「ブログ炎上で初摘発」の記事。
ちょうど三重県に出かけるところだったので、
帰ってからアップしたいと付箋をつけておいた。
![]() 読売新聞 2009.2.5 著名人などのブログに悪意の書き込みが集中して閉鎖に追い込まれたりする問題で、警視庁は、男性タレント(37)のブログを攻撃した17~45歳の男女18人について、名誉棄損容疑で刑事責任を追及することを決めた。 「殺人犯」などと事実無根の書き込みが繰り返されたという。警察庁によると、「炎上」と呼ばれる現象を引き起こす集団攻撃の一斉摘発は初めて。匿名を背景にエスカレートするネット世界の“暴力”に歯止めをかける狙いがある。 18人、名誉棄損容疑 警視庁関係者によると、18人は大阪府高槻市の国立大職員の男(45)、千葉県松戸市の男(35)、札幌市の女子高校生(17)ら。すでに自宅などを捜索してパソコンや携帯電話のデータを押収、近く同容疑で書類送検する。 被害に遭ったのは、テレビのお笑い番組などで活躍していた男性で、18人は昨年1~4月、男性が開設したブログ上で、少年4人が殺人罪などで実刑判決を受けた東京・足立区の女子高生コンクリート詰め殺人(1989年)に、男性が関与したといういわれなき中傷をした疑い。「人殺しが何で芸人やるんだ」「死ね、犯人のくせに」「てめえは何をしたと思ってるんだ」――などの書き込みが、この短期間に数百件に上ったという。 きっかけは約10年前、所属芸能事務所が「足立区出身の元不良」とのうたい文句で男性を売り出したこと。その後、インターネットの掲示板に、男性を犯人扱いする書き込みが始まった。所属事務所は2002年、ホームページ上で「事件とは全く無関係」と告知したが、効果はなかった。 男性のブログは中傷を消しても消しても、後から書き込まれる状態が続き、昨年4月、男性はブログを書き込み禁止にするとともに、「タレントとしての名誉が著しく傷つき、芸能活動に重大な支障が生じた」として、中野署に被害届を提出した。 警視庁で通信記録を調べたところ、数十人が書き込みをしており、その中から執拗に悪質な書き込みを繰り返していた18人を特定した。 ネット上での中傷被害は年々増加しており、警察庁によると、全国の警察への被害相談件数は07年、過去最高の8871件。08年も上半期だけで5482件に上っている。 ブログ インターネット上に誰でも開設できる日記形式の簡易ホームページ。閲覧者が意見や感想を書き込むことができるコメント欄のあるものが主流。閲覧者は匿名で書き込める。このため、開設者の態度や言動に反感を持つ人から批判や中傷が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が増え、社会問題化しつつある。 (2009年2月5日 読売新聞) ------------------------------------------------------------------------ ![]() 中傷の連鎖 歯止め 警視庁が異例の一斉摘発に乗り出した男性タレント(37)のブログ炎上事件。ささいな発言などがきっかけとなって批判の集中砲火を浴びる炎上は、インターネット人口の増加に伴い目立ってきた。悪意の矛先は話題になりやすい著名人ばかりではなく、一般の人にも向けられつつある。 矛先、一般人にも 「犯人扱いされ、そのせいでいろんなことがあった」 被害者となった男性タレントは昨年8月、自分のブログでこう心情を吐露した。 このタレントは長年、東京・足立区で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件に関与したという事実無根の中傷を受け続け、昨年4月からは自らのブログの書き込みを制限。悪質な書き込みは、タレントに好意的な投稿者のブログにまで「飛び火」し、そこでもタレントの中傷が続けられたという。 不特定多数から批判コメントなどが殺到するこうした現象がネット上で目立つようになったのは2003年頃。いったん批判に火がつくと手に負えなくなるほど広がり、ブログの閉鎖などに追い込まれる状況を火事などに見立て、「炎上」という言葉が生まれた。「祭り」と呼ばれることもある。 著名人のブログが攻撃を受けるケースは少なくない。 