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韓国:ひっそりと製作が推められてきた進歩的映画も一つ二つと姿を現している。

2016-12-15 | 市民のくらしのなかで

外圧でお蔵入りした映画、今なら観れる

登録 : 2016.12.14 22:06 修正 : 2016.12.15 05:18

『普通の人』『一級機密』『タクシー運転手』… 
ソン・ヒョンジュ、ソン・ガンホ、キム・サンギョンなど出撃準備終え 
母胎ファンドなど金脈を塞がれると意を集め製作 
歪曲と弾圧の歴史を見つめる独立映画も多数

『7年 彼らがいない言論』インディブログ提供//ハンギョレ新聞社

 「この映画が封切りされただけでも私のすべき仕事は終わったようだ」検閲と外圧の象徴だった『パンドラ』が封切りされる前日、パク・ジョンウ監督はこのように話した。検閲の象徴が崩れたためであろうか。7日から『パンドラ』が劇場で上映を始め、その間ひっそりと製作が推められてきた進歩的映画も一つ二つと姿を現している。

 

 ソン・ヒョンジュ、チャン・ヒョク主演の映画『普通の人』も『パンドラ』同様に政府が主導する母胎ファンドから投資を拒否され、製作危機を体験した。映画製作に参加したある関係者は「初めは興行が保証される俳優陣とシナリオの力のおかげで期待作と言われたが、母胎ファンドの投資拒否は映画にレッテルを貼り付けたも同然だった。ある大型配給会社に「シナリオは『弁護人』以上におもしろいが、敏感な内容があるので私たちには手伝えない」と、投資を拒絶されるなど映画ベンチャー投資会社がいっせいに手を引いて、製作中断の危機に瀕した」と当時の状況を伝えた。結局、製作費が50億ウォン(約5億円)を超えるこの映画は、ベンチャー投資会社の資金支援を受けずに配給会社のオーパスピクチャーズと個人の後援金だけで完成され、来年初めの上映を待っている。この映画の製作会社トリニティエンターテインメントのナム・ジウン代表は「先日、内部試写で観客の涙をぐっしょり絞るドラマという評価を得た。スリラー的な要素もある。政治的に解釈されたりしたが、商業的に成功する映画になるだろう」と言い切った。

 

 一人の父親が家族を守るために悪戦苦闘する内容の映画が外圧を体験したことは理解し難い状況だ。87年6月抗争当時を時代的背景としていて、国家安全企画部のねつ造企図などを含んでいるという点だけでも“危険な映画”に分類されたと解釈される。朴槿恵(パク・クネ)政権の4年を通じて、映画界では俳優・シナリオ・監督に関係なく社会批判的な映画は投資を受けられないということが公式のように固まった。

 

 『梨泰院(イテウォン)殺人事件』を作ったホン・ギソン監督の新作『一級機密』も母胎ファンドから投資を拒否され、地域映像委員会と個人投資家の支援で映画を作った。 軍内部の不正を扱ったこの映画は、キム・サンギョンが中佐出身の軍人デイク役を、キム・オクビンがデイクと共に事件を追跡する放送局記者役を、チェ・グィファが不正と関連した悪役を演じた。映画を配給するリトルビッグピクチャーズのクォン・チウォン代表は「軍内部の不正を扱ったという理由で母胎ファンドの後にも何度も投資を拒絶されたが、かろうじて9日に撮影を終え、来年初めの封切りを待っている。最近のチェ・スンシルゲート以後、投資会社も以前には拒否したプロジェクトを肯定的に検討し始めている。態度の変化を期待する」と話した。リトルビッグピクチャーズは、来年には五大洋事件を素材に権力と宗教集団のコネクションを暴いた映画『大洋』の製作に入る予定だ。

 

『タクシー運転手』のポスター=ショーボックス提供//ハンギョレ新聞社

 来年は1980年5月の話を扱った『タクシー運転手』も公開される予定だ。光州(クァンジュ)民主化運動を世界に知らせることになるドイツの記者を乗せて、ソウルから光州までタクシーを運転した実在のタクシー運転手の話を基に作った映画で、ソン・ガンホがタクシー運転手役を、トーマス・クレッチマンが特派員役を演じた。この映画は『高地戦』のチャン・フン監督がメガホンを取り、今年6月に撮影に入ったが外圧を憂慮してキャスティング以外は一切の内容を外に知らせなかった。

 

 息を殺していた商業映画が最近の時局変化に力づけられて姿を現している間に、困難な状況でも頑張り続けた独立映画は一層鋭い批判の刃を研いでいる。来年初めに封切りされる『メメント・モリ』(監督イ・マリオ)は、2012年国家情報院の選挙介入時点に立ち戻って私たちの記憶を喚起するドキュメンタリーだ。李明博(イ・ミョンバク)政権から今まで続いた言論弾圧と戦いの歴史を含むキム・ジンヒョク監督『7年 彼らがいない言論』は1月12日の封切りを確定した。全州(チョンジュ)国際映画祭上映作であり、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀韓国ドキュメンタリー賞と観客賞を受賞した映画だ。来年上半期にはタンジ日報が製作してきた3編の映画『インテンション』『貯水池ゲーム』『ザ・プラン』が順に封切りされる。セウォル号、不正開票、李明博政権の秘密資金疑惑など山のように積もった疑惑を追跡するドキュメンタリーだ。

 

ナム・ウンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


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