昨日、元同僚が出演するということで、〈愛川ハーモニカアンサンブル〉の20周年コンサートに行ってきました。場所は神奈川県のタウンニュース秦野。小田急線東海大前駅から歩いて1分という、タウンニュースホール秦野。こじんまりとしたホールで、客のほとんどは出演者の関係者といった感じでした。
総勢18名で演奏された曲は、バーレスク『メリー・ウィドウ』の中の曲『ブルスィレーネン・ワルツ』(ヒッチコックの『疑惑の影』でも使われていた曲)、ショスタコーヴィチの『ジャズ組曲』より『ワルツ』、作曲当時は芸大生だった成田為三の作品『浜辺の歌』、7歳で母を別れた三木が作詞した『赤とんぼ』、そしてBIGIN作曲の『涙そうそう』、『山田耕作』メドレー、『サウンド。オブ・ミュージック』メドレー、唯一の演歌で『さざんかの宿』、雑誌『赤い鳥』から誕生した『日本の歌』メドレー、ヨハン・シュトラウスの『皇帝円舞曲』、アンコールで『ラデスキー行進曲』の10曲でした。編曲はすべて竹内直子さん。どれも素晴らしい演奏でした。
単独で演奏されたのは、村上昭彦さんの『サマータイム』(あの小さくて難しいハーモニカをほぼ完ぺきに吹きこなしていらっしゃいました)、久崎文子さんの『愛の挨拶』、高橋正剛さんの『「青葉の笛」幻想曲』、小泉千代子さんの『母さんの歌』、柳石幸子さんの『ロンドンデリーの歌』(別名『ダニーボーイ』とも呼ばれる曲で、私は木住野佳子さんの演奏で、彼女にのめり込み、今でもたまに自分でピアノで弾いてみたりする、愛着のある曲)、田村正徳さんの『高原の旅愁』(昭和15年にリリースされた曲)、大倉多美子さんの『山寺の和尚さん』(お年を召した方でしたが、そのテクニックは素晴らしいものでした)。
それ以外にも、柳石さんと小泉さんが共演した〈こいさんず〉(大阪でお嬢さんのことを“こいさん”と呼ぶことから命名)では、『シャルウィダンス』と『ベサメ・ムーチョ』、3人と岡本先生が共演した〈The Who-hooo〉(ザ・フーフー)では『ディズニーメドレー』、『お祭りマンボ』が演奏されました。
病院への行き来や買い物を除いて、母との外出は久しぶりでしたが、楽しめましたし、癒されもしました。来年のコンサートが今から待ち遠しいです。
さて、宮田珠己さんの’15年作品『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』を読みました。
以下、いくつか引用させていただくと、
・「ここでわれわれは、さっそく神仏習合的光景を目の当たりにした。風格のある本堂に注連縄が張ってあるのだ。面白い! さらには内陣では、ご住職がかしわ手を打った。ますます面白い」
・「阿蘇の草原は、野焼き、放牧、採草など、人の手によって森林化を防ぎながら、千年以上の長きにわたって維持されてきた」
・「こんなふうに阿蘇に古墳があるというのも、まったく知らないことだった」
・「(足利学校には)国宝が七十七もあるって、もの凄い話ではないか」
・「茶屋街の外れにある菅原神社で、長池さんが、ここの狛犬にはおちんちんがあるんです、と教えてくれた。おお、これはまさに珍物件!」
・「約250年にわたる長い禁教の時代、ヨーロッパ人宣教師がいなくなった後も、キリシタンたちはひそかに信仰を継承し続けた。その間、長くカトリック教会から切り離されていたために、教義が少しずつ変容し、明治になって禁教令が解かれたときには、その信仰は本来のキリスト教とは違ったものになっていた」
・「そもそも縄文遺跡にはどんな世界遺産的な価値があるのだろう。(中略)そう尋ねると、永嶋さんは、農耕・牧畜を行わないにもかかわらず、定住して集落を営んだ狩猟採集文化は世界でも珍しいのだと教えてくれた」
・「(前略)ここでも天然記念物を含むたくさんの希少生物が次々登場。(中略)すごいなあ、奄美大島」
・「仏殿には、この地に善光寺の本尊阿弥陀如来を安置した本田善光とその妻の像が祀られているが、女性が仏殿に祀られるのは、珍しいことだそうだ」
他にもいつもの宮田さんの文章のように、「それはいいが、ではハブはどうなるのか。もともとはハブを何とかしようとってことで、マングースを持ち込んだのだ。マングースがいなくなって、ハブ絶好調ではないのか」、「今回も、本堂の畳に正座し、お経ならではの独特の節回しを聴いていると、みるみるまぶたが重く……じゃなかった、とても心地よい気持ちになったのである」といったユーモラスなものが多くみられ、楽しく読めました。面白おかしく読める旅行記をお望みの方にはお勧めです。
