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同仁堂は、350年の歴史を誇る中国の代表的な漢方製薬会社だ。第4回訪中期間に唯一の経済関連現場訪問日程だ。

2019-01-10 | 中国をしらなければ世界はわからない

金委員長の製薬会社「同仁党」訪問に注目集まる

金委員長の第1~4回経済視察を比較 
新年の辞で「医療の現代化」を強調 
北朝鮮の漢方産業の育成に向けた意志と見られる 
1~3回の時は科学院と農業院を訪問

 
北朝鮮の金正恩国務委員長が今月9日午前に訪れた北京経済技術開発区にある製薬会社「同仁党」の工場=北京/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国訪問3日目の9日午前、北京経済技術開発区にある「同仁堂」の工場を訪問した。同仁堂は、350年の歴史を誇る中国の代表的な漢方製薬会社だ。第4回訪中期間に唯一の経済関連現場訪問日程だ。金委員長が1日、新年の辞で「製薬工場と医療機器工場を現代化し、医療機関を一新して医療奉仕の水準を高める必要がある」と強調した問題意識の延長線上にあるものと見られる。

 実際、金委員長は昨年の第1~3回訪中の時も、経済関連施設の視察に多くの時間は費やさなかった。長くは10日近い日程で中国各地の経済現場を視察した父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記とは異なる。

 ただし、金委員長が第1~4回の訪中期間に視察した場所を見ると、関心事の「中国経験の参照」という明確な目的意識が窺える。焦点は「全(人)民の科学技術人材化」(2016年5月6~7日、第7回党大会事業総和報告)と、今年の新年の辞で「党と国家の第一の重大事」と強調した「人民生活の改善」に当てられている。

 昨年3月の最初の訪中当時、金委員長の唯一の視察日程は「率先行動研磨粉塵-第18回党大会後の中国科学院革新の成果展示会」だった。中国科学院は「中国のシリコンバレー」と呼ばれる北京の中関村にある。金委員長が銀河科学者街(2013年)や衛星科学者住宅地区(2014年)、未来科学者街(2015年)を新たに作り、科学技術殿堂の完工にあわせて現地指導(2015年10月28日)を行って、「全(人)民の科学技術人材化」を強調したことの延長線上にある。

 史上初の朝米首脳会談を控えた昨年5月の第2回訪中の際は、視察日程がなかった。ただし、金委員長の「一部の随行員ら」が大連東港商務区と華録グループを視察した。商務区は大連沖合を埋め立て、商店街や娯楽、文化、体育、住居施設を集めた地域で、華録グループは「京劇アプリ」など先端文化事業を行う国営企業だ。

 金委員長は第3回訪中の際は、中国農業科学院国家農業科学技術革新院を訪れ、「農業の工業化」に向けた努力を高く評価して、芳名録に「深く感服」したと書いた。北京市の軌道交通指揮センターでは、「高度の自動化レベルと統合操縦体系」に「驚嘆」したと、「労働新聞」が報じた。2カ所共に第2回訪中直後、党中央委で「教育・科学」分野を担当し、「教育担当」のパク・テソン副委員長が率いる「親善観覧団」が視察した場所だ。金委員長は訪中後、「平壌(ピョンヤン)無軌道電車工場とバス修理工場」(「労働新聞」8月4日付1面)と「京城郡温布温室農場建設準備事業」(「労働新聞」8月18日付1面)を現地指導した。“視察”と“実践”が緊密に結びついていると言える。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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今回の訪中が朝米首脳会談を念頭に置いた性格が強いだけに、米国も北朝鮮との対話を加速化するものと見られている。

2019-01-10 | 中国をしらなければ世界はわからない

金委員長の訪中日程終了…

習主席がトランプ大統領に伝えるメッセージに注目

トランプ大統領、金委員長の訪中2日目まで反応示さず 
ジョセフ・ユン元代表「習主席の同意のもと、トランプ大統領に“中国カード”の提示狙う 
朝米首脳会談、2月末か3月初めに開かれる見通し」 
チョ・ユンジェ駐米大使「首脳会談に向けた準備会談の開催を期待」 
 