評論家の池内ひろ美さん(47)の場合、ブログでの発言を不愉快に感じた人たちからの中傷や脅迫が殺到。ネット掲示板に「(池内さんの講演会が)血の海になる」などと書き込み、講演会を中止させた無職の男が07年2月に脅迫などの容疑で逮捕された。その後も、掲示板に「暴力団組長の娘だ」などという事実無根の中傷が続いているといい、池内さんは「家族への中傷もあり、強いショックを受けた」と話す。 プロゴルファーの上田桃子さん(22)も、07年10月にテレビ番組でバスケットボールやバレーボールについて、先が見えないスポーツであるかのような発言をした後、批判がブログに集中し、一時閉鎖に追い込まれた。 攻撃の対象は一般の人にも広がっている。最近では、自分のブログで山口県光市の母子殺害事件の被害を矮小化するような書き込みをした大学准教授や、交流サイトに「有害物質メラミンの入ったピザを食べたとうそをつき、ファミリーレストランからカネをとった」と書き込んだ高校生などが、それぞれネット上で批判を浴びた。 ウェブコンサルタントの伊地知晋一さん(40)の元には昨年以降、企業や一般の人から炎上対策についての相談が増加しているといい、「炎上はネットの中だけで完結する次元の話ではなく、個人の生活や企業イメージを左右する危機管理の問題になった」と指摘する。 メディアジャーナリストの藤代裕之さん(36)は「掲示板の情報を簡単に信じ込み、自分も安易に書き込みに応じてしまうような傾向がみられ、ネット上のマナーを学べる環境整備が必要」としている。 ネットの悪弊、歯止め必要 警視庁の狙いは事実無根の書き込みが拡散し、新たな中傷を生むネット社会の悪弊に歯止めをかけることだ。 ネット先進国の韓国では昨年、ネット上の中傷を苦にした人気女優(当時39歳)の自殺を契機に、「サイバー名誉棄損罪」を新設する動きが出ている。日本でも「炎上」の被害は深刻化しており、多くのブログや掲示板には他人を中傷する文言が並ぶ。 ネット犯罪に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「匿名のネット社会とはいえ、一方的に中傷された側の社会的、精神的ダメージは計り知れず、摘発の意義は大きい」と話す。ホームページ上の記載を巡り都内の男性が名誉棄損罪に問われていた事件の控訴審判決で、東京高裁は先月30日、「ネット上でも名誉棄損成立の条件は同じ」などとして、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、有罪とした。 今回の事件では、警視庁の事情聴取に対し、多くは「気軽に書き込んでしまった。こんなことになるとは思わなかった」などと供述しているという。書き込みする人は今後、炎上に安易な気持ちで加わるだけで捜査対象になることを肝に銘じるべきだ。(安井良典) (2009年2月5日 読売新聞) |

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この問題は、わたしにとっても他人事ではない。
堺市「特定図書排除」事件で、アクセスとコメントが殺到して、
どこのだれとも分からない人たちから攻撃を受けた被害者として。
この事件については、共同通信が配信した記事を京都新聞が取り上げ、
それが「2ちゃんねる 痛いニュース」にアップされ、
その掲示板に匿名者から、「監査請求」した当事者として、
わたしの2ヶ月も前の監査請求提出の記事がリンク(貼り付け)されたことによる。
ブログの記事自体は、堺市への「監査請求」提出の報告なのだが、
直後から、この記事にアクセスとコメントが増えはじめ、
一日で2万アクセス超、コメントは数十件にのぼった。
投稿者は匿名が多く、暴力的かつ攻撃的な内容で、
セクシャルマイノリティを差別する言葉も多かった。
わたしは、コメントがつくたびに「gooブログ」の規約に則って削除したが、
記事へのアクセスと嫌がらせのコメントはその後も届いている。
ネットによる誹謗中傷や名誉毀損は、「ネットに限って基準を変えるべきでない」、
「ネットの書き込みといえども、根拠の乏しい中傷には法的責任が伴うという」
という画期的な判決が出たが、ネットによる誹謗中傷は、