総勢18名で演奏された曲は、バーレスク『メリー・ウィドウ』の中の曲『ブルスィレーネン・ワルツ』(ヒッチコックの『疑惑の影』でも使われていた曲)、ショスタコーヴィチの『ジャズ組曲』より『ワルツ』、作曲当時は芸大生だった成田為三の作品『浜辺の歌』、7歳で母を別れた三木が作詞した『赤とんぼ』、そしてBIGIN作曲の『涙そうそう』、『山田耕作』メドレー、『サウンド。オブ・ミュージック』メドレー、唯一の演歌で『さざんかの宿』、雑誌『赤い鳥』から誕生した『日本の歌』メドレー、ヨハン・シュトラウスの『皇帝円舞曲』、アンコールで『ラデスキー行進曲』の10曲でした。編曲はすべて竹内直子さん。どれも素晴らしい演奏でした。
単独で演奏されたのは、村上昭彦さんの『サマータイム』(あの小さくて難しいハーモニカをほぼ完ぺきに吹きこなしていらっしゃいました)、久崎文子さんの『愛の挨拶』、高橋正剛さんの『「青葉の笛」幻想曲』、小泉千代子さんの『母さんの歌』、柳石幸子さんの『ロンドンデリーの歌』(別名『ダニーボーイ』とも呼ばれる曲で、私は木住野佳子さんの演奏で、彼女にのめり込み、今でもたまに自分でピアノで弾いてみたりする、愛着のある曲)、田村正徳さんの『高原の旅愁』(昭和15年にリリースされた曲)、大倉多美子さんの『山寺の和尚さん』(お年を召した方でしたが、そのテクニックは素晴らしいものでした)。
それ以外にも、柳石さんと小泉さんが共演した〈こいさんず〉(大阪でお嬢さんのことを“こいさん”と呼ぶことから命名)では、『シャルウィダンス』と『ベサメ・ムーチョ』、3人と岡本先生が共演した〈The Who-hooo〉(ザ・フーフー)では『ディズニーメドレー』、『お祭りマンボ』が演奏されました。
病院への行き来や買い物を除いて、母との外出は久しぶりでしたが、楽しめましたし、癒されもしました。来年のコンサートが今から待ち遠しいです。
さて、宮田珠己さんの’15年作品『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』を読みました。
以下、いくつか引用させていただくと、
・「ここでわれわれは、さっそく神仏習合的光景を目の当たりにした。風格のある本堂に注連縄が張ってあるのだ。面白い! さらには内陣では、ご住職がかしわ手を打った。ますます面白い」
・「阿蘇の草原は、野焼き、放牧、採草など、人の手によって森林化を防ぎながら、千年以上の長きにわたって維持されてきた」
・「こんなふうに阿蘇に古墳があるというのも、まったく知らないことだった」
・「(足利学校には)国宝が七十七もあるって、もの凄い話ではないか」
・「茶屋街の外れにある菅原神社で、長池さんが、ここの狛犬にはおちんちんがあるんです、と教えてくれた。おお、これはまさに珍物件!」
・「約250年にわたる長い禁教の時代、ヨーロッパ人宣教師がいなくなった後も、キリシタンたちはひそかに信仰を継承し続けた。その間、長くカトリック教会から切り離されていたために、教義が少しずつ変容し、明治になって禁教令が解かれたときには、その信仰は本来のキリスト教とは違ったものになっていた」
・「そもそも縄文遺跡にはどんな世界遺産的な価値があるのだろう。(中略)そう尋ねると、永嶋さんは、農耕・牧畜を行わないにもかかわらず、定住して集落を営んだ狩猟採集文化は世界でも珍しいのだと教えてくれた」
・「(前略)ここでも天然記念物を含むたくさんの希少生物が次々登場。(中略)すごいなあ、奄美大島」
・「仏殿には、この地に善光寺の本尊阿弥陀如来を安置した本田善光とその妻の像が祀られているが、女性が仏殿に祀られるのは、珍しいことだそうだ」
他にもいつもの宮田さんの文章のように、「それはいいが、ではハブはどうなるのか。もともとはハブを何とかしようとってことで、マングースを持ち込んだのだ。マングースがいなくなって、ハブ絶好調ではないのか」、「今回も、本堂の畳に正座し、お経ならではの独特の節回しを聴いていると、みるみるまぶたが重く……じゃなかった、とても心地よい気持ちになったのである」といったユーモラスなものが多くみられ、楽しく読めました。面白おかしく読める旅行記をお望みの方にはお勧めです。