ジェンダー関連本が排除された(5/3記事)
昨日、友人の敦賀市議・今大地晴美さんが福井県に対して、
住民監査請求と抗議文を提出しました。
文書はまず名あて人に、それぞれFAXした上で郵送。
午後2時から記者発表をされたそうです。
病気をかかえながら市民派議員として「ちゃんと」はたらく
今大地さんの姿には胸があつくなります。
わたしは心から、今大地さんを応援してます。
で、もちろん賛同者にいれてもらいました。
-がんと闘い 環境を守る-「50歳プラス」を生きる
(05.10.16付 中日新聞)
今朝の中日新聞・社会面で以下の記事を見つけました。
男女共同参画の本撤去 福井県
上野教授らの著書150冊
敦賀市議ら県に抗議
福井県生活学習館(福井市)が三月末、情報ルームの蔵書のうち、男女共同参画関係の約150冊を「過激で性的な表現のある書籍は置かない方がよい」との指摘を受け、書架から撤去していたことが分かり十一日、同県敦賀市の今大地晴美らが、西川一誠知事に抗議文を、県監査委員に住民監査請求書をそれぞれ郵送した。
県によると、撤去されたのは、上野千鶴子東大教授の「スカートの下の劇場」や福島瑞穂社民党党首の「結婚はバクチである」など。昨年十一月に同学習館の企画に携わっている学習事業推進委員の一人から県に申し入れがあり、三月末に本を事務室に移したという。
今大地市議らは「県民の目にふれない場所に撤去されたことは、閲覧できる備品として購入された図書本来の目的を無にする行為であり、憲法で禁止した検閲だ」などと主張。監査請求書では「書架に戻さない場合は県有財産の管理を放棄する行為」に当たるとして購入費30万円を県に変換するように求めている。
県生活学習館は本を書架に戻す方針で検討しているという。
------------------------------------------------
2006.5.12中日新聞(社会)
今大地さんからも、朝刊各紙の記事がFAXで送られてきました。
中日新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、
県民福井、産経新聞、共同通信(配信)とどこも大きく扱っています。
そのなかから、地元の福井新聞(5/12付)を引用して紹介します。
------------------------------------------------------------
ジェンダー関連書排除 県生活学習館
敦賀市議が抗議文 「憲法違反」監査請求も
・・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・
同館によると、このうち上野千鶴子東京大教授の著作「スカートの下の劇場」など約150冊を3月下旬、情報コーナー書架から貸し出しカウンター近くの事務室に移した。昨年11月、男女共同参画推進委員の一人から「男女共同参画の趣旨にそぐわない」「内容が過激」などの指摘を受けたことから、内容を確認するためで、閲覧や貸し出しは可能な状態だったという。
同市議の請求は排除された本を元の書架に戻すよう要求、戻さなかった場合は関係者に本の購入代金を賠償するよう求めている。
同館では確認作業を間もなく終え、近く書架に戻すという。定池りゆ子館長は「行政が思想的、宗教的な観点から書籍を選別できないことは自覚している。今回は委員の意見に真摯に対応、確認するため一時、棚から下ろした.本はすべて元に戻す方針」としている。
------------------------------------------------------------
福井新聞(2006.5.12)
「行政が思想的、宗教的な観点から書籍を選別できないことは
自覚している。今回は委員の意見に真摯に対応、
確認するため一時、棚から下ろした.
本はすべて元に戻す方針」ということですが、
オーッ言ってくれますねえ、という率直な感想。
さらに読売新聞によると、
「県民の真摯な意見に応じて中傷や人権侵害がないか、
書架から移して一冊ずつ中身の確認をしており、撤去ではない。
作業を来週にも終え、問題がなければ元の書架に戻す」
ととんでもない釈明をしている。
そもそも館長ともあろうものが、
「公権力の検査=本の中身を読んで選別する発想自体が、
表現の自由、思想の自由である基本的人権の侵害であり、
憲法で禁止されている検閲」と自覚してないんでしょうかねえ??
