みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

<認知症事故訴訟>(上)介護の家族ら動揺と不安/(下)地域で見守る仕組みを 

2014-04-17 21:53:47 | ほん/新聞/ニュース
白い花が咲いた大型のシンビジウムの鉢を
薪ストーブを焚いているあたたかい部屋に置いておいたら、
さいしょに咲いた花軸が黄色くなってきました。
   
シンビは条件がよいと開花から一か月ほど持つのですが、
温度が高いと花持ちが悪くなるので、ちょっと涼しいトイレに移動しました。
   
広い部屋ではそれほど大きく感じなかったのですが、
トイレでは、鉢も花も存在感があります。
   
座るとすぐ横が花。
間近でじっくりと愛でることができます(笑)。

ウォーキングから帰ってきたら、朝のNHKで、
認知症で行方不明後に死亡した人の約3割が、一人暮らしのお年寄り、というニュース。

  認知症で行方不明後に死亡 約3割が独居
2014.4.17 NHKニュース

認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが、行方不明となり死亡した人の家族などを取材した結果、1人暮らしの人が全体のおよそ30%に上ることが分かりました。
専門家は「認知症になっても自宅で暮らし続けられるようにしようという、国の政策が実現されていないことを示すもので、早急な対策が必要だ」と指摘しています。

認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ9600人に上り、このうち351人の死亡が確認されています。
NHKは詳しい実態を調べるため、過去5年間に全国で行方不明になったとして警察や自治体に届けられた、およそ400人について取材しました。
このうち死亡が確認された112人について、家族や介護関係者などから当時の状況を詳しく取材した結果、1人暮らしの人が33人と、29%に上ることが分かりました。
なかには、症状から1人暮らしが困難だと介護関係者が判断したものの、すぐに入所できる施設が見つからず、そのまま自宅で暮らした結果、行方不明となり死亡した人もいました。
国は、認知症になっても精神病院に入院せず、できるだけ自宅で暮らし続けられるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実や、グループホームなどの施設の整備を進めていますが、こうした国の対策が、増え続ける認知症の人を十分に支えることができていない実態が浮き彫りになりました。
これについて、認知症の問題に詳しい本間昭医師は、「国の政策を実現するための手立てや資源が不足し、現場が追いついていないことを示している。早急に対策を考え、問題を解決していく必要がある」と話しています。 


一人暮らしが困難でも、入所できる施設が見つからず、自宅から行方不明になり
亡くなった方もいるとのこと。
誰かのサポートが必要な人が、ひとしれず行方不明になる社会。
弱者切り捨ての貧困な政策が、こんなところにも表れているようです。

一人暮らしをしていた母が元気な時、半日連絡がつかなくなっただけで、
事故に遭ったのではないかと心配して、娘たちが探し回ったことを思い出しました。

母は、家に鍵をかけ忘れて、一人で日帰り温泉に行っていただけでしたが、
もしそのまま見つからなかったら、と肝を冷やしました。

身近な人だったら、と思うと、心が痛みます。

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中日新聞生活面には、昨日と今日と、
<認知症事故訴訟>のことが取り上げられていました。

  <認知症事故訴訟>(上) 介護の家族ら動揺と不安
2014年4月16日 中日新聞

 愛知県大府市の認知症の男性=当時(91)=が電車にはねられたのは家族が見守りを怠ったからだとして、JR東海が遺族に賠償金を求めた訴訟の控訴審判決が二十四日、名古屋高裁で言い渡される。昨年八月、名古屋地裁がJRの請求を全面的に認めた判決は、認知症の人を在宅介護する家族らに衝撃を与えた。家族らの現状と、芽生え始めた地域での見守りを二回に分けて伝える。

◆24時間監視は不可能 社会の支え必要
 「夜中でも出ていくので気が休まらない」。認知症の夫(87)と二人で東京・多摩地方に住む女性(80)は語る。二月下旬の午前四時ごろ、がちゃりと音がして目が覚めた。玄関の鍵を開け、夫が出ていったのだ。既に夫の姿はなく、行き先も分からない。

 連絡を受けて捜し回った息子が午前六時、約一キロ離れた駐車場に止めてあった他人の車の中で、震えているのを見つけた。以前、商売をしていた店の駐車場だった。二年前、行方不明になった経験から、ベルトにつける衛星利用測位システム(GPS)端末を市から借り、防犯会社に捜索を頼む対策はしていたが、パジャマでの外出対策は盲点だった。以後、女性は玄関の鍵を二つ増やして三重に。「時間が稼げると思って」

 夫が脱出を試みることはないが「いつ出ていくかと思うと心配。判決は人ごとではない」と女性は話す。

 「認知症の人と家族の会」石川県支部の井沢恵美子代表(70)は、「認知症の人が出歩くのは必ず目的がある」と指摘。徘徊(はいかい)に悩んだ家族が、自分と認知症の人の手を縄でつなぎ、一緒の布団で寝ていても、縄と施錠を外して出ていった事例や、すべての出入り口に施錠をしたら、小さなトイレの窓から飛び降りた事例もある。

