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アキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』その1

2012-05-26 05:47:00 | ノンジャンル
 昨日はロバート・キャパの49回忌でした。戦場写真家のさきがけとして活躍する一方、前線の後方でくつろぐ兵士たちや市井の人々の姿を生々しくフィルムの収めた、希有な写真家でした。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、アキ・カウリスマキ監督・製作・脚本の'11年作品『ル・アーヴルの靴みがき』を川崎アートシアターで見ました。(以下のあらすじは、公式パンフレットを参考に書いたものです。)
 北フランス、ノルマンディー地方の港町ル・アーヴルの駅や高級靴店の前で、かつてパリで気ままに過ごしていたマルセル・マルクス(アンドレ・ウィルム)は、8年かけて身分証明書を取得したベトナム人のチャングを相棒にして靴みがきをしています。わずかな稼ぎを持って家に帰ると、パリの生活から彼を救ってくれた妻のアルレッティ(カティ・オウティネン)が愛犬のライカ(カウリスマキ監督自身の愛犬なのだそうです)とともに待っていてくれます。同じ街角に住むパン屋のイヴェットや八百屋のジャン=ピエール、そして仕事の後に立ち寄るカフェの女主人クレールとの触れ合いも彼の暮らしを豊かなものにしてくれています。
 そんなある日、港にアフリカのガボンからロンドン行きのコンテナが間違って陸揚げされ、その中から違法移民たちが発見されます。1人逃げ出す少年イドリッチ。港の桟橋で昼食を食べていたマルセルは、海面に上半身を出して立ちつくすイドリッチを発見し、昼食を分けてやろうとしますが、そこに現れたモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)に訊問され、その場を立ち去り、イドリッチも姿を消します。
 一方、アルレッティは自宅で倒れているのをマルセルに発見され、イヴェットの車で担ぎこまれた病院の医者に不治の病であることを告げられますが、アルレッティは、子供がそのまま大きくなったようなマルセルに、その事実は酷すぎると言って、医者にそのことをマルセルに言わないように頼みます。アルレッティの嘘を素直に信じるマルセル。
 その後、新聞で少年のことを知ったマルセルは、少年を見た場所に食べ物と小額の紙幣を入れた紙袋を置いて立ち去りますが、家に帰ると、彼を付けてきていた少年がライカの小屋に寝ていました。食事を与え、家から一歩も出るなと言うマルセル。テレビでは不法移民たちを排除しようとする警察と移民たちの保護団体が衝突しているニュースが流れます。カフェから帰ろうとするマルセルは、少年がカフェの外で彼を待っていたのを発見し「言うことを聞け」と叱責して、家に連れて帰ります。マルセルの家の正面に住む住人(ジャン=ピエール・レオ)は、マルセルが少年とともに家の中に消えるのを見て、警察に通報しますが、翌日マルセルの前に現れたモネ警視は、少年を警察に渡すようにほのめかします。
 一方、マルセルはアルレッティの元に日々花を届けますが、日ごとに痩せていく体を見せることで心配させたくないアルレッティは、「あなたと会うと心が乱されて病気によくない」と言って、2週間は会いに来ないように言います。
 マルセルはイドリッサからロンドンにいる母に会うために密航したことを聞きだし、難民キャンプを訪ね、収監所に拘束されていたイドリッサの祖父と会うと、彼からイドリッサの母が中国人の店で働いて自立していることを聞きだし、イドリッサをロンドンへ送ることを誓います。マルセルは知人の船乗りにロンドンへの密航を頼みますが、費用として3000ユーロが必要で、もし当局に見つかったら船を没収される危険があるとも言われます。マルセルはその費用を工面するため、妻ミミと仲違いしたことで落ち込み、引退状態になっていた歌手のリトル・ボブにミミを引き合わせ、彼にカムバックコンサートをしてもらうことに同意してもらいます。一方、2週間ぶりに会ったアルレッティに、マルセルは、次に来る時には、記念の黄色いドレスを持ってきてほしいと言われます。(明日へ続きます‥‥)

