みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

『上野千鶴子に挑む』千田有紀編・勁草書房&悩みのるつぼ(4/16)/統一地方選:いよいよ明日告示。

2011-04-16 19:16:01 | ジェンダー/上野千鶴子
うえのさんから届いた、千田有紀さんが編集された
『上野千鶴子に挑む』を読みはじめています。

本が届いてすぐに、はしがきと目次、
上野千鶴子さんのインタビュー「上野千鶴子から・学生に選ばれるということ」
と、千田さんの「あとがき」まで読み、
あとは、選挙の準備の合間に、少しずつ読んでいます。

かんたんに読める、という本ではありませんが、
刺激的で、とってもおもしろい本です。


『上野千鶴子に挑む』千田有紀 編・勁草書房
その挑戦に対し上野千鶴子はいかに応答するのか。師と弟子たちの白熱したやり取りを通して、上野社会学の全貌がいま明らかになる。

ISBN 978-4-326-65358-4
出版年月 2011年3月
判型・ページ数 四六判・520ページ
定価 定価2,940円(本体価格2,800円)

内容説明
「対」の思想、「おひとりさま」、「従軍慰安婦」問題、国民国家、消費社会論、男性学、主婦論争、ケア、暴力などの多岐に渡るテーマについて、上野研究室で学んできた研究者たちがこれまでの業績を踏まえた上で、新たなる視点や問題点を提起し、師に挑戦する。上野社会学の全貌を俯瞰するとともに、新たなる知の地平を切り拓く。

目次
はしがき[千田有紀]

第Ⅰ部 ジェンダー・家族・セクシュアリティ

第一章 「対」の思想をめぐって[千田有紀]
 1 新しいジェンダー・セクシュアリティ論の登場
 2 対幻想論
 3 マルクス主義フェミニズム
 4 主婦と家族をめぐって

第二章 主婦論争の誕生と終焉―なお継承される問い[妙木忍]
 1 主婦論争研究の開花
 2 一九八〇年代のフェミニズム論争
 3 「女性」は共通の基盤を有するか
 4 主婦論争のその後
 5 差異との共存を求めて

第三章 男性学の担い手はだれか[齋藤圭介]
 1 男はフェミニストになれるのか―男性学・女性学の党派性
 2 男性学を理解するためのごく簡単な通史
 3 フェミニズムを通過しない男性学は可能か―上野の男性学
 4 男女関係の強調が意味するもの―上野の男性学のメタ分析
 5 上野の男性学の功罪

第四章 「二流の国民」と「かわいい」という規範[宮本直美]
 1 自立したくない女
 2 フェミニズムが目指したもの・上野が目指すもの
 3 女というカテゴリー―連帯と共感
 4 当事者と自己語り
 5 女子文化
 6 女性性偏差値と「かわいい」
 7 「かわいい」の落とし穴

◆上野千鶴子による応答 Ⅰ・古証文を前にして

第Ⅱ部 文化の社会学

第五章 表現行為とパフォーマティヴィティ[栗田知宏]
 1 ことばへの「こだわり」とフェミニズム
 2 「男流」文学のミソジニー、そしてホモフォビア
 3 表現における「本質主義」的描写とオーディエンスの役割
 4 テクストの生産・解釈と「媒介」
 5 「文学」カテゴリーの解体と「女のことば」

第六章 消費社会論からの退却とは何だったか[新雅史]
 1 消費社会から格差社会へ?
 2 上野千鶴子の消費社会論とは
 3 タテナラビの差異化か、ヨコナラビの差異化か
 4 現代社会において消費社会のロジックはいかに貫徹されているか
 5 消費社会論の再審に向けて

第七章 異形のことば―バイリンガリズム/マルチリンガリズムとジェンダー[北村文]
 1 政治的なことば
 2 バイリンガルという闘い
 3 異形の声
 4 言葉とジェンダー
 5 英語と女
 6 ことばは届くか、ノイズは届くか