習主席が米国に伝える金委員長のメッセージが重要 
習首席、昨年の朝中首脳会談直後トランプ大統領と電話会談

 
昨年3月の第1回訪中の際、北朝鮮の金正恩国務委員と中国の習近平国家主席夫婦が記念撮影を行っている=中国CCTVの画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ大統領と米政府は、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の4度目の中国訪問について、8日(現地時間)にも公式の反応を示さなかった。しかし、今回の訪中が朝米首脳会談を念頭に置いた性格が強いだけに、米国も北朝鮮との対話を加速化するものと見られている。金委員長と共に“立場”をまとめた習近平国家主席が、積極的な仲裁者の役割を果たす可能性もある。

 トランプ大統領は金委員長の訪中2日目の同日、国境の壁の建設に関する演説に集中しただけで、北朝鮮については発言しなかった。彼は金委員長の1日の新年の辞に対し、ツイッターに「私も会いたい」と書き込んでおり、翌日には金委員長の親書を公開し、6日には「(朝米首脳会談の)場所を交渉している」と明らかにした。しかし、金委員長の訪中事実が公開された後も、北朝鮮については触れなかった。米国務省はメディアの論評要請に対し、「中国に聞いてほしい」と述べた。朝中首脳会談の内容を把握し、これが朝米対話に及ぼす影響を注視しているものと見られる。

 米国の朝鮮半島専門家らは、金委員長の今回の訪中が朝米首脳会談が近づくことを示すシグナルだと分析した。ジョセフ・ユン元国務省北朝鮮政策特別代表は同日、ワシントンで韓米経済研究所(KEI)が開いたセミナーで、「金委員長の訪中には、習主席に『トランプ大統領と2回目の首脳会談をしてもいい』というグリーン・ライト(承諾)を受けると同時に、トランプ大統領に『私にはこのように大きな中国カードがある』というメッセージを送る意味がある」と述べた。また「第2回朝米首脳会談が遠からず行われるだろう」とし、「おそらく2月末か3月初めになるだろう」と見通した。

 
 北朝鮮の金正恩国務委員長の専用車が今月9日、警護を受けながら北京の中心街を走っている=北京/ロイター 聯合ニュース

 金委員長の今回の訪中は、新年の辞で非核化および朝米対話への意志を明らかにした直後という点でも、表面上止まっているかのように見える朝米対話の列車を再び動かせる可能性が高い。チョ・ユンジェ駐米韓国大使はこの日、特派員懇談会で「朝米首脳会談に向けた水面下の接触が続いているとみられる」とし、「トランプ大統領と金委員長が確固たる意志を持っているため、近く準備会談が開かれるのではないかと期待している」と述べた。チョ大使は金委員長の新年の辞についても「確かなのは、金委員長と北朝鮮は対話と交渉局面を持続させることを望んでいること」だとし、「米国も北朝鮮を引き続き対話と交渉プロセスに留まらせつつ、朝米関係と非核化の進展を模索する確固たる意志を持っていると聞いた」と述べた。

 金委員長が9日に帰国の列車に乗った後、習主席や中国政府が今回の会談を米国にどう説明し、協議するかに焦点が移った。習主席は昨年5月、大連で金委員長と首脳会談を行った直後、トランプ大統領と電話会談し、朝米首脳会談を支持する意向を明らかにして、「朝鮮半島問題の政治的解決プロセスを一緒に進めよう」と述べた。金委員長も、米国に伝えるメッセージを託したものとみられる。米国の立場から見て、可視的かつ追加的な非核化行動が示されれば、朝米対話はさらに急速に進む可能性がある。

 中国が、満足のいく見返りを提示せず、北朝鮮に対する制裁緩和に肩入れするようなジェスチャーをみせれば、米国の反発に遭う恐れもある。しかし、米中が年末以降、貿易交渉で友好的なムードを作り、対北朝鮮問題でも協力ムードを漂わせていることから、習主席が制裁隊列から離脱する可能性は低いとみられる。米国は経済制裁は維持したまま、朝米連絡事務所の設置などを非核化行動に対する相応の措置として検討しているという。

 米国は、金委員長の訪中での動きを十分に把握した後、行動に乗り出すものと見られる。マイク・ポンペオ国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長の高官級会談やスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表とチェ・ソンヒ外務次官との実務会談も考えられる。ポンペオ長官が平壌を訪問する可能性も注目される。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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