民族解放闘争の歴史を披露/留学同京都総合文化公演
留学同京都総合文化公演2016「チョハヌル(저하늘)~つむぐ思いは青く広く~」が2月20日、京都市国際交流会館イベントホールで行われた。総聯京都府本部の金尚一委員長をはじめとする活動家、同胞、日本市民ら約200人が観覧した。
悩み、葛藤描く
総合文化公演は「民族解放闘争と朝鮮留学生」をコンセプトに構成され、様々な時代を生きた朝鮮留学生たちの民族解放闘争の歴史が各演目によって披露された。
冒頭のサムルノリ演奏と創作舞踊は、専門家による指導のもと、留学同京都の学生たちが一から創り上げ、日帝による植民地支配に果敢に立ち向かう朝鮮留学生の姿が描かれた。
続く演劇は、1960年代と現代の二部で構成された。前半の演劇では韓日会談が進められている情勢の中、祖国を思いながら活動する先代の朝鮮人学生たちを描いた。また、現代の演劇では、祖国の分断状態が深刻化するなか、今を生きる朝鮮人学生たちの悩みや葛藤の姿を描いた。
演劇はまた、留学同の「機関誌」を中心にストーリーが展開された。タイトルのチョハヌルとは留学同京都で26年間続く機関誌の名称であると同時に、 時代が移り、活動のスタイルが変わっても、朝鮮人学生たちがつづる思いは、空(하늘)の色が変わらないように、いつの時代も同じであるという思いが込めら れている。
演劇の間には、1960年代から2000年代までの南の民衆による民主化闘争や統一運動の映像をバックに、吹奏楽による「私たちの願い(우리의 소원)」が奏でられた。
公演の最後は、日本各地の留学同の学生たちが祖国統一への思いをフレーズに込め、それらをつなぎ合わせて作詞して完成させたオリジナル曲「統一を夢見て(통일을 그리며)」を出演者全員で大合唱した。
「学んだこと忘れない」
公演を観覧したある同胞は、「演劇の内容が今の情勢をしっかりと捉えていて、同胞学生の葛藤が上手に描かれていた。在日朝鮮人として生きていくうえで夢や理想を抱いて運動していくことが大事だと、演劇を通して思った」と感想を述べた。
「現代の演劇」で主役をつとめた成直美さん(京都建築大学校1年)は、「この公演を通して、留学同が私にとって自分らしくいられる場所になった。こ の1カ月、辛いときも楽しいときも共にしてきた仲間たちとの日々が本当に大切な思い出になったし、いい経験になった。これからもこの公演を通して思ったこ と、考えたことを忘れずに留学同の活動を頑張っていきたい」と語った。
また、4月から日本の企業に就職を控えている金英伸さん(立命館大学4年生)は、「公演準備過程で留学同の卒業生の言葉を聞く機会があった。今年で 結成71年になる留学同が、どのように今日まで続いて来たのかを先輩たちの話や文章から知り、その思いを自分たちが実現させていかないといけないと感じ た。今後も留学同で学んだことを忘れず活動を頑張っていきたい」と話した。
一方、会場にはこれまでの留学同京都の歴史を写真や機関誌、パネルなどによって展示する企画「留学同京都の歩み 1945~2015」が行われた。またこの日、留学同京都主催による新成人祝賀会が、80人の同胞学生たちの参加のもと盛大に行われた。 朝鮮新報より
【留学同京都】