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ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』

2012-05-25 05:41:00 | ノンジャンル
 岡野宏文さんと豊崎由美さんの対談本『読まずに小説書けますか』の中で紹介されていた、ハラルト・シュテュンプケの'61年作品『鼻行類』を読みました。
 まず、日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人のシェムトクヴィストが1941年に大平洋南海のハイアイアイ群島という未知の群島に漂着し、700人あまりの原住民たちは彼がもたらした流感で、わずか数カ月たらずのうちに全滅してしまったことが語られます。そしてそこで彼が発見したのは、哺乳類の未知の目である鼻行目でした。鼻行目のものを詳しく見ていくと、単鼻類に分類されるものには、鼻で立つことができるムカシハナアルキや、鼻で滑るように進むことができるナメクジハナアルキ、鼻から粘液を出して水中生物を補食するツツハナアルキ、鼻で地面に固着して虫が来るのを待つミツオハナアルキが、管鼻類には、モグラに似ているタバハナアルキ、貝のような形状のシャコガイ・タバハナアルキ、水上に鼻を出して水面にぶらさがるアワハナ・ラッパハナアルキが、地鼻類には、お茶の水博士のような鼻を持つモグラ状のモグラハナアルキが、硬鼻類には、鼻に関節を持ちゾウのような形状のコノハハナアルキ、鼻の関節を使って後方に飛び跳ねることができるトビハナアルキ、地面に固着するツツハナアルキに食物を与え、それから乳をもらって生活するヤドリトビハナアルキ、耳で飛ぶことができるダンボハナルキ、花を擬態するアンケル・ヴァニラ・ランモドキが、多鼻類には、4つの鼻で歩くことができるオオナベゾーム、それを襲って補食するオニハナアルキが、六鼻類には、穴から6つの鼻を出して虫などを補食するゴカイバナイカモドキ、鼻の先端を花に擬態して虫を捕るキンポウゲ・ハナアルキ、鼻が6弁の花びらを擬態して虫を補食するフシギ・ハナモドキ、4つの鼻で歩き、残りの2つの鼻で草を掴んで食べるマンモスハナアルキが、長吻類には、鼻が変化して葉っぱ状の吻になっているハナムカデが存在しています。これらの生き物に対して詳しい生態が豊富な図面とともに述べられていくのですが、あとがきによると、シュテュンプケがこれらについて書いた原稿がまさに印刷に付されようとしていたときに、某国が秘密裏に行なった核実験によって、ハイアイアイ群島は消滅し、鼻行目の研究者全員そして研究所もろとも、かけがえのない写真や標本、観察・調査記録全てが失われてしまったとのことでした。
 最後のあまりのあっけない、また有無を言わせない終わらせ方に、私はつい笑ってしまったのですが、この奇想天外な本に関して、海外の学界では真剣にその真偽に対して論議が交わされたということにも驚かされました。それだけ学問的にはしっかりとした裏付けがなされた本だということでしょう。著者のシュテュンプケの正体も分からないという、本当に不思議な本でした。

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ジャ・ジャンクー監督『四川のうた』その3

2012-05-24 04:39:00 | ノンジャンル
 昨日、川崎アートシアターへアキ・カウリスマキ監督の『ル・アーヴルの靴みがき』を見に行ってきました。ユーロスペース開設30周年記念公開とあり、ユーロスペースが私が22才の時に始まっていたことを知り、また映画の中では密告者役で、凄い形相となった(というか、生きながらにして見事な映画的存在となった)ジャン=ピエール・レオが出演していて、感動しました。そして、その日の朝日新聞の夕刊には、うらわ美術館での野口久光さんの展覧会がピックアップされていて、『大人は判ってくれない』のポスターでのレオーの大きな姿が! またまた不思議な縁を感じる一日でした。映画の詳細に関しては、のちに報告いたします。

