まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

忠愛の男

2015-09-14 | イギリス、アイルランド映画
 アイルランド⇔日本 機内映画鑑賞記④
 「Far From the Madding Crowd」
 19世紀のイギリス西部エセックス。聡明で独立心の強い農家の娘バスシーバは、羊飼いのガブリエルに求婚されるが男は要らないと断る。叔父から遺産を相続したバスシーバは、不運な事故で全財産を失ったガブリエルを雇い、女だてらに農園の運営に乗り出すが…
 厭世的な作風で、いっとき私も魅了されたことがある英国の文豪、トマス・ハーディの「遥か群衆を離れて」の映画化。60年代にも、ジョン・シュレンジャー監督&ジュリー・クリスティ主演で映画化されています。新バージョンの今作は、お話よりも…

 ぎゃぼぼ!My イケメンレーダーがビビビ!ガブリエル役のベルギー俳優、マティアス・スーナールツが、ぶちカッチョええ~!めっちゃ男前!惚れた!冷酷な悪役も似合いそうな、端正でクールな顔。愁いある遠い眼差し。プロレスラーみたいな逞しいゴリマッチョなガタイ。そして滲み出てる男の哀愁!農夫姿が、これまた似合うんですよ~。こんなイカした農夫さんがいる農村は、嫁不足にもならず過疎化もしないのではないでしょうかマティアスみたいな農夫と結婚して、農作業と子作に励みたい!

 見た目もですが、ガブリエルのキャラも超男前なんですよ。ヒロインへの無償の愛、献身が一途で胸キュン。ガブリエルをさんざん弄び利用する(そんなつもりはないところが、返ってタチが悪い)ヒロインを、常に守り支える優しさ、力強さ。傷つけられても屈辱を受けても、怒りや悲しみなど感情をあまり表に出さない、静かなる男なところが素敵なんですよ。まさに、男は黙って…なキャラ。でもたまに、ヒロインを見つめる瞳が悲しみに翳ってたりして、キュンキュンきちゃいます。デカい犬みたいな可愛さもあったり。実際、ヒロインには便利な忠犬扱いされてるんだけど。でも、まったく卑屈なところがなく、自己犠牲も誇り高くて男らしかった。それにしても…私がガブリエルだったら、ふざけんなー!!とチャブ台ひっくり返して出ていくけどな~。あんなに誠実で献身的になれるなんて、ドMすぎると思いましたわがままで勝気な女に尽くす男、というのは何だか韓流ドラマっぽかったです。
 何度かヒロインのもとを離れようとするガブリエルですが。そのたびに、あなたがいないと困る!とか、行かないで!とかバスシーバに慌てて引き止められるガブリエル。あれ、ひょっとしてこれ、バスシーバを試してる?かけひき?と思ってしまいましたが。これがフツーのイケメンだったら、姑息な計算してんじゃねーよと不快になってたかもしれません。でも、男気あふれるマティアスからは、そんな卑しさとか小ささは微塵も感じられませんでした。

 マティアスasガブリエルに、最初から最後まで惚れ惚れな映画ですが。ヒロインのバスシーバには、まったく共感を抱けませんでした。はっきり言って、男をナメてるクソ女、バカ女ですよ。無駄に気が強くてプライドが高いところや、男なんか!的めんどくさいフェミニストキャラには、イラっとさせられっぱなし。知的で独立心が強い女気取りだけど、めっちゃ男に依存してるじゃん?!男を利用してるじゃん?!ガブリエルが、何であんな女を愛するのか不思議でした。ガブリエルを利用するだけでなく、隣家のお金持ちボールドウッド氏に思わせぶりなことをして彼を傷つけたり。さらに、最低最悪なジゴロ美男に惚れて結婚するなど、男を見る目がなさすぎ。まあ、知的ぶった女にかぎって、どーしようもないバカ男に引っかかっちゃったりしますがヒモ夫のせいで散々な目に遭うバスシーバですが、自業自得!と嗤えてしまいます。このヒモ夫が、働かんわ金せびるわDVするわな、これまた典型的なクズ野郎でトホホ。とんでもないことやらかすし。なかにし礼じゃないけど、お願いだから死んでくれ!な男です。でもまあ、どこの国にもいつの時代にも、あんなクズ男ってゴキブリのように存在してるんだよな~。

 ↑この羊さんたちが~羊のショーンもおったまげーしょんな行動を
 バスシーバ役は、「わたしを離さないで」や「華麗なるギャツビー」などの人気女優、キャリー・マリガン。彼女、いい女優なんだけど、いかんせん地味…華の必要なヒロイン役には向いてないような…男たちからモッテモテ、彼らを翻弄し破滅さえもたらすヒロインには、とうてい見えん。旧バージョンのジュリー・クリスティぐらいの美女なら、説得力ありますが。それにしても彼女、老けましたね~。たまに童顔の老婆に見えてギョっとしました。隣の富農ボールドウッド氏役は、「クィーン」などでも好演してたマイケル・シーン。彼もずいぶんシブくなりましたね~。いちばん可哀想な役でしたいちばんインパクト強烈で悲惨だったのは、ガブリエルの羊ですが。羊の集団自殺?!あんなこと、起こるんですね…
 マッツ・ミケルセンがカンヌ男優賞を獲った「偽りなき者」など、国際的に高く評価されているデンマークのトマス・ヴィンターベア監督作品。暗く厳しい運命、人間の相克など、「偽りなき者」と相通じる重さ、苦しさが。荒涼とした英国の田舎の風景も、透明感ある美しいカメラワークで撮られています。

 ↑男前!マティアス・スーナールツ。マリオン・コティアール主演の「君と歩く世界」でも、おとこ気あふれる役、演技だとか。早く観なきゃ♪もうすぐ日本公開される「ヴェルサイユの宮廷庭師」では、ケイト・ウィンスレットの相手役。エディ・レッドメイン主演の“The Danish Girl”にも出演してるみたいで、国際的に活躍中です
コメント (4)
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