家のなかに、嫌がらせの手紙や脅迫文が投げ込まれたと同じだと、わたしも思う。
見ず知らずの人からの失礼なコメントは「家に土足で踏み込まれた」ようなものだ。
炎上を防ぐための対抗手段として、コメントは一時的に「事前承認制」にして、
「許可」しなかったものは「保留」にして保存してある。
堺市の図書排除事件の関連では、複数の掲示板にスレッドを立てられ、
事務局のわたしと代表の上野さんが名指しで誹謗中傷されている。
今回の摘発や判決をきっかけに、「ネットの言動は実生活と同じ」
とネットユーザー自身が自覚してほしい。
名誉棄損:ネットに中傷文 無罪破棄し罰金命令 東京高裁 毎日新聞 2009年1月30日 ラーメンチェーン経営会社を中傷する文章をインターネットのホームページ(HP)に掲載したとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(37)の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審の無罪判決を破棄し、求刑通り罰金30万円を言い渡した。ネット上の書き込みで同罪が成立する要件について、1審は「マスコミ報道や出版の場合より限定すべきだ」と判断したが、長岡哲次裁判長は「ネットに限って基準を変えるべきでない」と覆した。 橋爪被告は02年10~11月、HPに「経営会社はカルト団体が母体」などと記載したとして在宅起訴された。1審・東京地裁は08年2月に「利用者が互いに反論でき、情報の信頼性も低いと受け止められている」などとネットの特性を挙げ「内容が真実でないと知っていたか、水準を満たす調査をしなかった場合に限って名誉棄損罪が成立する」との新基準を示した。 これに対し、2審は「ネット情報が不特定多数に閲覧されることを考えると、被害は深刻になり得る」と指摘。ネットに限って名誉棄損罪の成立要件を限定するのは「被害者保護に欠け、適当ではない」と結論付けた。 判決後、橋爪被告は「やれるだけの調査をしたのに刑事罰を科せられては、個人の表現が萎縮(いしゅく)してしまう。問題企業や団体をサイトで告発している個人が片っ端から犯罪者にされてしまうのか」と話し、上告の意向を示した。東京高検の渡辺恵一次席検事は「適正、妥当な判決」とのコメントを出した。【伊藤一郎】 (毎日新聞 2009年1月30日) |
◆ブログの炎上/「実例で学ぶ!」のシリーズも /
「炎上」の研究 対策は「無視」と「忘れること」
2009年2月6日(金)17時0分配信 夕刊フジ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 甲南大大学院の園田寿教授は「ネットの書き込みといえども、根拠の乏しい中傷には法的責任が伴うという判決が先月下ったばかり。炎上の被害にあった時は、すぐに警察かプロバイダーに連絡するべきです」とアドバイスする。ネット上の書き込みには必ず“足跡”が残るので加害者の特定は容易だからだ。だが、「それでも“ネットでは顔がバレない”と思いこんでいる初心者ユーザーは多い」(ITジャーナリスト)のが現状。「不用意な人たちによる稚拙な犯罪は繰り返されるだろう」(同)という。・・・・・・・・・・・・・・・
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ブログ炎上事件のコメント欄 なぜ閉鎖しなかったのか
2009年2月6日(金)21時13分配信 J-CASTニュース
・・・・・・・・・・・・・・・・ネット上の問題に詳しい紀藤正樹弁護士は、2009年2月6日発行の東京スポーツの記事で、ブログなら削除やコメント禁止などの対処法があったため、警視庁が名誉毀損の疑いのある18人を逮捕せずに、書類送検する方針に留めたとの見方を示している。スマイリーさんが対処不可能な2ちゃんねるなどへの一方的な書き込みなら、逮捕していたはずだというのだ。・・・・・・・・・・・・・・
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最後まで読んでくださってありがとう

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