 さて、またまた昨日の続きです。
 「成」の文字が運ばれていく工場跡地の向こうには高速道路が走っています。工場からは大型の製作機械が運び出されます。トラックで運ばれて行く製作機械。建設されゆく高層ビル。正門には新たに「華潤 二十四城」の文字が掲げられています。工場の敷地売却と、そこへの高層ビル建設をテレビニュースで知らせる男性。成都の新しい都市モデルの説明を女性から受ける、先程の男性。「趙剛 1974年 成都生まれ TVニュースキャスター」の字幕。彼は学校で切符をもらい、初めて汽車に乗り、北京経由で東北地方の工場へ実習に向かった時の話をします。制服姿となり、延々と単純な仕事をしなければならないことに嫌気がさして、工場を飛び出したと語る彼。ヘリコプターの前で彼と彼の父親がこちらを見つめています。
 ギターとともに歌われる歌をバックに、懐中電灯を持ち工場内を警備する男性の目の前で、石により窓ガラスが割られます。壁にかけられた白衣のポケットからは、“李雪梅 2003年”と書かれた受験票が発見されます。製作機械がすべて運び出され、廃墟と化した工場。手作業で建物を取り壊す労働者と、工場内に音を響かせて動くショベルカー。カメラの前に並んだ解体作業をする労働者たち。壊されゆく工場の映像。インターナショナルを合唱する年配の女性たちの歌をバックに、工場は爆破され、もうもうと煙が広がっていきます。「我らがかつて行い、考えていたことは、必然的に散ってゆき、次第に淡くなってゆく 石の上にこぼされた牛乳のように イェイツ」の字幕。
 口紅を塗る若い女性。「スー・ナー」の字幕。近代的な部屋からキャリーバッグを引きずり外出する彼女。iPodをしたまま、車を運転しながら話す彼女。菜の花畑の中に車を停めて、窓から外を見ている彼女。「スー・ナー 1982年 成都生まれ」の字幕。彼女は廃墟と化した420工場専属の中学校の内部を歩いて回ります。毎日ほっつき歩いていた若い頃の話、富裕層の女性の注文にしたがって香港に買い物をしにいく仕事をしている話、友人からタワーにあるレストランの経営をしてみないかと誘われている話をした後、母がリストラに会った後、臨時工の職人になったこと、退職後の父親は家にこもったままであること、今まで3人の彼氏とワンルームで暮らしてきたこと、ビザを取るため実家に戻った時、工場で重労働をする母の姿を見て、泣きながら逃げ帰って来たこと、そして両親に“二十四城”の部屋を何としても買ってあげたいことを涙ながらに話します。タワーから街を見つめるスー・ナー。「成都」の字幕。「消えゆくものを携えながらも、生涯私が誇りとするには充分なのだ 万夏」の字幕。画面は暗転し、映画は終わります。

 ラスト以外は主に哀切なメロディが流れる中、ゆるやかな移動やパン、フェイドインやフェイドアウトが多用され、オーバーラップも使われるなど、独特の落ち着いた雰囲気を作り出していました。主だった登場人物はプロの役者さんが演じていたそうで、ドキュメンタリーだとばかり思って見ていた私は、その迫真性に驚くとともに、深い感動を味わうことができました。ジャ・ジャンクー監督作品は今までに『青い稲妻』『一瞬の夢』『世界』『長江哀歌』『プラットホーム』と見てきましたが、今回の作品が私は一番好きでした。皆さんにもご覧になることを自信を持ってお勧めします。

