“中国は覇権求めない”
胡主席 米経済人前に講演

【ワシントン=小林俊哉】
訪米中の胡錦濤中国国家主席は20日、経済人らとの会合で講演、米中経済協力による互恵関係を強調するとともに、「中国 は国際的紛争の平和的解決に尽力し、防衛的な国防政策をとり、永久に覇権を求めない」と言明しました。同主席は人権問題には直接触れず、台湾やチベットに 関する問題は「中国の主権と領土保全にかかわるもの」だと主張しました。
胡主席は、講演の多くを経済問題にあて、「米中関係の発展は両国民の根本的利益に寄与するもので、世界の平和と発展の客観的要請だ」とし、「相互 に尊重し平等に対当し、重大かつ微妙な問題を適切に処理する」べきだと主張。そうでなければ、「両国関係は困難が絶えず、さらに緊張が起きる」と語りまし た。
同主席は、「21世紀の最初の10年は中国の改革・発展が新たな成果を収めた10年だ」とし、これが国民の生活を著しく改善したばかりでなく関係 国・地域に1400万人余の雇用をもたらしたと強調。しかし「中国は依然として世界最大の途上国であることは変わりはない」「国の発展目標達成には努力が 必要だ」と述べ、引き続き改革・開放を深め、「社会主義近代国家を築く目標にまい進する」と言明しました。
同主席は、この講演前に、ベイナー下院議長(共和党)ら与野党の上下両院指導部と会談。ベイナー氏は会談後、胡氏に対し「宗教の自由をめぐる懸念 を表明した」ことを明らかにしました。民主党のペロシ下院院内総務(前議長)は声明を発表し、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が依然として拘束されてい ることに懸念を表明しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・