


#99.『ガーディアン 偽りの守護天使』@WOWOW(2019年5月26日鑑賞)

Twitter投稿

『ガーディアン 偽りの守護天使』WOWOWジャパンプレミア。

フィンランド、デンマーク、クロアチア製作だけど

セリフ英語なのは主要な役でジョシュルーカス出てるから?

実話ベースで洗脳とか催眠術とか面白いけど、主人公に魅力がなく乗り切れず😣

嫁大活躍!

サラソウリエとジョシュルーカス良かった


#100.『ブリムストーン』@WOWOW(2019年5月27日鑑賞)

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『ブリムストーン』長尺で辛いことしかないのに一気に見てしまう。

ベースにはキリスト教があるのだろうし、

女性蔑視や知識不足からの偏見なども描きたいのだろうが、牧師が異常過ぎてホラー😱

ガイピアース、ダコタファニングが良かった😌 

 

#101.『ローサは密告された』@WOWOW(2019年5月30日鑑賞)

coco投稿

 『ローサは密告された』ドキュメンタリーかと思うくらいリアル。

家族を養うためにしたことが、子どもたちを苦しめることに😢

因果応報と言うには警察がひど過ぎる😣

まぁ、そこが描きたいのでしょう。

ラストのローサの表情がいい。

絶望的な孤独感。



といことで、5月は19本鑑賞。普通かな。劇場鑑賞は2本で5月も試写会はなし😢 試写会全然当たらないわ~💦 しかし5月も終わって6月も中旬ですよ💦 これじゃあっという間に年末になっちゃう💦💦 

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【tv】100分de名著「平家物語」(第4回)

2019-06-11 00:29:51 | tv

【tv】100分de名著「平家物語」(第3回)

死者が語るもの

 

 

1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。5月は「平家物語」(Wikipedia)で、講師は能楽師の安田登氏。今回はその第2回。第1回の記事はコチラ。第2回の記事はコチラ。第3回の記事はコチラ

 

平家が滅亡していく。一ノ谷の戦い(Wikipedia)、屋島の戦い(Wikipedia)、壇ノ浦の戦い(Wikipedia)が行われ名場面がある。例えば源義経(Wikipedia)の鵯越。逆落とし。那須与一(Wikipedia)の扇の的などが語られるが、今回は敗者の最期を見ていきたい。


平敦盛の最期に注目

 

平敦盛(Wikipedia)は平清盛(Wikipedia)の弟平経盛(Wikipedia)の三男。一ノ谷の戦いで熊谷次郎直実(Wikipedia)に討たれる。一ノ谷は堅固な場所だった。前に海が広がり、牛尾は山があり絶対大丈夫だと思っていたら、義経が上から落ちて来た。これで兵士が敗走してしまい、海には助け舟という船があって、ここに敦盛も馬を走らせ海を泳ぐが、そこに現れたのが源氏の武将熊谷次郎直実。

 

朗読意訳:葦毛の馬に金覆輪の鞍を置いて乗った武者一騎が、沖の船を目がけて海に乗り入れ泳がせているのを熊谷が「大将とお見受けします。卑怯にも敵に後ろを見せるのですね。戻りなさい。」というと戻って来た。

 

戻って来た武将をなんなく組み伏せた熊谷次郎直実。武将の顔を見ると薄化粧をした若く美しい少年だった。直実は自分の息子小二郎を思い出してしまう。

 

朗読意訳:小二郎が軽いけがを負っても辛いのに、この殿の父が我が子が討たれたと聞いてどれほど嘆くだろう。助けたい。

 

直実は武将を助けようと名をたずねるが彼は名乗らない。自分を討てば手柄になるから首を取れと言うばかり。そうしているうちに源氏の兵が大勢コチラに向かってくるのが見えた。

 

朗読意訳:助けたいと思うけれど味方の軍勢がいるから逃げられないだろう。他の者の手にかけられるより自分が手に掛けて死後供養しようと言うと、さっさと首を取れと言った。熊谷は迷うけれどそうしてばかりもいられないので泣く泣く首を斬った。(巻第九 敦盛最期)

 

この若武者が平敦盛であることを知った直実は間もなく出家して敦盛を弔った。

 

伊集院光氏:いいシーン。当時の死の価値観が伝わる。助け舟に乗ろうとしている姿を罵倒された。そんなことを言われて生きるよりはということ。その後の2人の心の複雑な・・・


平敦盛のシーンは有名だよね。結果、討たれてしまうけれど、ズッコケぶりが続いていた平家の男たちの中ではしっかりした若者な気がする。美少年であるというのも悲劇を倍増している。とはいえ、戦に薄化粧して行くのは当時の習わしなのかしら? これも貴族化を表現しているのかな?