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ジャ・ジャンクー監督『四川のうた』その2

2012-05-23 06:48:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 工場の正門に大挙して現れ、自転車で帰宅していく人々。「安全第一 生命最優先」の横断幕。ファンによる風が吹く工場の中で一人立つ娘。「飛行機工場は巨大な眼球だ。労働はそのより深い部分にあたる。オウヤン・ジャンクー」の字幕。工場内で金色に焼けた金属の輪を扱う男たち。窓の外で欄干にもたれかかる男性。「ソン・ウェイトン」の字幕。彼は新都心に工場地区が移され、残った部門もやがて移転し、事務所はホテルに作り変えられると語ります。「ソン・ウェイトン 1966年 成都生まれ 成発グループ社長室副主任」の字幕。彼は420工場は独立した一つの社会であり、敷地内にある工場専属の学校で全ての学業を収め、映画館やプールも敷地内にあり、夏にはサイダーも工場で作って無料で配布されていたと語り、周囲に住む地元の子供たちとしばしばケンカしたこと、高2の時の初恋と別れの話、子供の頃、山口百恵主演の『赤い疑惑』を皆が見ていたことなどを語ります。百恵が歌う『赤い疑惑』のテーマ曲をバックに、バスケットコートでシュートするソン。「秋の葉は生い茂るが根っこは一つ。私のでたらめな青春の日々に、日差しが揺らめく中で、しぼんだ私は真理になった イェイツ」の字幕。工場跡地のショベルカー。「二十四城 第一工場現場 バスケットコート跡地」の字幕。工場内での組み立て作業。「バスケ場跡は高層ビルに。3日後、設備は取り壊される」の字幕。
 額に入れられた数々の賞状が飾られている部屋。こっちを見つめる労働者たち。「毎日の暮らしで私は流れてゆく。毎朝毎夜、心が漂う。共に生きてゆく相手をどんなに願うことか。私の心がもはや漂わずにすむように‥‥」の字幕。
 夜、自転車に乗り、懐中電灯で見回りをする警備員。自室でこちらを向く男女、そして娘を含めた3人。工場の正門。椅子に座り、ふりをつけながら歌う男女たち。歌が終わると、一人の女性は他の女性と世間話をした後、熱心に化粧を始めます。「小花」の字幕。中国劇の衣装を着て、階段を上る小花たち。彼らは舞台で歌を歌い、そこに「越劇“紅楼夢 葬花”」の字幕が重なります。衣装のまま、裏町へ入っていく小花。彼女は上海の航空学校から成都に配置され、若い頃は職場の花で、映画『戦場の花』のヒロイン・小花に似ているとして「小花」と周囲から呼ばれるようになったと語ります。また、ある日、掲示板にハンサムな男性の写真が張り出され、皆で誰なのか噂していると、講堂に集められた彼女らの前で、工場長が彼は優秀なパイロットだったがこの工場で作られた飛行機が故障して、その事故で亡くなったと語り、彼の死はこの工場で働く誰かの責任だと言ったこと、いい縁談があったが、自分を好きな男が彼女の名前で自分にラブレターを書き、それを皆に見せびらかせたおかげで、その縁談が破談となったこと、事務職についたこともあったが、職務上の付き合いで酒を飲まされ体を壊したこと、自分で会社を作り働いているうちに婚期を逃したことなども語ります。「顧敏華 1958年 上海生まれ 420工場では精密機器の検査部門だった」の字幕。「映画『戦場の花』78年製作」の字幕と、そのテレビ画面、バックには映画のテーマ曲が流れ、やがて薄暗い室内で腕組みをして思案する敏華の姿が映し出されます。「私の心は憂いを増すばかり、春を惜しみつつも悩める心 “紅楼夢 葬花詞”より」の字幕。
 正門で「成発」の文字を取り外している映像。工場内での塗装作業。窓で羽を休める蝶。夕方の屋上をローラースケートでぐるぐる回る少女は、中3の楊夢月と名乗り、両親は工場で働いているが、工場に行ったことはないと言います。夜になってもローラースケートを続ける少女。(またまた明日へ続きます‥‥)