 井沢さんは「どんな思いで出ていこうとしているのかを、本人の目線で考えなければいけないが、家族は介護にくたくたでその余裕がない」と話す。
      ◇

 同会三重県支部が昨年十月、津市で開いた会員の集いでも判決が話題に。初期の認知症の六十代の妻を介護する津市の男性(65)は、妻に徘徊の症状はないが毎日、妻が寝るのを見てから床に就き、必ず先に起きる。介護する家族の監督責任を重くみた判決に「プレッシャーはすごくある」と話す。

 「施設に入れようにも足りず、入れない」「判決は家族にとって、閉じ込めておけというに等しい」などの意見も出た。

 同支部の下野和子代表(62)は「徘徊を百パーセント予見し、二十四時間監視するのは不可能。介護する家族は皆、経験的にそれを知っている。認知症になってもその人らしく生きていくには、地域や社会の支えが必要」と話す。

 <認知症列車事故訴訟> 名古屋地裁判決によると、認知症の男性は2007年、同居する当時85歳の妻がまどろんだ間に外出、大府市のJR共和駅の線路に入り、電車にはねられ死亡した。地裁は男性の徘徊を妻や長男は予見できたとして注意義務違反を認め、JR東海が求めた賠償全額約720万円の支払いを命じた。 


  <認知症事故訴訟>(下) 地域で見守る仕組みを 
2014年4月17日 中日新聞

 「こんにちは。今日は空き缶の日と違うで、捨てたらあかんよ」
 三重県伊勢市に隣接する同県玉城町で三月下旬、認知症の人を支援している谷口恵津子さん(60)は、町内の集会所で患者役の女性に話し掛けた。

 認知症の人との接し方を町民に学んでもらう「徘徊(はいかい)SOSネットワーク」の講座。「笑顔で、前から、目を合わせて、優しく」。谷口さんが実演後、参加した三十人に“こつ”を伝授した。

 高齢者の徘徊を正しく理解し、気になる高齢者には声を掛けて、保護してもらう。認知症の人と家族を支える町の自主活動グループ「サポーターさくら」が昨年始めた。二地区で実施し、小学生からお年寄りまで百三十人が受講した。

 原点は「お互いさま」の心。「目の前の認知症の人は、将来の自分かもしれない。そのときに自分がしてほしいことをして、役に立ちたい」と谷口さん。目指すのは「だれもが安心して徘徊できる町」だ。

 同町の地域包括支援センター職員、野口美枝さん(49)によると、介護保険施行後、認知症の高齢者が行方不明となり、側溝や竹やぶで凍死するケースが町内で三件あった。「介護保険だけではカバーしきれない。地域全体で見守る力が必要」。さくらは二〇〇八年、認知症を理解し、地域で支援する町の「認知症サポーター」養成講座の受講生らがつくった。

 声掛けのほか、認知症の高齢者の通院に付き添ったり、同センターの介護予防事業に協力したり。一二年には実話をもとに、認知症の人への対応の仕方を寸劇で啓発するビデオを六種類作成。毎日、町のケーブルテレビで放映されている。

 野口さんによると、行方不明の高齢者を町民が保護する例も。町では同報無線で行方不明者の特徴を知らせ、協力を呼び掛ける仕組みはあるが、その前に住民が異変に気付き、保護するケースも少なくない。
      ◇

 二十四日に名古屋高裁で控訴審判決が言い渡される、愛知県大府市の認知症の男性による列車事故が起きたのは〇七年。昨年四百七十万人を超えた認知症サポーターは当時約四十五万人。その後、玉城町のような取り組みが現れた。

 協力者の携帯電話にメールで行方不明者の特徴を配信し、捜索に協力を求める仕組みが出始めたのは、この五、六年のことだ。大府市は〇九年に愛知県で初めて配信システムを導入。一一年に導入した名古屋市では、一年半で六十六件の捜索の依頼があった。

 名古屋市社会福祉協議会の瑞穂区東部・西部いきいき支援センターは二月、徘徊対策の冊子「ひとり歩きさぽーとBOOK」をまとめた。衛星利用測位システム(GPS)機能付きの携帯電話を持ってもらおうと、携帯電話に孫の写真のシールを貼るなど、具体的なアドバイスを盛り込んだ。昨年八月の地裁判決で家族の不安が増していると感じ、作成を急いだ。

 「冊子で、認知症の人を地域で見守る意識が高まれば」と担当者は話す。内容は同センターのホームページ(センター名で検索)で閲覧できる。
 (この連載は佐橋大、山本真嗣が担当しました) 


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4月16日(水)のつぶやき

2014-04-17 01:12:16 | 花/美しいもの

医学書院・ケアをひらくシリーズの最新刊、信田さよ子さんの「カウンセラーは何を見ているか」の表紙・挿絵を担当しました。近日発売です。
信田さんの本からはいつも強いインパクトを受けるので、それを表現しました。挑戦的っ。 pic.twitter.com/5VmKjbASay

寺町みどりさんがリツイート | RT

ショッキングな表紙「カウンセラーは何を見ているか」は医学書院『ケアを開く』シリーズの一冊として20日に書店店頭に並ぶ予定です。Amazonでも同時期に購入可能となる見通し。どうかよろしく!

寺町みどりさんがリツイート | RT

しだれ桜としだれ花桃、しだれ尽くし。源平しだれもあります。 goo.gl/muU0WH


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