WOWOWシネマで、黒沢清監督、高橋洋脚本の’98年作品『蛇の道』を見ました。
上り坂にかかった車からの視点。サングラスの運転手(哀川翔)「寝てないのか?」助手席の男(香川照之)「少しは寝た」「今日は下見だけにしておくか? 俺のことは気にするな。また都合をつけるから」「いや、今日、今日やろう」。車、下り坂に至る。助手席「間違いないのか? もし間違ってたら」「どうせ堅気の人間じゃない」。助手席、笑う。車、左カーブをして停車。女の子の動画を見る助手席。「エミ、もうすぐだから。もうすぐだよ」運転手「電話してくる」。
運転手、公衆電話で「あっ、宅配便ですが、お世話になります。あっ、大槻さん、お届け物なんですが、伝票の住所が読みづらくて。2の9の6。はい、分かりました。すぐお届けします」。
助手席のサイドウィンドウをノックする運転手。助手席は拳銃を持っている。運転手「大槻はいる。殺るんだろ?」「殺る」「じゃあ、そんなものしまっとけよ」。車、発進。
邸宅の前で車、停車。ピアノの練習の音。運転手、ピンボーンを押す。「宅配便です」。門を開き、敷地内に入る2人。助手席はドアの死角に身を隠す。用心深く大槻がドアを開ける。運転手「すいません。ハンコを」。大槻が一旦ドアを閉めると、運転手が家の中に突入。大槻をねじ伏せてるところへ、助手席が急行し、大槻をスタンガンで眠らす。
大槻を肩に担ぐ運転手と、荷物を持つ助手席が車に戻る。去る車。
車中。トランクの中で音。助手席、振り返り焦るが、運転手は無表情のまま運転を続ける。
下町の工場跡地。トランクから口にテープが貼られ、足と手首をテープで縛られた大槻が出される。足のテープをはがされると、大槻は逃げ出すが、結局2人に捕まり、鎖で壁に拘束される。運転手、口のテープをはがす。大槻「あんたら、一体誰なんだよう。俺に何の用なんだよう!」。運転手去り、助手席が近づいてきて、大槻の顔を凝視。その後、モニターを運んできて、エミの動画を大槻に見せる。「俺の娘。殺された。(書類を読み始める。)宮下エミ。8歳。~草むらにて遺体発見。死後約1週間経過。全身に16カ所の刺し傷。右手小指、左手中指を損傷。いずれも生活反応あり。外陰部および膣部に著しい裂傷。表皮剥奪。皮下出血無数。生活反応あり」。
超ロング。「死に至るまで長時間の拷問、凌辱を受けたと推定される。直接の死因は数回にわたる頭部への打撲。脳髄は3分の2が損失。顔は原形をとどめず、歯型より本人と確認す」「それがどうしたって言うんだよ? 俺と何の関係があるって言うんだよ」「あんたがやったんだろ。そうなんだろ!」「冗談じゃねえよ。何のことか分からねえな。あんたもサツか?」。運転手、左手から現れ、奥の2人のところへ向かっていく。大槻「えー? てめえ、こんなことしやがって芝居打ってんだろ?」。助手席、こっちに向かって走り出す。大槻「どうなんだよ?」。助手席、机の上の拳銃を手に取る。「俺の娘だ!」。運転手、止めに入いり、拳銃を奪うと、威嚇射撃。運転手「この部屋は防音になってる。いくらわめいても聞こえない。そろそろ帰るわ」助手席「すまん。時間か」。運転手、拳銃を助手席に返す。助手席「新島さん、何って言っていいのか。本当にありがとう。結局あんたまで巻き込んでしまって。あとは一人でやるから」運転手「宮下、焦るなよ。時間はいくらでもあるんだ」「うん、大丈夫。さっきのはかまし。かましだよ。すぐには殺さない」「明日また顔出す。今日はゆっくり休め」。新島、去る。宮下「ありがとう」。チャリで去る新島。見送る宮下。
夕暮れの町。チャリで新島がやって来て、八百屋の隣にチャリを停め、鍵をかける。新島が部屋に入ると、若者たちが着席。新島はおもむろに黒板に数式を書き出し、生徒たちも熱心にそれを書き写す。「これから、こうなる。だとしたら~」。授業開始。生徒の中に中年男性や小学生の女の子も。
鎖につながれた大槻「おーい。トイレだよ。トイレって言ってんの聞こえねえのかよ!」。苦しむ大槻。「おーい。おーい。いるんだろ? あっ、あっ……。頼むよ。大きい方なんだよ。トイレなら行かせるんだろ。ダメなら紙だけでもくれよう」。
ほの暗い入口。「あっ、あっ、俺は何の関係もねえんだよ。あっ、あっ、臭い~」。毛布にくるまりながら、大槻の声を聞く宮下。「話し合えば分かることなんだから」。宮下、フフフと笑う。「その前にトイレに行かせてくれよお。聞いてんのか? この野郎! あっ」。
翌日、チャリで新島がやって来る。毛布の中には宮下はいない。横たわる大槻。新島に気づき、膝下まで脱いでいたズボンをずり上げようとする。大槻「てめえ、覚えてろ」新島「洗ってやろうか?」。大槻、新島を睨みつける。新島「そのままじゃ、病気になるぞ」大槻「うるせえ!」(明日へ続きます……)