第1回の時、重盛が儒教(Wikipedia)の考え方を入れたという話をしたが、実はこの場面もそうである。儒教には「忠」と「恕」という考え方がある。両方とも心がついている。


=一度決めたことはする。 ⇨熊谷としては平家を討つ

=相手と一体化する気持ち


この少し前に直実の息子がケガをしている。その時自分はとても苦しかった。もし自分がこの子を討ったら彼のお父さんはどう思うのだろう。直実は敦盛というより敦盛の父親に恕の心を持った。実は儒教の祖である孔子が「忠」と「恕」どちらも最も大切にした言葉。ただ、葛藤した場合孔子は「恕」の方が大切だと言っている。


伊集院光氏:そう考えるととてもおもしろいのは、最初討ちたいのは「忠」で、まだ子供じゃないか親はどう思うんだで「恕」の方に寄って、その後の複雑な感じは酷い殺され方をするよりはと彼自身に「恕」の心を持つようになる。その絡み合いがいい。


たしかに熊谷次郎直実の心の動きはとても共感できる。親になったことのない自分でもよく分かるのだから、子供がいる人はより共感できるのではないか。この辺りも読み継がれる理由なのかな😌


『平家物語』には解決しない問題が多いが、世の中はたいていがそうである。だからこそ現代の私たちにも大きな魅力となり伝わっているのではないか。


平家の運命を大きく変えたのが当時ならでわの「忠」の考え方。「返り忠」という言葉がある。返り忠=裏切り。『平家物語』の中にはよく出て来て、あまり悪いこととは扱われない。そんなに悪いことではなかった? 

 

「返り忠」が壇ノ浦で起きる。平家は豪華な唐船と質素な兵船を用意。当然、唐船に安徳天皇(Wikipedia)と三種の神器(Wikipedia)が乗っているだろうという裏をかき、兵船に乗せて源氏が唐船を狙っている隙にやっつけようと考えた。ここに「返り忠」が出てしまう。阿波民部重能(Wikipedia)。重能の子供は源氏に人質にされていた。それを知った清盛の四男平知盛(Wikipedia)は、清盛の三男平宗盛(Wikipedia)に重能が「返り忠」しそうだと言う。あろうことか宗盛は重能に直接「返り忠」するのかと聞いてしまう。当然しませんと言う。知盛は刀に手をかけて宗盛を見てGOサインを待つが、宗盛は全く気付かない。結局、重能によって作戦がバレて平家一門と安徳天皇が身投げをすることに。

 

もう宗盛にはガッカリ😞 この重能に直接聞いてしまうと言われた時の伊集院光氏と安部アナウンサーの失笑ぶりが😅 まぁキャラ設定時にデフォルメされた部分はあるのかなとは思うけれど、そういう要素があったことは間違いないんでしょうね。それに対して知盛はちょっと素敵✨

 

もはやこれまで平知盛から敗戦を聞かされた清盛の妻二位殿(Wikipedia)は覚悟を決めてまだ八歳の孫安徳天皇を抱えて船べりに立った。安徳天皇は問いかける。

 

朗読意訳:驚いたご様子で「尼ぜ、私をどちらに連れて行こうというのだ」と仰せられたので、「この国は悲しい嫌な所ですから、極楽浄土へお連れ申し上げます」と泣きながら申し上げると、幼帝は山鳩色の御衣に角髪(みずら)をお結いになって、涙を流されながら小さな手を合わせ、東を伏し拝み、伊勢神宮にお暇を申され、西に向かってお念仏を唱えられたので、二位殿は直にお抱きして「波の下にも都がございます」と申し上げ、深い深い海底にお入りになる(巻第十一 先帝身投)

 

次々と身を投げる平家の武将たち。一方、平宗盛は死ぬ覚悟が出来ず、見かねた部下たちから海に突き落とされてもついつい泳いでしまう。結局、息子と共に源氏に捕えられてしまう。こうした様々な平家の終わりを見届けたのが平知盛。「見るべき程の事は見つ」と知盛は鎧を二重に着て乳母子と手を取り合い海に飛び込んだ。海を覆わんばかりの平家の赤旗。壇ノ浦の戦いでついに平家は滅亡した。

 

 伊集院光氏:唯一救いは二位殿がお念仏を唱えさせたし、安徳天皇は驕りもしていない人だから、そこだけはほんの些細な救い。

 

平敦盛の死と共に安徳天皇の悲劇は、読者にとって一番胸打つシーンだと思う。政治の犠牲になった幼い帝が、自分の運命を受け入れお念仏を唱えられるシーンは、メモ取りながら見ていても涙が出た😭

 

安部みちこアナウンサー:平宗盛のことはどう思いますか?


