本を読むことも、長年の習慣になっていて捨てがたい。
本屋や図書館で最新刊を見つけてきては何冊かを濫読するので、
パソコン周りや食卓は本が積みあがってる。
それはそれでわたしにとっては幸せなんだけど、
なかなかブログに紹介できない。
ここ数ヶ月で読んだ、心に残っている本をまとめて紹介します。
松本 百合子 (翻訳) /ヴィレッジブックス )
出版社 / 著者からの内容紹介
性器切除――このおぞましい因習をいますぐ止めなければいけない
年間200万人の少女たちが今も犠牲となっている
驚愕の告発、全世界に衝撃! 全女性に勇気を与えるノンフィクション
両肩を押さえつけられ、脚を大きく広げられた。ぎらりと光る恐ろしいカミソリ――
7歳のあの日、私は「切除」された――。
性器切除――アフリカ約30カ国を中心に世界各地で行われ、
毎年200万人、毎日6000人近い少女が犠牲となっている。
これまでに切除された女性は1億3000万人以上と推定されている。
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『もう、服従しない― イスラムに背いて、私は人生を自分の手に取り戻した
(アヤーン・ヒルシ・アリ (著), 矢羽野薫 (翻訳) /エクスナレッジ)
新聞記事
もう、服従しない―イスラムに背いて、私は人生を自分の手に取り戻した [著]アヤーン・ヒルシ・アリ [掲載]2008年11月23日 朝日新聞 [評者]松本仁一(ジャーナリスト)■イスラム批判がもたらす脅迫の日々 「イスラムは間違った宗教だ。預言者ムハンマドは変質者だ」とイスラム教徒が口にしたらどうなるか。間違いなく命をねらわれることになるだろう。そう公言した女性の物語である。 著者のアヤーンはソマリアで育った。性器切除をされ、神と男性への服従を強制され、それに疑問を持つことも許されない。22歳のとき、親の決めた結婚を拒否してオランダに逃れ、国籍を取得した。そして考える。 オランダは野蛮な異教徒の国といわれた。なのに豊かで、人々は親切だ。異教徒の国の方がイスラム教国より寛容で暮らしやすいのはなぜだろう。イスラムが間違っているのではないか……。 その率直なイスラム批判が政党の目にとまる。選挙にかつぎ出され、オランダの国会議員になってしまう。そして脅迫が相次ぐようになる。 そんなある日、彼女の映画化を企画したオランダ人の監督が路上で殺される。脅迫は現実となった。警護官に守られて転々とする生活が始まる。議員辞職に追い込まれ、いまも居場所は極秘だ。 この本は、イスラムと先進国社会の関係について、多くの根源的な問題提起をしている。たとえば、他の価値観を認めない人々と、宗教の自由とをどうすりあわせるかという問題だ。 オランダは、難民が持ち込むイスラム社会の慣習もそっくり容認した。そのため移民はオランダ社会に統合されず、「別に暮らし、別に勉強して、別に社会生活を営むように」なっていく。 彼らはオランダでも女子に性器切除をし、女性をたたき、服従を強制する。その結果、国内で起きている女性や子どもの苦しみを、オランダは無視することになった。やがて国内で宗教テロが行われるようになる。それでいいのか、と彼女は問いかける。 彼女の意見は尖鋭(せんえい)なイスラム否定で、そのまま受け入れにくい部分も多い。しかし彼女が提起した問題は、グローバル化の中で世界のどこにでも現れてくる現象だ。オランダ社会が受けた衝撃は他人事(ひとごと)ではない。 ◇ INFIDEL、矢羽野薫訳/Ayaan Hirsi Ali 69年、ソマリア生まれ。現在は米国在住 (2008年11月23日 朝日新聞) |
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『凌辱されるいのち―沖縄・尊厳の回復へ 』
(安里 英子著/御茶の水書房/2008.11)
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『ナショナリズムの狭間から―
「慰安婦」問題へのもう一つの視座』(山下英愛/明石書店)
ナショナリズムの狭間から―「慰安婦」問題へのもう一つの視座 [著]山下英愛 朝日新聞 [掲載]2008年9月14日 [評者]赤澤史朗(立命館大学教授・日本近現代史)■民族主義的世論の狭隘さを指摘 他民族の支配者によって引き起こされた性暴力事件が明るみに出ると、しばしば被支配民族からの怒りの声が沸騰する。韓国社会での日本軍「慰安婦」問題の受け止め方は、そうしたものであった。 日本政府に向けられた民族的反発の盛り上がりは、元「慰安婦」の韓国人女性が公然と名乗り出て、その尊厳を回復することを手助けした。しかしその民族主義的世論は、売春婦出身ではない韓国人「慰安婦」だけを、民族の犠牲の象徴とするものだった。それはさまざまな種類の軍「慰安婦」全員を、性暴力被害者として救済する論理ではなかったのである。 