gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

アレクセイ・ゲルマン監督『道中の点検』

2012-04-15 07:20:00 | ノンジャンル
 劇団ひとりさんの『そのノブは心の窓』を再読しました。以前に読んだ時には、こちらで偉そうに「批評」して相当に悪く書いていたようなのですが、今回はそんなことは全く無く、大変面白く読ませていただきました。劇団ひとりさん、申し訳ありませんでした。あらためて「批評」書かせていただきます。

 さて、アレクセイ・ゲルマン監督の'71年作品『道中の点検』をDVDで見ました。
 豪雨の中、ドイツ兵が穴の中の多くのイモに灯油をかけているのを見つめる村人たちの画面に「ドイツ兵たちが隠していたイモを掘り出し、灯油みないなものを浴びせ、それを食べた弟は死んだ。村に戻ってきたドイツ兵は娘たちを引きずり出し、それに協力する町長に刃向かったうちの嫁は拷問に会った。パルチザンをなくすため、食糧を全部持っていかれて村は住めなくなった」と語る女性のナレーション。牛を貨車に積み込むドイツ兵。タイトル。豪雨の中のドイツ兵の行列を銃眼で見張り、銃撃で皆殺しにするパルチザン。隊長が家に入ると、子供を3人抱え亭主に逃げられたという女性が、出ていってくれと泣き出します。
 井戸を汲もうとしているところをパルチザンの若者に発見され、自ら投降するドイツ兵。彼はパルチザンの隊長に元赤軍伍長のラザレフと名乗り、寝込みをドイツ兵に襲われて敵に協力するはめになったと言って、一緒に戦わせてくれと言います。叔母に警察に入れば飢えずにすむと言われて警察に入り、ドイツ兵に協力させられたことで処刑を待つ青年と、同じ小屋に閉じ込められるラザレフ。
 早朝、見張り役が仲間を呼ぶと返事がなく、やがて靄の中からドイツ兵の大軍が現れます。射殺される見張り役。迫撃砲の攻撃が始まり、村人たちは逃げ出し、雪で視界がきかなくなる中、処刑を待つ青年は逃げ出します。ラザレフは隊長である大尉に銃を持たせてくれと頼み、攻撃目標の駅の中には元同僚が、検問にはドイツ兵がいることを教えます。また7日間の休暇をもらって脱走してきたので、今戻ればドイツ側に気付かれないとも言います。ヒトラーの小話をして楽しむパルチザン。ドイツ兵に化けるため、栄養をつけて太れと隊長から言われるパルチザン。
 通訳として同行する女性に結婚しようとキスしていたヴィクトルは、夜隊長から呼び出され、ラザレフの翻意を確かめるために、ラザレフを連れて3人で作戦に向かうよう、命令を受けます。焚き火を囲み、アコーディオンの音に合わせダンスするパルチザン。夜が明けてラザロフはドイツ兵の乗った車を停めて、彼らを射殺します。その車に爆弾を仕掛け、後続のドイツ兵の車も襲うラザレフら。それにより無傷の参謀の車を手に入れることに成功しますが、ヴィクトルは生き残っていたドイツ将校に射殺されます。ラザレフがヴィクトルを殺したのではないかと疑う少佐。
 鉄橋を爆破する作戦を実行しようとしたパルチザンでしたが、列車がやって来た時、その下をロシア兵の捕虜を満載した船が通過したため、彼らは実行にためらい、少佐は激怒します。
 帰ってきた少佐はラザレフをまた逮捕させ、絶望したラザロフは首吊り自殺を図りますが、国の危機に自殺している場合かと隊長に叱責されます。
 彼らはドイツへ向かう食糧列車を奪う作戦をいよいよ行うこととなり、ラザロフら4人の乗った参謀の車で検問を突破し、3人は列車を奪い、ラザレフは見張り台からマシンガンを撃ち続けます。去って行く列車を負傷しながら、よろよろと追うラザレフ。
 ロシア軍のパレードが町で大々的に行われます。そこでパルチザンの隊長だった大尉は、昔命を助けた連隊長に出会い、いずれお礼をすると言われ、仲間と一緒に動かない車両を喜々として押すのでした。

 白っぽくなったり黒っぽくなったりする白黒画面に縦の構図が特徴的な映画でした。白と黒の対照が美しい画面も多く見受けられたように思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/