伊集院光氏:宗盛は人間らしいと言えば人間らしい。つい泳いでしまうんですか?😅 安徳天皇の悲しさと、いろんな性(さが)を描くにあたり、間抜けであることも演出として入っていると思う。

 

能と狂言で組。深刻な能と?(聞き取れず😢)な狂言。狂言のような宗盛。

 

死ぬ覚悟が出来ずに見かねた部下に海に落とされたにも関わらず泳いでしまうってコメディだよね?😅 実際、宗盛は源氏に捕えられて首をはねられたそうなので史実に基づいているのだろうけれど、悲劇ばかりでは辛いので緩急つけたという部分もあるのかも🤔

 

"見るべき程の事は見つ"(巻第十一 内侍所都入)

 

いろんな人が海へ飛び込んでいって、それを見ながら船端に立っている。知盛の頭の中にはこれまでの平家の歴史が渦巻いていたのでは? 全ては見た。

 

 伊集院光氏:全部平家が終わったというところまで見てよしということ。

 

今なら許されるだろうと自害する。

 

一方、知盛のカッコよさ! 前述の「返り忠」の件もそうだけれど、二位殿に最期を告げに行ったのも知盛で、これは安徳天皇にご立派な最期をという思いからだと思うし、自分の最期にしても平家の最期を見届けて逝くという。平宗盛でなくこの人が長であればもう少し違う方向に行ったかもしれないのに😢 その辺りが諸行無常ということなのかしらね。

 

何故平家の最期を克明に語るのか?

 

死を克明に語ることは、最も大きな死者への鎮魂。今でもお通夜で亡くなった人のことをよく語る。それにつながるもの。死者の記憶が自分たちの中に残る。

 

【建礼門院と後白河法皇】

 

平家滅亡後も少し物語は続く。『平家物語』は全十二巻だが「灌頂巻」というのがあり、その主役は建礼門院徳子(Wikipedia)。清盛の娘で安徳天皇の母。安徳天皇が入水し、徳子も身を投げるが源氏に助けられてしまう。大原の寂光院(京都大原 寂光院)に隠居し平家一門を弔う生活をする。

 

生き残った建礼門院は京都大原の寂光院で息子の安徳天皇や平家の人々を弔う毎日を過ごす。そんな徳子のもとをある日後白河法皇(Wikipedia)が訪れる。

 

何故、後白河法皇は建礼門院を訪ねた?

 

後白河法皇はいろんなことをしたが、結局は院政復活にならなかった。長く続いた貴族の時代から武士の時代へ変わってしまった。そのやるせなさをもって建礼門院のもとに行ったのでは?

 

 伊集院光氏:先週からずっと後白河法皇はどうなる?ってことが気になっていた。黒幕みたいな人。全部あなたの命令で、あなたに翻弄されたんですよ!ってことだけど、後白河法皇が時代のようなものに翻弄されている。

 

ホントこれ! 平家の滅亡には驕りがあったことは間違いないけれど、後白河法皇の暗躍のせいでもあったわけだよね。後白河法皇としては自分の保身だけではなく、貴族の世を守りたいという思いもあったのかもしれないけど、それにしたって暗躍し過ぎ😫 とはいえ、後白河法皇にしてもキャラがデフォルメされてる部分もあるのかしらね?🤔


建礼門院に話を聞いて欲しいのか?

 

そのつもりはない。話を聞くことにより聞いてもらってしまっている。後白河法皇がある質問をする。建礼門院は、六道(天道、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道)全てを経験したと語る。平家の栄華から滅亡まで全て見たという話をする。

 

能の話とは旅人がある場所に行くと誰かと出会う。実はこの人が幽霊で質問をする。するといろんな話をする。幽霊が本体を現わして、もっといろんな話をしてちょっと安心して帰っていくのが能のストーリー。大事なのは質問すること。質問することを「とふ」と言う。「とふ」=問う。質問に答えるのでカウンセリングのようだと言われる。カウンセリングとの大きな違いは旅人が自らその場所に行く。訪も「とふ」と言う。訪問して「とふ」、質問して「とふ」、そして語り出すと弔いになる。弔う「とふ」という。

 