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ジャ・ジャンクー監督『四川のうた』その1

2012-05-22 05:24:00 | ノンジャンル
 ジャ・ジャンクー監督・共同脚本の'08年作品『四川のうた』をDVDで見ました。
 「新世紀の太陽を迎えて、成発の社員は声高らかに歌う」の字幕。“成発グループ”と大書された正門。中の工場では金属の加工が手作業や大きな機械を使って行われています。
 「2007年12月29日、50年のこの工場ともお別れだ」と演説する男性。古いコンクリートの建物。こちらを見つめる壮年の男性。「24 CITY」のタイトル。
 「芙蓉の花咲く成都、二十四城。城はいにしえより栄えたり」「四川省成都」の字幕。大きな製作機械を乗っけて道を進むトラックの縦移動撮影。古びた工場の内部の横移動撮影。「フー・シークン」の字幕。工場全体の設備を担当していたと先程の壮年の男性は語り、当時第4チームの組長だったワンさんが、手作りしていた道具を常に大切に使っていたことを話し、不義理をしてワンさんに随分長い間会っていないと言います。「フー・シークン 1948年 成都生まれ 1964年 420工場61課所属 整備工の見習を経て軍隊へ」の字幕。当時の社員証の映像。フーは文革期にも、誰もいない工場で一人で働き続けたワンさんのことを語ります。鼻からチューブで酸素吸入しているベッド上の老女を見守る家族。その家族のうちの一人の男性・ワンが街を歩いていく姿を横移動で捕えます。ワンと再会するフーですが、二人ともなかなか言葉が出てきません。耳の遠くなったワンにフーは話しかけ、ワンのことを褒めるとワンは言葉少なに謙遜します。苦し気に呼吸するワンの手と髪をなでるフーは、涙を流します。
 「徹底的かつ確実な科学発展を目指そう!」という横断幕が掲げられた講堂の中に、一人立つ男性。「グァン書記 」「グァン・フォンジョウ 1935年 遼寧省 海城生まれ 420工場では保安課長に続き、工場内の党書記を務めて退職」の字幕。舞台上でバドミントンが行われているのを背景に、グァンは朝鮮戦争時にはミグ戦闘機の修理工嬢だった111工場が移転されて420工場となったこと、111工場の6割の労働者が420工場へ異動させられたことを語ります。
 夜の成都のバスに乗る女性。「ホウ・リィジュン」の字幕。彼女は自分の母が実家にずっと帰りたがっていたが、なかなか帰れず、14年ぶりに母が帰郷した時の様子を語ります。「ホウ・リィジュン 1953年 瀋陽生まれ 420工場では63部門の修理工」の字幕。彼女は夫と一人の子供と暮らす典型的な3人家族でしたが、子供が小6の時に人員削減で失業し、その時のお別れ会の時の様子や、職探しの苦労、警察の目をかいくぐり白蘭の花売りを始めたこと、今は家で裁縫をしてわずかながらも金になる仕事を続けていることを語ります。「すべきころがあれば老けるのも遅い」の字幕。。
 階段で歌う2人の女性。マージャン屋の内部。「退職者用娯楽室・使用規則」の貼り紙。鼻にチューブをつけた男性。犬を抱いた男性。体を寄せ合う夫婦。机の前に一人座る女性。成都の裏町。「指名手配 懸賞のお知らせ」の貼り紙を熱心に見る子供たち。「420工場社員宿舎」の字幕。点滴を右手で高く持ち上げながら街を歩く女性は、公園に置かれたミグ戦闘機の前を通り過ぎます。「ダーリー」の字幕。彼女は建物に入って階段を上り、ソン主任を待っている間、420工場は機密企業で、従業員は特別な待遇を受けていたと語ります。「ハオ・ダーリー 生産ラインのスタッフだった。優秀な女性労働者として表彰を受けている」の字幕。食料チケットの映像。彼女は生活費以外は貯金と実家への仕送りに使い、瀋陽から成都まで船で移動させられた際、3才の息子と生き別れになってしまったことを涙ながらに語ります。空中戦のテレビを見るダーリー。(明日へ続きます‥‥)

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