◆上野千鶴子による応答 Ⅱ・文化の社会学への越境

第Ⅲ部 ポストコロニアル・マイノリティ

第八章 対抗暴力批判の来歴[松井隆志]
 1 国家批判という問題系
 2 『共同幻想論』の誤読と呪縛
 3 国家の「発見」
 4 対抗暴力批判に至る「一貫性」

第九章 日本のポストコロニアル批判―ジェンダーの視点から見た沖縄[島袋まりあ]
 1 「従軍慰安婦」問題から沖縄へ
 2 抑圧移譲と日本帝国主義特殊論
 3 意識と無意識の間を這う暴力
 4 自己の統治とポストコロニアル批判
 5 両義的な主体

第十章 「慰安婦」問題の意味づけをとおしてみる上野千鶴子の「記憶」問題[福岡愛子]
 1 「記憶」がもたらした変化
 2 「慰安婦」証言の意味づけ
 3 「記憶」をめぐる「言説の戦場」における闘い
 4 思想と理論の闘いにおける問題点

◆上野千鶴子による応答 Ⅲ・国家というアキレス腱

第Ⅳ部 当事者主権

第十一章 「選択」としての「おひとりさま」言説の功罪[山根純佳・山下順子]
 1 家族のストーリーから「おひとりさま」のストーリーへ
 2 おひとりさまとは誰か?
 3 家族から友人へ?
 4 「おひとりさま」を支えるのは誰?
 5 誰もがおひとりさまになれる社会の実現に向けて

第十二章 ポスト「家族の世紀」の「おひとりさま」論[阿部真大]
 1 女性問題から高齢者問題へ
 2 「家族の世紀」の終わりと市民事業体の可能性
 3 現場ベースの啓蒙活動
 4 高齢者福祉と国家の問題

第十三章 「女縁」と生協の女性、そして地域福祉[朴姫淑]
 1 私の上野経験
 2 「女縁」の発見、ともに「女縁」を生きる
 3 アンペイドワーク? それとも「市民労働」?
 4 福祉経営における「協セクターの相対的優位」論批判
 5 「選択縁」的な組織で地域福祉は支えられるか

第十四章 「ニーズ」と「わたしたち」の間[伊藤奈緒]
 1 「ニーズの発信」だけで十分か?
 2 上野の連続性
 3 「当事者主権」と「ニーズ」という用語の登場
 4 「ニーズ」と当事者内部の複数性
 5 多様な「わたしたち」内部での葛藤と対話
 6 「誰にも代表されない私」と「好奇心」

第十五章 社会学は当事者に何ができるか[小池靖]
 1 社会学に出会う前
 2 当事者性とセラピー文化
 3 当事者主権から世代対立まで
 4 社会学の効用とは

◆上野千鶴子による応答 Ⅳ・「ケアされる側」の立場と当事者主権
 上野千鶴子による応答 文献

●上野千鶴子インタビュー(インタビュアー:千田有紀)
◇上野千鶴子から・学生に選ばれるということ

あとがき[千田有紀]

上野千鶴子主要著作目録
上野千鶴子年譜
執筆者紹介



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今日の朝日新聞be【悩みのるつぼ】の回答者は、上野千鶴子さん。