「灌頂巻」は後白河法皇による平家の鎮魂の物語であり、鎮魂したはずの後白河法皇が最も鎮魂されている。

 

伊集院光氏:平家の生きざまと死にざまを全て書いた。その中に私はいましたと彼女に言わせる。まぁ鎮魂ですね。全部に対する鎮魂。

 

この後白河院の訪問というのは本当にあったのかしら? 寂光院に行ったことある(記事はコチラ)けどよく分からない。ここは創作なのかな? 創作だとすると説明どおり鎮魂の意味を込めて描かれているのでしょうかね😌

 

そして建礼門院の命が尽きる。

 

朗読意訳:こうして年月を過ごしているうちに女院は病気にかかられたので、中央の阿弥陀如来の手に掛けた五色の糸をお持ちになって、お念仏を唱えられた。大納言佐局(Wikipedia)と阿波内侍(阿波内侍(あわのないじ)とは-コトバンク)は女院の左右に付き添って今が最期と声も惜しまず泣き叫んだ。お念仏の声が次第に弱ったところ、西に紫の雲がたなびいて、すばらしい香りが室内に満ち、音楽が空で聞こえる。寿命は限りがあるので、建久二年二月の中旬にご生涯が終わりになった(灌頂巻 女院死去)

 

伊集院光氏:ちゃんとお念仏を唱えて亡くなっているんですね。

 

『往生要集』(Wikipedia)の中の臨終行儀。亡くなる人がいた場合、阿弥陀様の手から五色の糸を伸ばして手に握らせて、お念仏を唱えて亡くなるという行儀がある。最後に紫雲が漂ったのは極楽往生できましたというしるし。

 

紫の雲がたなびいて、すばらしい香りが室内に満ち、音楽が空で聞こえというのは如来来迎(Wikipedia)を表しているのかな? 平安時代には阿弥陀信仰(阿弥陀信仰(あみだしんこう)とは-コトバンク)が流行ったんだよね。亡くなる時には阿弥陀様が西方浄土から迎えに来て下さるのだけど、その際二十五菩薩を従えて音楽を奏でながら来て下さるんだよね🤔

 

その他補足として阿波内侍は怨霊で有名な崇徳天皇(Wikipedia)に寵愛された女官だったそうで、この方が大原女(Wikipedia)のモデルと言われているのだそう。そういえば寂光院でそんな表示見たような気がする。寂光院が当時と同じ規模なのか分からないのだけど、こじんまりとしたお寺だった。大原って今でも京都駅付近から40~50分くらいかかる場所で、三千院(天台宗 京都大原三千院)とか有名なお寺があるけれど、寂光院の辺りはそんなに開けているわけでもない。敗者の身内とはいえ中宮となり女院である人が、こんな場所にいらしたのかと思うと感慨深いものがある😢

 

最初に"祇園精舎の鐘の声"とあったが、最終章「女院死去」の冒頭"さる程に寂光院の鐘の声、けふも暮れぬとうち知られ"とあり鐘の声が対になっている。

 

伊集院光氏:スゲー! これはスゴイ完成度。諸行無常の響きがあるんだと教わった。その諸行無常がずーっと書かれて、最後の最後に亡くなった日の鐘の描写。それをシンクロさせるんですね?

 

たしかにこれはスゴイ! 第1回の説明では作者は不明で、琵琶法師に語り継がれて付け足されて作られたのではないかとのことだった。でも、冒頭と終わりをシンクロさせているのであれば、これは明確な意図を感じる。たしかに付け足された部分はあると思うけど、やっぱり大元は誰かが考えたのじゃないかな🤔

 

名作である理由は?

 

あの時代だけの物語じゃなくて、普遍的な物語だと思う。どんな人も驕ってダメになっていく。そして常に死者が現れる。この死者の思いを聞くことは今も大事。

 

伊集院光氏:オールマイティな書。ビジネス文書でもあり、教育書でもあり、ドラマとしてもおもしろい。

 

日本語に「思い出」という言葉があるが、思い出というおは思い出すとは違う。思いが出てしまうのが思い出。『平家物語』を読みことにより平家の武将たちが体に入って来てある時ふっと出る。「思い出」の物語が『平家物語』。そのために必要なのが声を出して読むこと。

 

イヤ、ホントにおもしろかった! いわゆる有名な鵯越とか那須与一の部分とかエンターテインメント的な部分は省いてもこのおもしろさ。現代語訳があるのであれば読んでみたいと思う(・∀・)ウン!!

 

100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50 Eテレ

100分de名著

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