上り坂にかかった車からの視点。サングラスの運転手(哀川翔)「寝てないのか?」助手席の男(香川照之)「少しは寝た」「今日は下見だけにしておくか? 俺のことは気にするな。また都合をつけるから」「いや、今日、今日やろう」。車、下り坂に至る。助手席「間違いないのか? もし間違ってたら」「どうせ堅気の人間じゃない」。助手席、笑う。車、左カーブをして停車。女の子の動画を見る助手席。「エミ、もうすぐだから。もうすぐだよ」運転手「電話してくる」。
運転手、公衆電話で「あっ、宅配便ですが、お世話になります。あっ、大槻さん、お届け物なんですが、伝票の住所が読みづらくて。2の9の6。はい、分かりました。すぐお届けします」。
助手席のサイドウィンドウをノックする運転手。助手席は拳銃を持っている。運転手「大槻はいる。殺るんだろ?」「殺る」「じゃあ、そんなものしまっとけよ」。車、発進。
邸宅の前で車、停車。ピアノの練習の音。運転手、ピンボーンを押す。「宅配便です」。門を開き、敷地内に入る2人。助手席はドアの死角に身を隠す。用心深く大槻がドアを開ける。運転手「すいません。ハンコを」。大槻が一旦ドアを閉めると、運転手が家の中に突入。大槻をねじ伏せてるところへ、助手席が急行し、大槻をスタンガンで眠らす。
大槻を肩に担ぐ運転手と、荷物を持つ助手席が車に戻る。去る車。
車中。トランクの中で音。助手席、振り返り焦るが、運転手は無表情のまま運転を続ける。
下町の工場跡地。トランクから口にテープが貼られ、足と手首をテープで縛られた大槻が出される。足のテープをはがされると、大槻は逃げ出すが、結局2人に捕まり、鎖で壁に拘束される。運転手、口のテープをはがす。大槻「あんたら、一体誰なんだよう。俺に何の用なんだよう!」。運転手去り、助手席が近づいてきて、大槻の顔を凝視。その後、モニターを運んできて、エミの動画を大槻に見せる。「俺の娘。殺された。(書類を読み始める。)宮下エミ。8歳。~草むらにて遺体発見。死後約1週間経過。全身に16カ所の刺し傷。右手小指、左手中指を損傷。いずれも生活反応あり。外陰部および膣部に著しい裂傷。表皮剥奪。皮下出血無数。生活反応あり」。
超ロング。「死に至るまで長時間の拷問、凌辱を受けたと推定される。直接の死因は数回にわたる頭部への打撲。脳髄は3分の2が損失。顔は原形をとどめず、歯型より本人と確認す」「それがどうしたって言うんだよ? 俺と何の関係があるって言うんだよ」「あんたがやったんだろ。そうなんだろ!」「冗談じゃねえよ。何のことか分からねえな。あんたもサツか?」。運転手、左手から現れ、奥の2人のところへ向かっていく。大槻「えー? てめえ、こんなことしやがって芝居打ってんだろ?」。助手席、こっちに向かって走り出す。大槻「どうなんだよ?」。助手席、机の上の拳銃を手に取る。「俺の娘だ!」。運転手、止めに入いり、拳銃を奪うと、威嚇射撃。運転手「この部屋は防音になってる。いくらわめいても聞こえない。そろそろ帰るわ」助手席「すまん。時間か」。運転手、拳銃を助手席に返す。助手席「新島さん、何って言っていいのか。本当にありがとう。結局あんたまで巻き込んでしまって。あとは一人でやるから」運転手「宮下、焦るなよ。時間はいくらでもあるんだ」「うん、大丈夫。さっきのはかまし。かましだよ。すぐには殺さない」「明日また顔出す。今日はゆっくり休め」。新島、去る。宮下「ありがとう」。チャリで去る新島。見送る宮下。
夕暮れの町。チャリで新島がやって来て、八百屋の隣にチャリを停め、鍵をかける。新島が部屋に入ると、若者たちが着席。新島はおもむろに黒板に数式を書き出し、生徒たちも熱心にそれを書き写す。「これから、こうなる。だとしたら~」。授業開始。生徒の中に中年男性や小学生の女の子も。
鎖につながれた大槻「おーい。トイレだよ。トイレって言ってんの聞こえねえのかよ!」。苦しむ大槻。「おーい。おーい。いるんだろ? あっ、あっ……。頼むよ。大きい方なんだよ。トイレなら行かせるんだろ。ダメなら紙だけでもくれよう」。
ほの暗い入口。「あっ、あっ、俺は何の関係もねえんだよ。あっ、あっ、臭い~」。毛布にくるまりながら、大槻の声を聞く宮下。「話し合えば分かることなんだから」。宮下、フフフと笑う。「その前にトイレに行かせてくれよお。聞いてんのか? この野郎! あっ」。
翌日、チャリで新島がやって来る。毛布の中には宮下はいない。横たわる大槻。新島に気づき、膝下まで脱いでいたズボンをずり上げようとする。大槻「てめえ、覚えてろ」新島「洗ってやろうか?」。大槻、新島を睨みつける。新島「そのままじゃ、病気になるぞ」大槻「うるせえ!」(明日へ続きます……)