本書は、日本軍「慰安婦」問題を大きな国際問題にまで押し上げた韓国の民族主義的世論にも、男性中心的な狭隘(きょうあい)さが含まれている矛盾を指摘したものだ。著者によれば日本軍「慰安所」制度は、公娼(こうしょう)制度を元にして軍が作ったものだった。公娼制度とは、女性が家や親に縛られた状態の下で、その女性があたかも自由意思で娼妓(しょうぎ)になったという契約によって行われる売春制度である。著者は、娼妓には自己決定権がなく、公娼制度は女性を性奴隷化する装置だとしている。 軍「慰安所」制度には軍が直接かかわり、人種差別的で暴力的な様相が強く、公娼制度より性奴隷化の程度は高いといえる。しかし娼妓も性奴隷である以上、たとえ娼妓出身の軍「慰安婦」であろうと、性暴力被害者であることは変わらないとするのが著者の考えである。それは韓国の民族主義的世論にも、軍「慰安婦」を自由意思の売春婦扱いする日本の右派の見方にも、対立する考え方だった。 日本人の母と朝鮮人の父の間で生まれた「在日」の著者は、ナショナル・アイデンティティーの問題で悩み、ある時から「やましたヨンエ」という日本姓と朝鮮名の呼称を組み合わせた独特の姓名を名乗るようになった。著者は韓国の女性運動が、民族主義的な観点だけに左右されない可能性を持っていることに期待している。ナショナリズムを超えていこうとする彼女の生き方が伝わる本だ。 ◇ やました・よんえ 59年生まれ。立命館大学非常勤講師(女性学)。 (朝日新聞 2008年9月14日) |
『日本における多文化共生とは何か』
(朴鐘碩・上野 千鶴子著、崔勝久・加藤千香子編集/新曜社 )
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『在日一世の記憶』(小熊英二・姜尚中編/集英社新書)
本よみうり堂『在日一世の記憶』小熊英二、姜尚中編 強烈な異質 52の足跡 文化とは悲しいものだ。在日コリアンを描いた映画『血と骨』を見たとき、そう思った。在日一世を演じる日本人女優の身のこなしが、全く朝鮮人に見えないのである。歩く仕草ひとつでも、内股(うちまた)が緊張しすぎている。両脚の間に風が吹き通るようでなくては朝鮮人にならないのだ。 文化は、どんな断片にも全体が宿っている。だから、声の出し方、座り方、殴られ方、どれをとっても、すべての断片が否応なく全体と調和してしまう。その桎梏(しっこく)が悲しいのだ。日本人はおそらく100回稽古(けいこ)しても、朝鮮人の物腰にはならないであろう。 浮薄な今風の理論では、文化はごく簡単に軽々と越境し混淆(こんこう)するとされる。しかしそれは嘘(うそ)だ。文化は容易に越境なぞできぬ。そして越境できない人をうとんずるのではなく、いとおしみ敬意を抱くのが、文化を知る者の振る舞いであろう。 本書では52人の在日コリアン一世が自分のライフ・ヒストリーを語っている。想像を絶する貧困と差別、自尊心の闘争と生存へのもがき、民族のための献身と終わりなき夢。それらがごつごつとした言葉で語られている。 志半ばかもしれないが、皆何らかの達成感と誇りを持っている。日本社会にくっきりと足跡を残したのだ。もちろん本書に登場する強くて立派な在日たちが、「一世」を代表するわけではない。在日はもっとずっと多様なのである。だが本書を読めば、戦前から戦後の長い間、日本人はこのような在日と一緒に暮らしてきたのだということがわかる。一世たちは、日本人とは異なる仕草と感性と思考を過剰に発しながら、この社会を日本人とともにつくってきたのだ。 一世の持つ強烈な異質性は、二世になると日本社会と劇(はげ)しい化学反応を起こすが、三世、四世になると徐々に溶解していくように見える。しかし決して消滅するのではない。その痕跡を知るためにも、本書の中の声に耳を澄ませたい。 ◇おぐま・えいじ=1962年生まれ。慶応大学教授。◇カン・サンジュン=1950年生まれ。東京大学教授。 集英社新書 1600円 評・小倉紀蔵(韓国思想研究家) (2008年12月8日 読売新聞) ) |
読み終わった本は、忘れないように表紙をスキャンして画像は取ってあるけれど、
データがない本たちもたくさん。
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図書館の本は、いそがしくて返却期限切れ。
はやく返してこなくちゃ。
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今日は記念日。つれあいにプレゼントのお花が届きました。
最後まで読んでくださってありがとう
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「一期一会」に
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明日もまた見に来てね
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