明日は朝が早いので、今日のうちにアップして紹介します。

 【悩みのるつぼ】仕事辞め、主夫希望する夫  相談者:医師 30代
2011.4.16 朝日新聞

 30代の女性医師です。
 数日前、映画ソフト制作会社のプロデューサーをする夫から、会社を辞めようと思うといわれました。社長の気まぐれな指示変更に振り回されるなどのストレスを抱え、また住まいのある地方都市から東京までの通勤も楽ではなく、以前ほど仕事に情熱を持てないようです。退職後のアイデアは具体的ではなく、特別やりたいことはないようです。生後2カ月の子どもがいるので、主夫をやってもいいようなことも言っています。
 本人も認めるように、妻が医師であり、自分が辞めても生活が成り立つことが判断に影響しています。だから私がOKか、というと釈然としません。
 私は、結婚してつまらない男の奴隷になるなら、一人で人生を謳歌(おうか)したいと思っていました。「医師」「団体役員」という私の肩書に頓着せず、私の収入が2、3倍多くても卑屈にもならず、自分の世界がある彼に誇りを持っていました。
 しかし、この時期に見通しもなく会社を辞めたら、そう簡単に仕事も見つからないでしょう。万一、彼が家でだらだらと過ごすことになったら、愛情を維持し続けられるか不安です。「男の沽券(こ・けん)など気にしない」という彼の美点と思っていた屈託のなさが、怠惰な自分への言い訳のように思え、私自身が世間と同じように夫を評価してしまいます。どうお考えですか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
回答者:社会学者・上野千鶴子
パートナーに求める優先順位を

 昔の回答者ならきっとこう言ったことでしょう。「夫をしゃんとさせたいなら、あなたが仕事をお辞めなさい」
 ……男を立てる、ことだけが女の生きる道だった時代のアドバイスですが、これではギャンブルですからリスクが高すぎます。医師という職業を投げ出す必要はありません。
 このご質問の男女が入れ替わっていたら、きっと何の問題もなかったことでしょう。問題を感じるのはあなたの側。夫には尊敬できるひとでいてほしい、しかも男として、というあなたの男性観が問題の原因のようですね。
 妻の仕事と活動を尊重し、妻のライフスタイルに合わせ、妻の育児に協力するつもりでいる「やさしい夫」に、そのうえ仕事の上で自分の夢を追求してほしいというのはちと欲が深すぎるのでは。夫に生活保障から社会的成功、性的満足から知的刺激、家事育児への協力から気配りと癒やしまで、何もかも求めるのはあきらめてください。
 そもそも両立しない項目が多すぎます。とりあえずあなたは夫に生活保障を求めなくてすむ恵まれた立場にいるのですから、パートナーに何を求めるかに優先順位をつけて、そうでない項目には目をつむることですね。
 しばらくは育児に協力してもらうのもよいかもしれません。が、夫婦の役割が逆転しても「主夫(婦)症候群」の閉塞(へいそく)感やイライラはなくならないことが経験者からわかっていますから、時限付きにするのも一案です。さる女性は子育て専念中に夫から次のように通告をされたと言います。「ボクは子どもを扶養する責任は感じるけど、キミを扶養する責任は感じないから、子どもが3歳になるまでに仕事を見つけてね」。今ごろになって言うなよ、と言いたい気分でしょうが。
 夫婦になろうが親になろうが、自分の人生は自分で生きるしかないもの。「妻のため」も「子どものため」も言い訳にはなりません。あなた自身が「夫のため」「子どものため」を言い訳にしないで生きていれば、その姿勢から夫は学ぶでしょう……え? もし学ばなかったら、ですって?
 男として尊敬できなくてもOK、でも人間として尊敬できなければ、それが関係の終わりです。ひとを見る目がなかったと己を呪い、すっぱり捨てましょう。ストレス源になる夫なら、いないほうがずっとましです。それができる自分の経済力を祝福して。
題字・イラスト きたむらさとし  


昨夜、上野さんのツイッターで激励していただいた、
連れ合いの寺町ともまささんの選挙は、いよいよ明日告示です。



上野さんからのうれしいエールも届いて、勇気百倍。
あとは、ゴールめざして、7日間の全力疾走あるのみです。

◆プロフィールと政策のページ/寺町ともまさ



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4月15日(金)のつぶやき

2011-04-16 01:27:44 | 花/美しいもの
14:03 from web
●寺町ともまさの新しい山県をつくる施策:だれもが幸せにくらせる<くらし・丸ごとサポート>プラン
http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/ffcc4c6ecc99e8956eff9acff64d8196
19:32 from web
P-WAN女のニュース : 東日本大震災:岩手沿岸、在宅介護機能せず 30カ所全壊(毎日新聞 2011年4月15日)
http://p-wan.jp/site/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=3486
by midorinet002 on Twitter
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