みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

上野千鶴子さんの最新刊『おひとりさまの最期』(朝日新聞出版)/「在宅ひとり死」という選択 

2015-12-13 19:00:22 | ジェンダー/上野千鶴子
あすは新聞休刊日。
小さい子たちを預かっていたので、
あふれるエネルギーとどっぷりつきあって、
二日分の新聞がたまっています。

そうそう、
先週の日曜日の朝日新聞の読書欄「著者に会いたい」は、
上野千鶴子さんの『おひとりさまの最期』でした。

上野さんから届けていただいた本も読み終えたところ。


本を読んでから紹介しようと思っていて、
日がたってしまいましたが、紹介させていただきます。

「おひとりさま」の親族の女性が亡くなったばかりだったので、
深く考えさせられる内容でした。

 (著者に会いたい)『おひとりさまの最期』 上野千鶴子さん
2015年12月6日 朝日新聞

 ■独居のままでも家で死ねます 上野千鶴子さん(67歳)
 シングル女性らの老いを論じて、大ベストセラーになった「おひとりさまの老後」(2007年)の「完結編」。といっても、「おひとりさま」の意味合いは少々違っている。

 「女も男も、結婚してもしてなくても、長生きすれば最期は『おひとりさま』。独居高ログイン前の続き齢者は、いまや多数派になりつつあります。時代の変化の速さはすごい」

 子どもや孫がいたとしても、「おひとりさま」とは無縁ではない。子も親も、互いに同居を望まなくなってきているからだ。そこで提唱しているのが、施設や病院ではなく暮らし慣れた自宅で最期を迎える「在宅ひとり死」。訪問医療・訪問看護・訪問介護の「3点セット」を整えれば、独居者でも在宅死は十分可能なのだと説く。

 「在宅死をすすめるのは国の政策でもあるけれど、受け皿を整えないで放り出せば、病院でも施設でも死ねない難民化した高齢者が増えていくだけでしょうね」

 医療・看護・介護の現場での取材を積み重ね、実践的なハウツーも紹介するが、「ただのマニュアル本とは違います。私なりの死生観が反映していますから」。

 介護保険法とNPO法が成立した1990年代後半から、「なりゆき」で九州の生協が立ち上げた介護事業に深く関わった。自身の老いが始まる時期とも重なって、ケアや社会保障の問題が大きな研究テーマとして浮かび上がってきたという。

 その間には父を介護し、みとる経験もあった。「父にとっては娘の私がいてよかったかもしれないけど、でも子どものいない私はどうしたらいいの? 『おひとりさま』は、自分のために始めた研究でした」
 (朝日新聞出版・1512円)
 (文・樋口大二 写真・堀英治)


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 「身じまい」のおと
「在宅ひとり死」という選択=社会部編集委員・滝野隆浩/東京
 

毎日新聞2015年12月5日 

 女性学・ジェンダー研究の第一人者、上野千鶴子・東大名誉教授が最近、「在宅ひとり死」を提唱しているらしい。コミュニティネットワーク協会と鎌倉新書の共催で先月、講演会があったので聴きに行った。


 演題は「親も、私も、自分らしく最期まで生きる」。中高年の介護世代向けの講演なのだろうが、会場には赤ちゃんを連れた若いママも。聞けば「親の介護はいつか切実な問題になりますから」と言う。マジメに考えれば深刻なテーマ。ただ、先生の語り口は軽妙で、会場では何度も笑い声が響いた。

 「無縁社会」「孤独死」……。ここ数年、独り暮らしの高齢者が社会問題として取り上げられてきた。だけど、先生はまず「1人で死んでも孤独死とは呼ばれたくない」と訴える。いま高齢者の単身世帯は2割強で、同じく夫婦世帯が3割。夫婦はいつか死別するから「単身予備軍」である。ならば、日本は「高齢おひとりさま」世帯が半数の社会に近づいていく。その人たちはみんな無縁で孤独なのだろうか、と問う。

 本当は多くの人が「死ぬなら自分の家で」と思っている。しかし、実際は施設に入り、そしてそのあと8割が病院で亡くなる。高齢者は持ち家率も高いのになぜ? それは「子供と同居するから」と先生。共働きの子供夫婦は「1人で置いておけない」と考え始めて施設を探し出す。決定権は子供側。子供に迷惑はかけられないと、親も施設入所に同意して……。「皆さん、『一緒に暮らさない?』という子供の声は、悪魔のささやきなんですよ!」

 「在宅ひとり死」の条件について、上野先生は(1)本人の強い意思(2)介護力のある家族の存在(3)利用可能な医療・看護・介護サービスが近くにある(4)あとちょっとのお金−−を挙げる。でも、同居する家族がいないからと諦めないでほしい、と言う。(3)のうち一番重要なのは「介護サービス」。住んでいる地域で提供者をなんとか探し出す。お金は少しかかるが、「お墓を買うお金を残すなら、それは生きているうちに使いましょうよ!」。なるほどね。

 これらのことは、講演のあと出た先生の近著「おひとりさまの最期」に詳しい。社会学者らしくデータを挙げて説明し、そして実例がたくさん載っているから、ためになる。

 団塊世代で、いまや介護保険の1号被保険者証を持つ、自身「おひとりさま」の上野先生である。講演では一番最後に、「親も、私も」という演題に合わせて、本にはない子供側へのアドバイスもした。よく介護適齢期の世代から「親と同居すべきですか?」と質問を受けるという。先生は決まってこう答える。

 「同居はしないで、仕事も辞めないで。自分の家で逃げも隠れもできず、家は介護職場になってしまう。フルタイムでなくていい。家族はパートタイムでいいじゃないですか!」 



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12月12日(土)のつぶやき

2015-12-13 01:15:13 | 花/美しいもの

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