まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

別れる切れるは芸者の時に...

2006-08-25 | 北米映画 00~07
 元市長が逮捕されるという衝撃のニュースに、いまmy hometownは揺れています。
 消防局の局長らと計らって、職員採用試験の結果を操作し、不正に何人かを合格・採用させたという、あきれた事実。
 まじめに勉強して試験を受けた人が可哀想だし、市民をナメてるとしか思えません。フツーの老人に見えた元市長も、こーなると時代劇の悪代官に見えてくるのも、不思議です。
 でもこんなの、氷山の一角だろうなあ。発覚して大騒ぎになったことを、捕まった市長や局長は、理不尽にすら思っているかも。俺たちのやったことなんて、昔から当たり前のことなのに!もっと悪どく甘い汁を吸ってる奴らは、ごまんといるのに!と、さぞホゾを噛んでいることでしょう。
 もし、おいしい人生を享受できる権力を手にできたら、不正や不平等に非難ごうごうしている私たち小市民の中で、どれだけが清廉で潔癖でいられることでしょうか。私には、自信はない。甘い汁、吸いてぇ~!

 「SAYURI」
 芸者じゃなくて、GEISHA!いちおう日本がモデルになってるだけの、ハリウッドが創り上げた、ワンカさんのチョコレート工場以上に摩訶不思議な、異次元ワンダーワールド。そう思って観ると、洋画にありがちなワケのわからない日本&日本人描写にも、腹は立たないし失笑することなく楽しめます。
 面白かったです。秘密めいた官能と淫靡な世界である日本の花街も、ハリウッドの手にかかれば、単純で分かりやすいド派手&ロマンチックなサクセス物語になるんですね。ドロドロした退廃的な女の人生地獄ストーリーじゃなくて、良かった!
 芸者は娼婦じゃないから、陰惨さや悲痛さが薄い。邦画の大怪作「吉原炎上」に比べたら、天国と地獄!
 いまや、世界が嫉妬する亜細亜映画界の王女さまに成り上がった、チャン・ツイイー。
 日本の女優を差し置いて、なぜ中国人の彼女が!?と、いろいろ言われたけど...彼女で良かったのでは?ていうか、情けないけど日本には確かに、あの役をこなせる女優はいないし。伊藤ミサキとか仲間ユキエじゃ無理でしょ。さすがツイイーちゃんは、中国のエリート演劇大学で厳しく鍛えられた女優なので、モデルやタレントあがりの、日本の自称女優たちとは、基本的な身のこなしだけでも違いが歴然としてる。
 顔は可愛いけど、性格や芯はキツい娘役は、まさにツイイーちゃんのオハコ。
 過酷な運命や状況に泣くメソメソ女でも、他人のことを思いやりすぎて損するお人よし女でもない、かといって、私がんばるモンな張り切りブリっ子でもない。可憐さの中にも、冷酷なまでに強靭で、同時にニヒルな虚無感もあるところが、ツイイーちゃんの魅力でしょうか。
 ツイイーちゃん、華やかなGEISHA姿より、端女時代の粗末な着物姿のほうが、可愛かったような...
 この映画、最も楽しみだったのが何といっても、ツイイーvsコン・リーの、新旧中国2大女優の激突!
 もしかして、本気なのでは?な、二人の冷たくて熱いキャットファイトシーンが、スリリング&エキサイティング!
 執拗にツイイーを敵視するコン・リーの、仇花な色香!イヤミやイヤガラせにも、ツンとしてヤリ返すツイイーの、凛とした勝気さ!不仲説が濃厚な二人。それを裏付けるかのように、プロモーション活動には全くツーショットを見せなかった。さもありなん。やっぱ女優は、そーでなきゃ!中国だけでなくハリウッドでも、アジア女優No1の座を賭けて、覇権を争ってる二人です。仲が良いほうが変。仲良しで~す♪なんて偽善な言動をするよりも、よっぽど好感を覚えます。
 ツイイー&コン・リーに、他のアジアン・キャストは、かなりヒケをとってました。誰がやっても同じ、みたいな。
 自称ハリウッド女優・工藤ゆうきは、やっと大役を貰えて良かったネ!なのか、ヒロイン役じゃなくて可哀想!なのか...
 ツイイーの少女時代の子役が、とても可愛かった!
 
 
 
 
コメント (12)
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