米国会議員:来日、過去最高40人超 東アジア情勢で
毎日新聞 2014年05月04日 20時17分(最終更新 05月04日 20時29分)
米国の国会議員の来日が今年に入ってから急増している。4月末時点で過去最高の40人超に上った。中国の海洋進出などによる東アジア情勢の不安定化を受け、同盟国・日本への関心が高まったことが背景にあるとみられる。
米国会議員の来日はこれまで昨年の26人が最高だった。今年は4カ月間で既に昨年を上回った。先月25日に発表された日米共同声明は、来日する米議員数について「引き続き増加する見込み」と明記した。
来日した議員では、米下院ナンバー2のカンター院内総務、ライアン下院予算委員長、次期大統領選の有力 候補とされるルビオ上院議員ら共和党の有力議員が目立つ。カンター氏は4月21日に安倍晋三首相と会談し、「日米同盟が大事だからこそ、今回来日した」と 述べ、日米の連携強化の重要性を強調した。
来日議員急増の背景には、オバマ政権のアジア重視政策「リバランス(再均衡)」に加え、日本政府の米議 員への働きかけも要因になっている。米議会の知日派の重鎮、ダニエル・イノウエ上院議員が2012年に死去したことをきっかけに米議員との関係構築を進 め、米下院では3月、62人の議員が超党派の「ジャパン・コーカス(米日議員連盟)」を結成した。
一方で、靖国神社参拝などで中韓との関係を悪化させた首相に対する警戒心は米国内でも根強く、外務省幹部は「いい意味でも悪い意味でも日本への関心は高まり、これまでにない大物議員も来日するようになった」と語った。【福岡静哉】