コメントによると、「思想の自由の侵害」は、自覚しながらも、
憲法違反の推進委員の意見に「真摯に検閲」とはあきれます。
「棚からおろし」といて、抗議されたら戻しますって
責任者として恥ずかしくないんでしょうか。
「ほんとはおろしたくなかった」ってことなのもしれませんが、
余計な「やぶヘビ」コメントしなきゃ、墓穴ほらないのにね(笑)。
机の下にあろうと、別室にあろうと、自宅に持ち帰ろうと、
所定の場所に本(備品)がなければ、隠匿は隠匿。
これが公文書なら「公文書隠匿」の犯罪行為。
役所のカウンターに置いてあるパネルやパンフを、
「見苦しいから」と隠したりしたら、処分ものです。
で、元に戻せばよい、というもんでもないと思うんですけど。
「家族の解体を目指すなど内容が過激」と指摘する
書籍リストを作り、撤去を要請」(産経新聞より)
したとされるのは、「男女共同参画推進委員」だとか。
「学習事業推進委員」とも書いてありますが、
市民ではなく行政から委嘱された非常勤職員でしたら、
法違反をしたのですからなんらかの責任をとるべき。
男女共同参画の個別政策以前の問題です。
とはいえ、こういうことが起きると、
「委員」がだれになるかの問題は、やっぱり「憂慮」しますね。
「東京都の男女平等参画政策の後退を憂慮する!」HP
(↑こちらの署名は18日までです)
と次から次へと言いたいことは多々あるけど
長くなるので、
以下に、今大地さんから送っていただいた、
「男女共同参画関連特定図書隠蔽事件に関する監査請求書」
と福井県知事あての「抗議文」を紹介します。
====================================================
男女共同参画関連特定図書隠蔽事件に関する
住民監査請求 (福井県職員措置請求書)
第1 請求の要旨
1. 概要
福井県の男女共同参画センターの役割を担う福井県生活学習館において、本年3月に、上野千鶴子さんらの著書150冊が書架から排除された。
本家明美・男女共同参画課長によると、「本は排除したのではない。一県民からの要請があり、検討するために移動しただけである。」とのことだが、何を、いつ、誰が、どのような基準で検討するのかということも明らかにされずに、3月に排除された。
新聞報道(第1.2.3号証など)には、150冊のうち21冊の書籍名・著者名が記載されているにもかかわらず、150冊の書籍リストの公表はできないとの回答であった。
2. 違法性
本件は、次の点においても、違法なものである。
(1) 同生活学習館の図書は、県民の貴重な税金である県予算の一般財源のうちの備品購入費で購入されたものである。それらの図書のうち150冊が、県民の目に触れない場所に排除されていることは、県民の閲覧に供する備品として図書購入された本来の目的を無にし、県費を無駄にする行為である。
(2) 同時に、本件は、行政職員による県有財産の管理を放棄する(怠る)違法な行為である。
(3) 思想の自由、表現の自由は憲法に定められた基本的人権であり、同時に、憲法で禁止された検閲であって、憲法違反である。
(4) 社会通念上も、公序良俗としても、社会正義としても、このような財産管理行為は許されない。
3. 福井県の損害及び財産の管理を怠る事実
本件約150冊の購入代金は約30万円と思料される。これは、そもそも県の損害にあたるというべきであり、財産の管理を怠る事実である。
排除された図書150冊は、速やかにもとの書架に戻されなければならない。
4. 職員
本件図書の隠蔽の意思決定と具体的行為に関与した知事ほか福井県職員及び同業務を行為した関係者らは、上記損害について連体して賠償責任を負う。
5. 請求人は監査委員に、職員に連帯して金30万円を返還するよう勧告すること、もしくは、同図書資料を直ちに正規かつ本来の管理状態に復帰させるよう勧告することを求める。
以上、地方自治法題242条第1項により、事実証明を添えて、必要な措置を請求する。
2006年5月11日
福井県監査委員 各位
---------------------------------------------------------------------
簡潔で明快。いい文章ですね。
監査請求は福井県の「住民」しかできませんので、
今大地さんおひとりで出されたそうです。
こういうのを読むと、
数はあるに越したことはないけどひとりでもできることは多い、
って、つくづく思いますね。
以下は、わたしも賛同した抗議文です。
抗議文
2006年5月11日
福井県知事 西川一誠様
福井県の男女共同参画センターの役割を担う福井県生活学習館において、本年3月に、上野千鶴子さんらの著書150冊が書架から排除されました。
本家明美・男女共同参画課長によると、「本は排除したのではない。一県民からの要請があり、検討するために移動しただけである。」とのことですが、何を、いつ、誰が、どのような基準で検討するのかということも、明らかにされておらず、3月に排除されたままの状態が今も続いています。
また、新聞報道(4月28日付世界日報、5月4日付読売新聞、5月10日付中日新聞)には、150冊のうち21冊の書籍名・著者名が記載されているにもかかわらず、150冊の書籍リストの公表を求めたところ、行政情報であるから公表はできないとの回答でした。
同生活学習館の図書は、県民の貴重な税金である県予算の一般財源のうちの備品購入費で購入されたものです。それらの図書のうち150冊が、県民の目に触れない場所に排除されていることは、県民の閲覧に供する備品として図書購入された本来の目的を無にする行為であり、行政職員による県有財産の管理を放棄する違法な行為です。
思想の自由、表現の自由は憲法に定められた基本的人権であり、同時に、憲法で禁止された検閲である今回の150冊の図書排除について、わたしたちは見過ごすことはできず、今回の図書排除の行為に対し、強く抗議するものです。
排除されたままになっている図書150冊については、速やかにもとの書架に戻されるよう、強く要望します。
敦賀市議 今大地 晴美 他 2団体 44名
============================================================
今後は、情報公開を待って、
いつ、どこで、だれが意思決定をしたのか、
事実関係を精査してあきらかにしたいですね。
マーガレット
ディモルホセカ
写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大。
戻ったそうそうに「お花」に関係ない記事で、
またランキングがダウンの雲行き(笑)。
お花も好きだけど、他のことも書きたいみどりです。
あたまがふたつほしいよ~
⇒♪♪人気ブログランキングに参加中♪♪
ワンクリックしてね♪